愛という病 (新潮文庫)

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著者 : 中村うさぎ
  • 新潮社 (2010年11月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101341743

愛という病 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「女とは?」というこの究極の問いに、中村うさぎが様々な視点から答え"ようとする"一冊。その効能(?)は解説の指摘が的確。p285「性役割に馴染めなかったオトコオンナたちに、うさぎさんは何と闘えと言っているのか。それは、本文中にもたびたび登場する「オヤジ」というやつだろう。〜略〜闘う相手はもっと観念的なもの、社会にはびこる「オヤジの常識」だ。」p288「Cancam女にも、エリートパパにもなれなかった外れオトコオンナ達は、舗装されていないけもの道を歩き続けるしかないのだ。〜略〜そんな人々に、一緒に強く生きようぜとハスキーボイスでエールを送り続けているのが、うさぎさんの本なのだと思う。」要は旧来の凝り固まった「女」像からの解放を目指しているんだと思う。
    中村うさぎ、そして彼女を支持する読者を苦しめるのは、この観念的な「オヤジ的なるもの」だ。「自分棚上げ精神」を持ち、「こうあるべきだ」を振りかざす「オヤジたち」。そのオヤジたちが唱える「女のあるべき姿」に順応できる素地のない人は、社会が求める自分と現実の自分にもがき続けることになる。「男」や「女」といった枠組みに拘るのは往々にして「オヤジ」たちであり、そのくせこの「オヤジ」たちは自分を傍観者に位置付けるのだ。
    男の論理は基本的に自分が中心であるため極めて単純明快。一方の女は「女」であるが故に求められる役割やらそれに反する自意識やら、不一致要素がたくさん。これが女を苦しめる要因の一つであるような気がする。

  • 女性の心理、「女性は三度生まれ変わる」というのは案外 当たっているかも。

  • 中村うさぎはオカマ、というのにうなずいたり。
    閉経というのは、頭がハゲてしまった坊主、というのに爆笑したり。
    エロを感じたのがAV女優のたたずまいだというエピソードに切なさを感じたり。
    このエッセイのテーマをあえていうなら、「敵はオヤジ」ってところかな。「オヤジのはしゃぎっぷり」とか、耳が痛い。私自身がまわりに感化されてオヤジ目線になっているところがあるので。そのほうが楽なんだよ。内心は違うと思っているんだけどね。
    ブルボンヌさんの解説もよいです。あたりまえとされるものをあたりまえと受け取れないのはつらいんだ。でもがんばるぞと思ったり。

    中村うさぎの本のことは、ほかの人とは話せない。「ブランド品を買いあさって整形している人でしょ」「ホストクラブをネタにしてエッセイ書いている人でしょ」で終わってしまうから。なんだか踏み絵のような気がしますよ。

    中村うさぎのいいところは、韜晦というものがないところです。たまにいいわけしてるけど、人や社会のせいにはしないで、踏みとどまってる。
    一生、老年になっても自分と女を追及してもらいたい。

  •  中村うさぎはすごいなぁって思う。
     身を張って生きてる。いや、誰もがそうなのかもしれないけれど、自分に都合のわるいことをここまでさらして生きているひとはそうは居ない。だからこそ作家なのだろうけれど。

     エッセイをまとめたものなので、1冊を通しての強いメッセージや構成はないけれど、それでも、ひとつの彼女の思う愛という病について考えさせられる。彼女の思うことが正しいとも言い切れないが、少なくとも彼女にはこう見えているのだろう。すごい。

  • BL好きの女性(いわゆる腐女子)についての考察が的外れすぎて……。なんかガッカリ。
    私は完全にBLを楽しむときは「傍観者」の立場で、
    物陰からひっそりと覗き見しているような状況に
    萌えているわけで、その男の子たちに自己を投影して
    いるなんてことはありえません。
    そういう楽しみ方があるのはわかりますが、
    人それぞれじゃないですか?
    BL好きだからって、全ての女子の楽しみ方
    が一緒とは限らないのに、そんなことはわからないのかなあ?
    下手にBLというジャンルに首を突っ込んで失敗したとしか思えない。
    せめて、「私はこう思う」くらいに書いてくれたらまだ良かったのに、断定的な文章だったもので。

    なんだかなあ。最近うさぎさんの本読んでも、矛盾点というかツッコミどころが多すぎます。

    ホストのことも何回も書いてますけど、
    うさぎさんはご自身よりはるかに年下の
    ホストに「恋をしていた」と確実に書いてあったのに
    (さびしいまる、くるしいまる
    私という病 など)

    後の本に「恋愛関係になりたかったわけじゃないのに、勝手にホストが勘違いした。ホストは私の言葉を殺した」
    みたいに書いてあったり……。

    いや、恋してたやん!?
    迫ってましたやん!?!?

