食べもの屋の昭和―伝えたい味と記憶 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101341415

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  • 昭和の人気店の明治や大正、昭和初期の状況のオーラルヒストリー。

  • 谷崎や永井荷風の小説や随筆に出てくるようなお店が取り上げられているのか・・・と思って手にした一冊。
    老舗の食べもの屋の店主にインタビュー取材をしてまとめた本。
    昭和外食史というほど、体系だってはいないけれど、東京だけでなく、大阪、京都、札幌のお店が取り上げられている。
    取材したのは1990年前後。
    文庫になったのは数年前のようだけれど、実際はもう20年前くらいの内容。

    昔の食材はよかった、昔はのんびりした時代だった(夏の食材が手に入らない時期は二ヶ月店を休んでいたなどという話が一軒だけでなく出てくる)という話が多いのは、まあ、仕方ないかな、といったところ。
    そんな調子だと、現在多くの店が閉店してしまっているのか・・・と思ったら、巻末の資料に寄れば、店じまいしたのは1軒のみ。
    そこはさすが、老舗なのだなあ、と感心。

  • 日本の老舗飲食店の主人たちを取材した本。
    読んでみて感じたのは、まず、東京のお店は震災と空襲という二つの大変な時期を乗り越えているということ。
    戦後は食材に苦労したり、店舗を持てず屋台でお店を開いたりしていた方もいらっしゃいました。
    それから、戦後の経済成長で社会が変化していく中で、「うちの味はこれだ」と守り続けていくことの大変さ。
    暖簾を守るというのは、ただ単にお店を続けるというだけでなく、店の味や店の歴史、代々受け継がれてきた誇りを守ることなんだなと思いました。
    20年ほど前の取材らしいですが、この本に載っているお店が、今も変わらずにいることを願います。

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