一輪 (新潮文庫)

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著者 : 佐伯一麦
  • 新潮社 (1996年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101342122

一輪 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 自分の人生において、オーバーラップする部分があり、非常に感情移入をしてしまった作品である。

    間違いなく、人生観を変えた1冊である。

    が、しかし。
    これ程プラトニックな人生はおくれていない。

    非常に理解にできにくい、特に女性にとっては(経験者以外)理解しがたい職業である風俗嬢を職業にする女性にスポットをあてた小説であるが、下卑た描写もなく、さらりと読めると思う。

    心地よい痛々しさが読了後に残ります。

    その他、1編収録。
    こちらも風俗嬢が主人公。

    私小説という事。
    それを思わせる、本編主人公とおぼしき女性へ宛てた手紙形式の「Dear・・・文庫版のあとがきにかえて」まで読んでいただきたい。

    最後に、この作家はもっと評価をされても良いのではと思う。

  • 佐伯一麦(かずみ)。珍しい名前ですね。
    2編の小説とも同じような背景で描かれます。片方は男性を主人公とし、もう一方は女性を主人公にして。自伝的小説だそうです。
    どことなく一言ずつ紡ぎ出されたような文章が魅力的です。淡々と底辺の愛情物語が生み出されて行く。過激さはまったく無いけれど、どこか静的な力を感じさせます。
    一種の私小説でしょうね。こういった私小説的な世界は既に過去の遺物ではないかと思っていました。しかしこの作品は、著者の身勝手とも言える想念を描くのでなく、一旦客観化している感じがあり、新鮮さを感じました。
    耽溺したいとは思いませんが、良い作品でした。

  • 自分のイメージする、昭和時代や平成の初頭は、表題作の主人公のような不器用なのにキザな人が多いような印象がある。
    電気工で稼ぎ、その仕事がきっかけで知り合った女性と仲を深める。読者が恥ずかしく思ってしまうくらいに、送られるプラトニックな純愛は、量こそ短いけれども、訴えかける強さのようなものに打ちのめされる。タイトルの「一輪」はまさに、この物語の美しさと儚さを兼ね備えている。

  • 2011/2/7

  • アスベストに侵され明日もしれない男と、前夫の影に怯えながら体を売って生きる女の邂逅を描いた物語。

    設定といい、登場人物の台詞回しといい、何もかもが一昔前のドラマみたいなコテコテさでクサい。しかし、それが持ち味であり、そういう類の作品の中では王道を行っているような気がする。

    ページは少ないが、個人的にはこの退廃的で不器用な雰囲気が好きなので、とても楽しめた。

  • 風俗嬢のお話なんだけど、あんまりエロチックじゃない。爽やかに読めて、気分がすっきりする。まさかの最後の文章と淡い恋心に心燃やしました。青春とかロマンとかで修飾される小説でっせ。いやあ、こういう恋愛をしてみたいです。電気ビリビリ。

  • 風俗ルポどころか立派な純愛モノなんだもの、恥ずかしくなっちゃったよな。しかしながら、この「一輪」は、今までに読んできた佐伯作品の中でも上位としたい。誤解があるといけないので、決して風俗嬢の技巧に関心したからではないことをここに明記しておく。

  • 佐伯一麦の初期作品では一番好き。

  • 2010年2月17日(水)、読了。

  • 「一輪」のみ再読。
    何の事件もない淡々とした雰囲気が好きです。あとラストも。
    最後の一文、もたつきを感じますけど良いんだ!好きだから良いんだ!

    不器用な男と女ですな。人間、器用じゃなきゃ幸せになれんのだろうか。

    09.06.22

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