    自分の言葉は、ものすごく崇高で、神で、絶対に汚してはならないものっていう感じなのに
    相手の言葉は軽んじる傾向があるというかなんというか……。
    私もうまく言えないんですけどね。

    とにかく、なにか嫌なことがあれば
    「自分の言葉を殺された!!」
    と騒ぎ過ぎた結果?が、今の現状なのかなと思ってしまいました。

    うさぎさんのファンで、本もたくさん読んできたけれど、最近のは重くて読むのが辛いです。
    でも、こういうこと言うなら読むなって感じですよね。
    でも、うさぎさんのことは最後まで見届けたい気持ちがあります。うさぎさんは自分の人生にどう落とし前をつけるのでしょうか……。

  • うさぎさんの女分析はなるほど。毎度同じだけど納得。

  • ひとつひとつの事象をすごい考えられていて 視点も「あー、確かに」と気づかされることも多かった。すごい素直な文章でした。

  • 動物は性欲が生殖本能と直結しているため、相手は一意的に決まる。ところが人間は抽象思考により性的興奮を得る。それゆえ、同性に恋をしたり、レザーやゴムに興奮したり、嗜虐や被虐に萌えたりする。時代が進むにつれ性欲は生殖本能からどんどん遠ざかっている。変態はいわば進化の最先端。少子化は脳の進化のきわめて自然な末路といってよい。とりわけ女性の場合、男性と異なり、写真やAVなどズリネタは不要。脳内妄想のみでイケてしまう。自身が女性でありながら、女そのものの不可解さに違和感を抱く著者。女とは何なのかを模索する。

  • この人は本当に鋭く、的確。
    そして自分で抑えられないほどの自我を持っている。

    私を苦しめる地獄の正体
    ダメ男はなぜモテるのか
    が良かった。


    ・私はただ若いイケメンに惚れられる夢に恋してただけ。そして、今も苦しめるのはその夢。その夢だけは諦めきれない。
    私はの欲望は男に向かっているわけじゃない。自分自身に、向かっている。若いイケメンに惚れられ、欲情されるだけの価値ある自分が欲しい。
    だから、年齢た容貌の基準をあら程度満たしている男なら誰でもいいの。若く美しいわたしというナルシスティックな甘い夢に溺れさせて。
    多くの女は欠落した自己な飢えている。男なんて自己の投影物に、過ぎない。だから女はどんな男な愛されたいかに固執する。それは男の個人性ではなく、属性。私の場合は若さと、美貌だけど、人によっては、知性、権力。女の選ぶ男の属性は、女が欲しがっている属性。
    欲しいのは愛じゃなくて、私。全ての恋愛はナルシズムのためにある。男を通じてただただ自分だけを愛している。
    他人を愛せないくせして、自己愛を満たすために他人の愛を欲しがる。
    女のナルシズムは、他者の愛によってしか満たされない。それは女が自分を他者の欲望の対象として捉える生き物だからである。女は他者の欲望を求めることによって自己を確立し、同時に他者を無化するもんすたーなのだ。
    ・男を受け入れる気が全くない人は、色気がない。
    ・セックスは、性欲に突き動かされての本能的な行為ではなく、終始、自己確認の行為。自分には男性に求められるだけの価値があるか‥それを確認する手段としての接を必要があるとしていただけ
    ・決して人に馴れない野生動物みたいな男が、唯一私だけに心を開いてくれてる感じが良かった。お前はナウシカか!
    ・ナウシカファンタジーを持つ女にとって、恋愛とは愛の勝利の物語でないと、己の手柄感が満たされない。おとなしい家畜を手なづけたところで、ナウシカになんの手柄があるだろう。
    恋愛を通して己の存在価値を確認し、自己評価を上げる大切なツール。要するに手柄感。従順な家畜を手懐けたところでナウシカの手柄にならない。己の手柄に酔い、私という女の価値も跳ね上がるってわけ。
    ・動物や赤ちゃんを抱き締めたり、人に抱き締められたり、恋をしたり、達すると、オキシトシンが出て、思考停止状態になる。客観性、批判能力が劣化して、相手の欠点が目に入らない。

  • 新潮文庫の病シリーズ第3弾。「新潮45」の連載をまとめたもの。著者が批判している「オヤジ」週刊誌ではないものの、やはり読者層としてはオヤジをターゲットとしているこの雑誌だからこそ、意味がある連載だったのだなあ、と思う。読者への呼びかけ「諸君」というのがいいねえ。蒙を啓かれる、というか、思わぬ切り口に納得したり疑問を抱いたり。自分を省みる、という点でもとても有意義な時間をくれる本だなあ。

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愛という病 (新潮文庫)の作品紹介

なぜ恋をするとバカになるのか、男を殺す女の言葉とは、エロいとは一体何なのか-幸福になるためには、自分を知ることのほか道はない。欲望と自意識をライフワークにしてきた著者が、自らの生き苦しさの正体を徹底的に解体していく痛快エッセイ。

愛という病 (新潮文庫)のKindle版

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