女という病 (新潮文庫)

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著者 : 中村うさぎ
  • 新潮社 (2008年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101341712

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女という病 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 著者の描き方に非常にはまる。もともとこうした事件ものが好きではあるが、こんなの一気に読めたのは、珍しい。読みながら、どうもこの文体はどこかで……と思ったら、朝倉喬司さんのルポだった。そういえばこのお二人には共著もあったなあ。13の事件の中で、気になったのは佐世保の小学生、あの子今いくつになったのだろう。そして事件の凄惨さに引いたのは保育園園児殺害と神奈川の主婦連続殺人。女性として一番興味があるのは浮き草売春テレクラ殺人の人。ワタクシが犯罪に興味があるのは、自分には関係ない、見世物として好きなのではなくて、いつ「そこ」に自分が立っているかわからない、そんな「恐怖」(であり快感)があるからだ、と再確認。

  • 犯罪を犯した13人の女たち。彼女たちが犯した事件や取り巻く環境、そして何よりそれぞれの心の内が、中村うさぎの内面と交錯する形で描かれる。
    それぞれが持つ背景や、また彼女たちの結末も三者三様であるが、その根底には強烈な"自意識"の問題が存在する。そんなこと考えない方がきっと楽に生きられるに違いない。しかし彼女たちは、"何か"が欠落した自分に対して目を向けずにはいられないのだ。
    多くの犯罪者は自分の感情を言語化することに不得手だ。勿論、ここで描かれるそれぞれの"犯罪者"に対する中村うさぎのの解釈が誤っている可能性も、彼女自身が前書きで指摘する通りあるわけであるが、とかく分かりやすい形でセンセーショナルに取り上げるマスコミに代わって、その内心をえぐるように言語化するという作業こそ、解説で述べられる"祈り"の行為なのだと思う。

  • 「自分という病」というエッセイで東電OL殺人事件の被害者女性に感情的に馮依・同化して、女視点で赤裸々に肉薄をした筆者の、肉薄同化シリーズの続編。

    事件の被害者女性・加害者女性に中村うさぎが馮依・同化して、突き詰めて抽出する女(特有)に自意識は、多分男女問わず共感を引き起こすものが多かったのではないか。少なくとも自分は、部分的には「自分の物語」として読んでいるモードに入っていた。とくに
    やおい漫画作家殺人事件被害者の『謎めきたがる癖」には少し共感してしまった。底の浅い人間だと思われたく無いという想いが自分には強い気がする。

    ちょっとこれも怖いけど面白い話しだった。

  • 私のいつものテーマである「女性性の肯定と否定」に関して触れられており良かった。性的な価値を認められたい欲求は大概の女性が持っているだろうし、若くないとか美しくないとかの女性は大概不満を抱えて生きているのではないでしょうか。
    男性性への恐怖に関しても概ね共感であった。私は常々、若くなくなった自分の価値の消失が怖いと感じてるんだけど、それは露骨な男性の対応が怖いのかもしれませんね。というか殆どがそれです。

  • 女性が主役を演じた実在の13の事件。
    その闇に迫るドキュメント。

    描かれる事件と当事者の心理はもちろん
    それを描き出す著者もまた、良くも悪くも
    女性特有の形で表現されていて
    大変面白い一冊でした。

    奥底にあるテーマは、以前に読んで感想を記した
    「グロテスク」や「ヘルタースケルター」と、ほぼ同じかも。

    今回も、前出の二冊も、関西弁で言うところの
    いわゆる「えげつない」話なんだけど、目を背けることができない。
    そこに生きている彼女達は、可哀想という言葉をかけるには
    あまりにも力強くてたくましくて、まぶしすぎる。

    「女の自意識は、それ自体、病である。」

    というコピーに、首をふれない女性は多いんではないかしら。
    少なくとも、私は首をふること、できません。

    毒気に当てられて、くらくらと眩暈を感じながらも
    滑稽だとは、笑えない、もう一人の私がいます。

  • 女の自意識はそれ自体病かもしれないけれど、
    持っていて悪いことばかりじゃない。

    うさぎさんの描く物語として読めば面白い。
    現実の事件としては、やっぱり痛ましい。

  • 女性犯罪者13人の実録犯罪集。とはいえ著者本人も言ってたけど、やはりどうも著者の中で一度取り込まれ練り直された段階でだいぶ主観が入ったというか、ここまで断定するのはどうか、と思われる内容になっている。思い入れが強すぎて、センチメンタル&どろどろ&センセーショナルに脚色し過ぎじゃないか。犯罪はドラマじゃないし、犯罪者サイドの理由を他人が後付けする必要もない。個人的にはもうちょっと後に引いた立場から書かれたものが読みたい。

