光の雨 (新潮文庫)

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著者 : 立松和平
  • 新潮社 (2001年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (615ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101342023

光の雨 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 山岳ベース事件をネタにした小説で、フィクションの体裁だが詳しい人ならどれが誰をモデルにしたのかすぐにわかるだろう。
    私からは事件については多くは語らないが、倉重(森恒夫)は大学で駅弁会だかホカ弁会だかにいそうで朝バカとかジレンマのなんとかみたいな討論(笑)番組とかが好きそうな口ばっかのヤツで、上杉(永田洋子)はどう見てもサークルの姫ポジションにしかみえない。タダでさえ世間から乖離した価値観の連中なのに、口ばっかの倉重とサークラ上杉がタッグ組めばそれはおかしなことにならないわけがない。
    中央委員の中で比較的マトモそうな玉井(坂口)は、マトモであるがゆえにとんでもないことをしでかしたことに気がついてしまったのだろう。だから彼の罪の告白という体裁になったのだろう。
    時代もあるだろうし、なんでこんな変なのに構ったんだなどとは問わない。ただ、この事件について獄中で自殺した倉重と死者の記憶を背負って生きることに決めた玉井がそれぞれどう総括をしたのかがこの本の重要なところじゃあないだろうか。

  • 面白くないわけでも、しんどいわけでもないのに、
    なぜか読了にとても時間がかかった本。

    これは創作?リアル?ってわからなくなる。

    犯罪ものもそうだけど、
    こうして読んでいると「彼ら」は「私」と
    そう違わないような気がして、
    普段揺るがないと信じている「私の日常」が危うい気がしてくる。

  • P607
    浅間山荘事件を題材にし、その事件が起きるまでの葛藤。

  • "やらぬお馬鹿に続けるお馬鹿"
    当時、こんな言葉があったと聞いた。

    大学に入ったら、学生運動は当然やるもの。
    4年になったら、当然止めて、就職活動へ。
    「いちご白書を・・・」の唄そのまんま。

    止められなくなった若者がいた。
    抜け出す機会を失った女学生がいた。
    「もう終わりにしよう」この一言を言う勇気が無かった。

    逆戻りは出来ないけれど、立ち止まることはできた。
    仲間を一人殺す度に思考が麻痺していった。
    「総括しろよ!」
    指導者は己の怯懦を言葉で覆った。
    若者達は言葉の暴力にひれ伏した。
    やがて、言葉から暴力に。


    高校時代の現社の先生は全共闘を生きた人

    「総括したんですか?」
    意味も解らないお馬鹿な高校生の質問に、

    「総括ってなんだろうね。一生懸けて探すよ。」
    と先生。
    思い出すと未だに恥ずかしい、申し訳ない。


    処刑される幹部が呟いた
      「革命とは権力闘争だろう。
       富の配分のための闘争なんだ。
       人間の業を表現するのが政治なんだからな。」

    最近の政局見ていて、この言葉の意味考えました。

  • 連合赤軍の集団リンチをモチーフにしている。
    身勝手ながらも理論武装していた若いあのころの人たちはいま、還暦を過ぎている。この小説を読んだら、どう考えるのかな。リーダーの男が正義を語るキラキラ夢見男。福リーダーの女はまっすぐに突き進む真面目ちゃん。いまでもそういう人はいるので、時代が時代ならこうした集団に属していたかもしれない。

  • 連合赤軍を題材とした小説。山岳ベース事件や赤間山荘事件の中でなにが起こっていたのかがなんとなく分かる。理想を追う怖さ、集団の怖さがある。

  • フィクションなのかノンフィクションなのかわからなくなる場面がありました。時代と言ってしまえばそれまでですが。
    文章は、本から臭いまで漂ってきそうでリアルでした。

  • 理想、若さ、連帯、革命、依存、盲信、恐怖、狂気。
    狂ってる。狂いに加速がついて火だるまになって坂道を転げ落ちて行くようだ。
    けれど。
    特攻隊として敵艦に体当たりを指示する者、聖戦と称して体にダイナマイトを巻き付け人混みの中で火を点ける者。ユートピアを信じて革命を起こそうとした者。
    この平和な世の中で命は尊いと教えられた私たちは、彼等をただ哀れだと、無知だと、他人事のように思っていていいのだろうか。

    この平和な世の中で。

    作者の立松氏はこの作品を書くとき、生き残ったメンバーの手記等を参考にしているが、彼等から盗作だと訴えられている。故に書き直してはいるのだろうが、限りなく「ノンフィクション」に近い「フィクション」に思える。訴えられたことそのものが、生々しさを際立たせるのだ。

  • 読み応え抜群です。

    “生きる”という事の本質は“伝える”事なのかもしれない。
    人生という有限の時を生きている僕たちは常に誰に何かを伝え、それにより成長していく事が義務づけられているのかもしれません。

    “伝える”ということは非常に難しい行為で一歩間違えると、負のものまで伝えてしまう。また、受けてによっては同じものを“伝えて”も必ずしも同じものを受け取るとはかぎりません。



    だからこそ、今後は“伝える”という事を丁寧に考え、なるべく周りにとって良いものを“伝える”人になりたいです。

    また人から“伝えられた”ものはそこから出来るだけ多くを受け取ることを心がけようと思います。

    なんて、小難しい事を思わず考えさせられてしまう小説でした。

  • 浅間山荘の映像は、僕の記憶のほんの初期の頃に強く焼き付けられています。
    そこに尾ひれがつくのは、ずっと後になってから。
    考えも間違っていたのだろうし、行動も間違っていたのだろう。
    理解できないことも多いし、したくないことも多い。

    でもとりあえず、
    「お前アカか?」とか言って切り捨てる人は絶対に信用できない。

  • 連合赤軍に渦巻くどす黒い「性」を描かないのなら、
    少年と少女のセックスシーンも描写する必要がない

  • 真夏の真っ青な空の下読んでると何か変な感じ。
    重い けど、次が気になる。
    こんな時代があったのかな〜と。
    しかし、物語中の「現代」の、
    予備校だけで成り立ってる街っていったい‥‥‥

  • なぜ集団リンチ事件が起こったのか? が知りたくて、小説で読んでみた。感想は「集団ヒステリーって怖い」。しかし、若いモンに知らせたいという意図は分かるが、登場人物の若者の設定には甚だ無理がある。

  • 連合赤軍事件を参考にしたフィクション小説。フィクションといっても、事実をもとにしているので、ほとんどノンフィクションに近いのだろう。読んで「凄い」「でも、どうして?」といった感想しか出てこない。
    「凄い」ということはわかる。
    しかし「どうして?何故?」ということは、まだわからない。

  • 連合赤軍の兵士のキモチ

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光の雨 (新潮文庫)の作品紹介

2030年。玉井潔は、60年前の"あの事件"のために死刑判決を受けた後、釈放された過去を持つ。死期を悟った彼は、事件の事実を伝え遺すべく、若いカップル相手に、自分達が夢見た「革命」とその破局の、長い長い物語を語り始めた。人里離れた雪山で、14人の同志はなぜ殺されねばならなかったのか。そして自分達はなぜ殺したのか…世を震撼させた連合赤軍事件の全容に迫る、渾身の長編小説。

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