龍の契り (新潮文庫 は 29-1)

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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (687ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101341316

感想・レビュー・書評

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  • 香港変換の裏舞台!ロマンある!

  • もう10年以上前に書かれた小説ですが、今読んでも楽しめます。

    ストーリーは複雑だし、二転三転する展開に、ハラハラさせられる。
    誰が何を狙って動いているのか…

    でも、登場人物がくっきり描かれているので、混乱しない。
    これはやはり作者の力量だなぁと思います。

    まだ当分ウチの本棚にありつづける小説です。

  • うわ~驚きました!
    もちろんジャンルに男女差はないものの、この手の冒険モノというかスパイモノを女性が書き、凄い!と思ったのは2人目ですね~。一人目は高村薫氏ですが・・・。
    紛失した機密書類をめぐって英・中・米・日の秘密情報部が動き、そこへ複雑に絡み合っている人間関係あり~の、その機密文書はなんなのか~ということでワクワクして読むことができます。久々に楽しかったですよん。
    香港返還に関することなのですが、その真相もおお~!となること必見!
    気になっていたんです、服部作品。やっと読むことができ、はまりますね~これまた。
    他の作品も早く読みたいと思っています。

  • 文章が、硬くて読みつらかった。ストーリー展開はおもしろい。
    香港の返還に関して、その歴史的背景を考える。
    アヘン戦争から始まる、香港のイギリスの植民地化。
    蒋介石、そして毛沢東による中国革命。
    その間でも、香港の返還は、中国側から要求されなかった。
    その歴史を探ることからはじまる。

    沢木喬、私立大学から、ジャーナリスト、そして外交官へ。
    外務省のすべき仕事が、意外とはっきりとわかるテーマである。
    イギリスの諜報部、アメリカのCIA、外務省、
    その力量、情報網、そして、ジャーナリス

    劉日月 不思議な男である。
    ハッカーとしての能力を発揮しながら、
    シンジケートの若くしてのボス。
    そして、ネットワークをうまく活用する。
    模倣し、時を読み、しなやかに添う。東洋の呼吸。

    アディール 
    オスカー賞を取るほどの女優。宗家の孫。
    東洋人の血をひくことに対して、目覚めていく。
    中国での映画産業を隆盛し、
    東洋、中国に誇りを持たせたいと願う。
    その考え方が、おもしろい。

    ダナ・サマトーン 
    フリーのルポライター。そして、美しい女性。
    上海香港銀行のマネーロンダリングを暴こうとする。
    深く、密約にかかわっていく。

    ハイパーソニック社長 西条 
    ライセンスをもち、行動的に動く。
    危険に対しても、動じない。

    「中国は、東洋の頭脳であり、
    底知れぬ可能性を秘めた国だと、私は思う。
    西洋的合理主義とは違う理があり、計があり、策がある。
    東洋的な知恵の中から、常識を超えた製品が、
    いくつも生まれるでしょう。
    -東洋にアイデンティティをもつもののひとりとして、
    私はそれを誇りたい。」

    太極拳や、気功。
    「風のような流れ、
    動物の仕草をまねた自然な動作、
    地球の持つパワーと自分を一体化しようとする気持ち」

    中国とどうかかわるのか?
    やはり、興味深いですね。
    その中で、中国をどう見るかです。

  • だいぶ前に読んだ本ですが、かなり面白かったです。
    香港返還という歴史上の一大イベントに絡めて、
    大きな破綻もなくまとめあげたのは凄いと思う。

  • 影響されやすい性格なのか・・・。
    東洋人としてのアイデンティティー、誇りを意識しました。
    香港返還をめぐっての謎についての仮説を物語にした壮大な作品。
    次の作品にもっと期待します。

  • 内容はよかったけど、読みにくかった。

  • 香港返還の裏に本当にこんなことがあったのでは?と思えるくらいリアルで面白い。何度読んでも飽きない本の一つです。

  • 色々適度でとっても面白かった!
    イギリスがドル箱の香港をすんなり返還したのには訳があるに違いない

    その予想をベースに事実と小説がうまく噛み合ったストーリーです。

    ロスチャイル○家がHKを足がかりにアジア進出をしていたのは事実らしいですが、
    いやぁこの家、ほんっとすごい・・・・
    犯罪とまではいかないのかもしれないけど相当汚い手も使って儲けています。
    アヘンを流通させ、清を崩壊させたのもこの家です。

    この家からみた歴史を書いたら別視点で相当面白そう。

    日本も日露戦争のときにロスチャイル○家からの資金援助がなかったら負けてたかもしれないと思うと、少しは恩恵も受けているのかな?
    まぁ援助というか投資で、結果日本が勝つことによってロスチャイル○家が儲かる仕組みなのだけど。

    ともあれ、色々適度で本当に面白かったです。文句なしの☆5つ。

  •  国際スパイ小説。香港返還に関わる秘密文章を、英米中日が入り乱れて争奪戦を繰り広げる。コン・ゲーム的な要素があったりしてサービス満点、とにかく一気に読み切ることができるエンターテイメントである。おもしろい。
     ちょっと気になるとすれば、なんというのかな、おそらくはソニーをモデルにしているであろう企業の社長(これがレーサー並みのドライバーで、ジェット機まで操縦したりする)とか、あるいは秘密組織とか、ちょっと設定が大仰で、ちょっとだけ笑ってしまいそうになるあたりだ。主人公が事件に巻き込まれるきっかけ(?)になる女性外交官の結婚の件など、これはもう声を上げて笑ってしまった。この作品が書かれたころには、彼女の人格が否定されて、なんて話になってくるとはとても想像できなかったに違いない。
     それはともかく、虚実織り交ぜてそれらしい話を組み立て、読者をぐいぐい引っ張っていく迫力はたいしたもの。なかなか楽しかった
    2005/1/1

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒。95年に刊行したデビュー作『龍の契り』が大きな話題となる。’97年『鷲の驕り』で吉川英治文学新人賞を受賞。以後、豊富な取材と情報量を活かしたスケールの大きな作品を発表し続けている。他の著書に『KATANA』『ポジ・スパイラル』『エクサバイト』「清談 佛々堂先生」シリーズ、『天の方舟』『深海のアトム』『夢窓』などがある。

「2020年 『令和版 全訳小説 伊勢物語 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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