  • イキナリ同人誌作家の殺人事件から始まるので、妙にドキドキしました…;;
    自分の嫌なところとかを突きつけられた感じで、納得いかないんだけど納得するしかないなーみたいな気分になる。もっと大人になりたいなーと思います。

  • いつもは軽めのおバカなエッセイを書いている中村うさぎ女王様ですが、今回は13人の女性犯罪者・被害者に焦点を当て独自の見解というか、まるでイタコのように彼女たちの恨みつらみ心の闇を突き詰めて語って行く。
    「女」はそれ程日頃から「女」を意識していない様にも思えるのであるが、この様な本を手に取ってしまうあたりやはり私も「女」を意識している女の一人であるという事か?個人的に中村うさぎにはこの固めというか、噎せ返るようなねっとりとした文章で永田洋子か福田和子の一人称長篇小説を書いて欲しい。需要は全く無さそうだけど。きっと後味の悪い濃い読みごたえのある本が出来ると思う。

  • アンビリバボーであった事件が載ってるってことで読んでみたけど、結構楽しめた。
    わたしが一番自分かも…って思ったのは最初の同人家殺害事件かな。

    私もこういうところで自分の意見を言ったりして、自分自信を演じて、いろんな自分に酔ってるのかもな。

  • 実話を自分の目から見てドキュメントする。事実ではないかも知れないが、きっとこう思ったのであろうと。登場する犯罪者の気持ちと私は同じと述べることで、皆さんは如何と語りかける。しかし女だからこそこんな風に行動するのだという主題には共感できなかった。2016.6.11

  • 実際の事件を元にしたフィクション。
    一見、短絡的で、荒唐無稽であり、同じ人間として感情を理解できない事件の加害者、被害者たち。
    しかし、著者の「自分の物語」とする力によって登場人物たちの行動に合点が行ってしまう。
    作家の想像力はすごいとよく言うが、
    これほどまでに様々に過剰な登場人物に帰依し、感情、場景を描き出せる著者の物語もそうとうにグロテスクなものだろうと想像できる。
    しかし、自分の行動を著者のように言語化できずに、恐怖し、焦燥する日々(なんとなくモヤモヤする的な感じ)はもっと地獄である。

    特に記憶に残ったのは「第十一章」の物語。あとがきにも触れられているが、読み返すのもしんどいので止めることにする。

  • 図書館でタイトルに惹かれて読了。

    なーんのことはない、未解決事件ものが好きで昔によく買って読んでた「新潮45」の連載をまとめたものだった。表紙のちょっと不気味なイラストが好きだったなー。

    で、中村うさぎさんが、ご自分の持つ女の自意識と比較、もしくは重ね合わせて、犯人像に迫るという、事件はノンフィクションなんだけど、ストーリーはあくまで個人的な見解のフィクションというもの。中村うさぎさんファンなら、かなり楽しめるのかも。

    ただ、「女だから」とか「男だから」とか、日本て、この性別論から、この本が発行された10年が経っても抜け出せていない感じ。。。「女の自意識は、それ自体、病である」ってフレーズも、なんだか、女自身を卑下しているようで、しっくりこない。

  • 「凡庸な人間にとって、己の凡庸さほど自尊心を傷つけるものはない」………多分これにいちばん近親憎悪を抱いたんだと思う。

  • ドキュメントと言うには全体的に取材や調査が不足してると思う。事件のガイドラインを元に中村うさぎが好き勝手コメントするって感じの要はエッセイで、全然ドキュメンタリーではない。しかもやってることは各女性を累計してなんちゃら女、とか名付けるだけという退屈極まりないもので、なぜこの女性がこれに及んだのか、と言った掘り下げが欠けている。がっかり。

  • 過去に起きた事件を紹介して読み取って解説していくもの。
    事件、だから、読んでてしあわせなものではなかった。

  • 【本の内容】
    ツーショットダイヤルで命を落としたエリート医師の妻、我が子の局部を切断した母親、親友をバラバラにした内気な看護師…。

    殺した女、殺された女。

    際限ない欲望、ついに訪れた破滅。

    彼女たちは焼けるような焦りに憑かれて「本当の私」を追い求め、狂い、堕ちた。

    女性が主役を演じた13事件の闇に迫る圧倒的ドキュメント!

