海国記〈上〉 (新潮文庫)

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著者 : 服部真澄
  • 新潮社 (2007年12月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (505ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101341347

海国記〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 日宋貿易による平正盛、忠盛、清盛の平家三代の繁栄を描いた歴史小説。個人的にはこの時代には興味があるし、題材もよいけれど、文章のキレは今一つ。上巻だけで500頁を超える分量なので、もう少しテンポよくして欲しいもの。

  • (2012.09.08読了)(2012.07.24購入)
    【9月のテーマ・[平清盛を読む]その①】
    平家三代、平正盛・忠盛・清盛の物語のようです。主軸は、中国・宋と博多、博多から京都までの瀬戸内海の航路、というところにあるので、海国記という題名がついているようです。始まりの方は、水竜という瀬戸内海の舵取り(瀬戸内海の水路に詳しいもの)やら陳四郎という宋国人やらの素性の知れない者たちが主人公のようでしたが、徐々に清盛や信西(高階通憲)などのNHK大河ドラマ「平清盛」で活躍している人たちに主人公が移ってゆきます。
    祇園社事件が終わったあたりで、上巻は終わりになっています。
    西行も源氏の一族もほとんど登場しません。下巻で出てくるのでしょうか。
    作者がどこに焦点を当てるかで、脇役としての登場人物は変わります。
    割と読みやすいのですが、ドラマ性の多少欠ける物語のような気がします。あまりお勧めしません。(下巻を読んでみないと最終的にはわかりませんが)

    ●乳母(87頁)
    哺乳から保育まで、乳母は手取り足取り世話をし、また、男と女が子をつくるためになすことを、自らの身で教えることもした。
    ●書物(211頁)
    「たとえば、かつての朝廷や他所の国がいかように政治を行い、諸事いかに対処して参ったのか。あるいは失政はいかなる理由であったのか。法は人の罪のいずれを裁き、いずれを許してきたものか。また、兵をいかに動かし、いかような戦法を用いたか。作物を育てる勘所は。天文を見る術は。病を防ぎ治す術は。傑人傑物の伝は。自国他国の風俗は……。あらゆる解が、書物にはございます。書の一巻が失われるという事は、歳月をかけて築いてきた秘術秘伝が失われること」
    ●仁和寺(352頁)
    仁和寺のありようは、数多ある寺社とは異なっている。光孝帝、宇多帝と二代にわたる創建からこの方、仁和寺の門跡はすべて、皇子皇孫が継いでおられる。
    ●清盛の母(374頁)
    祇園女御の妹君にして忠盛の妻である二の君はこの世を去っている。
    忠盛の長子、清盛は、生まれて二年ばかりで母を喪った。
    ●宋の書籍(376頁)
    「政には学問が要る。大宗国よりの書籍にあるがごとき律令や諸法の形が、この国の姿を整える。都のあり方も、朝廷の形も、徴税も、商いの流れも……。何もかも学ぶところ多大じゃ。誰が朝家の政を支え奉るのじゃ」
    ●『会要』(404頁)
    会要とは、大陸の王朝ごとに起こった政にまつわる諸々の制度や、法の運用を、後代の者が部門ごとに分けて記述した、王朝史の参考書である。

    ☆関連図書(既読)
    「清盛」三田誠広著、集英社、2000.12.20
    「平清盛-「武家の世」を切り開いた政治家-」上杉和彦著、山川出版社、2011.05.20
    「平清盛 1」藤本有紀原作・青木邦子著、NHK出版、2011.11.25
    「平清盛 2」藤本有紀原作・青木邦子著、NHK出版、2012.03.30
    「西行」高橋英夫著、岩波新書、1993.04.20
    (2012年9月8日・記)

  • (上下巻合わせてのレビューです。)

    大好きな作家である服部さんの歴史小説モノ。
    時代はちょうど平家台頭~滅亡、鎌倉幕府設立くらいまで。

    この時代は、どうしても平家vs源氏に目がいってしまうのですが、
    (そうではなく)中国(宗)からの貿易ルートに注目し、
    そのルートを押えた者が権力を持つことができるという
    今までにない部分(=経済)に注目して書かれた歴史小説です。
    いわゆる流通経路を押えた平氏の発展が非常に興味深かったです。

    (古文の苦手な)自分には、
    やや読みにくい(理解しにくい)表現がたくさんあったり、
    登場人物がたくさん出てくるので巻末の家系図と本文を
    行ったり来たりしながらも、何とか2冊とも読破です。
    (もしかすると単純に歴史小説を読み慣れていないだけかも!?)

    こういう歴史モノも今年は少しずつ
    チャレンジしていこうと思っています。

  • 平家の隆盛と衰退を平氏の視点から記載した小説。
    清盛の祖父の若いころから語り起こしている。
    平氏が瀬戸内の海賊上がり?であったことは知っていたが、宋との間の密貿易で儲けて朝廷に献上して、権力の座に近づいていくというのは新鮮だった。なかなか面白い。
    下巻になるといよいよ清盛の時代になってくる。

  • 2008/1/5 ジュンク堂住吉シーア店にて購入
    2011/12/16〜12/22

    主にサスペンスを主戦場にしてきた服部さんが時代小説に挑んだ本作。平安の終わり,宗との貿易に命運をかけた人達の物語。世は院政の時代,平氏の勃興の様子も描かれ,これまでこの時代の物語を読んだことがあまりなかったので興味深く読めた。が,巻末に系図が載っているのは良いのだが,あまりにも登場人物が多くて,ちょっと苦労した。上巻の最後の方は清盛が主役になりつつある。来年の大河ドラマ(見るつもりはないが)の主人公でもあるので,下巻での活躍に期待。

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海国記〈上〉 (新潮文庫)の作品紹介

海に囲まれた浮島のような日本列島で、人は古来、海の彼方に夢を見た。富も知識も幸福も、海の向こうからもたらされると信じてきた-。時は平安の終わり。西海の果ての遙かな大国・宋に憧れて、海路から辿りつこうと試みた者たちがいた。船乗り、商人、武士。陸には安住できぬ冒険心と野心につき動かされて、果敢に海へ乗り出した彼らの前に、夢へと続く、壮大な航路の扉が開く。

海国記〈上〉 (新潮文庫)はこんな本です

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