    女の自意識は、それ自体、病である。

    これは、あなたの物語。

    [ 目次 ]
    空っぽの椅子―同人誌“やおい”漫画家殺害事件
    ファンシーな城の中の死―エリート医師妻誘拐殺人事件
    人生の偽造パスポート―ラカン派精神科医婚約者殺し
    殺意の蝉時雨―保育園長園児殺害事件
    “有栖川宮妃”のファーストクラス―ニセ皇族の結婚披露宴詐欺事件
    青木ヶ原樹海から出てきた女―事件を装って家出した市長の娘
    虐待という因果―実子局部カミソリ切断事件
    「容貌」という地獄―佐世保小六同級生殺人事件
    親友をバラバラにした女―看護師三角関係殺人死体遺棄事件
    通称「和歌山二大悪女」―和歌山マリオネット殺人事件
    逃げ場所は心中―浮き草売春女テレクラ心中事件
    霊能者は殺せと告げた―神奈川県連続主婦殺人事件
    バービー・ナルシシズムが生んだ狂気―赤い自転車連続通り魔事件

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • こわーーー(T_T)
    なんか冷たいものがぞぞぞーっと背中をつたう感じ。
    中村うさぎって、単に変な人かと思ってたけど印象変わったなー。

  • この人、佐藤優との共著は良かったんだけど。これは、ヒドイ。まさに、病。

    やおい漫画家殺人事件。取材数一件。電話で一言、謎めきたがる癖。この一言で妄想を広げる広げる。事実かどうかも不確かな風俗勤務の動機をでっち上げ、無理やり繋げる。その店にも取材に行きやしない。その癖、結論はまだ出したくはない。いやいや、結論なんか出せないし、普通ボツです、この一編。さすが姉さん。

    最初から こう纏めたい という切り口あり気なんだろうな。本当の自分、仮の自分。強引で乱暴で、偏っており、無知性であり、無遠慮である。

    しかし、こんなにも女性が犯した殺人事件って多いんですね。

  • このなかの女性たちに自分を重ね合わせてしまう。
    こんなはずじゃなかった、本当の自分はこんなんじゃない。
    現状を受け入れることは「妥協」にも似てる。
    そして妥協したくない自分もいる。
    20代ならまだ妥協しなくてもいいんじゃないかって自分に言い聞かせてしまう。

  • 手にしたのは千歳空港だったかな。中村うさぎの本ということで買ってみた。『新潮45』の月刊誌に連載したものを文庫化したものらしい。

    冒頭にこの本の趣旨が書かれているが、連載の企画を詰めていたときに編集長である中瀬ゆかりさんが、「女の自意識は、それ自体、病である」と言ったそうだ。この言葉に中村うさぎはひざを打つ。自分探しという病。それは「本当の私」探しであり、「私という物語り」の始まりだ。複数の私として表れるコスプレはその典型だろう。双子の物語は「喪われた自分」「もう一人の私」であり、「選ばれしもの」と「選ばれなかったもの」の物語だ。本当の「私」はどこにいるのか? 分かりやすい「記号」を求める人は多い。

  • 今読むと時代が変わったなあ~と思った。まだ10年くらいしかたってないけど。中村うさぎの価値観とか見方が古く感じた。

  • うさぎさん自身がとてつもなく「女」だから、ここまで「女らしさ」を描けるのだろうな。

  • 共感できる箇所が多くて暗い気持ちになった。。

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女という病 (新潮文庫)の作品紹介

ツーショットダイヤルで命を落としたエリート医師の妻、我が子の局部を切断した母親、親友をバラバラにした内気な看護師…。殺した女、殺された女。際限ない欲望、ついに訪れた破滅。彼女たちは焼けるような焦りに憑かれて「本当の私」を追い求め、狂い、堕ちた。女性が主役を演じた13事件の闇に迫る圧倒的ドキュメント!女の自意識は、それ自体、病である。これは、あなたの物語。

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