炎の回廊 満州国演義四 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (655ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101343235

感想・レビュー・書評

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  • 長かった。思いのほか読むのに時間がかかった(苦笑)。

    けれども、物語への引き込まれ感は既読の3冊を上回る。四兄弟の運命の歯車がまた1つシフトチェンジした感じと、狂気へ向かって走り始めた軍部の動向とが、読み手の心を揺さぶり始めた。

    ★4つ、9ポイント。
    2017.04.27.新。

    ※巻末解説文にある通り、それぞれの「正義」が誤った方向へ進み出て二度とは戻れない時代の荒波へと押し流されていく過程が描かれているというのがよく分かる一冊だった。

    ※筆者が登場人物に語らせた一言、「正義が何かを解決したことがありますか?むしろ逆に・・・」という台詞が、胸に刺さった。

    • ことぶきジローさん
      船戸与一はその昔、ゴルゴ13の脚本に参加していました。それをノベライズした三作が先月から来月まで文庫化されます。こち亀は大沢在昌の新宿鮫との...
      船戸与一はその昔、ゴルゴ13の脚本に参加していました。それをノベライズした三作が先月から来月まで文庫化されます。こち亀は大沢在昌の新宿鮫とのコラボしか知りませんでした。『鮫島の貌』という短編集に収録されています。
      2017/06/15
  • 1928年~1945年の17年間の満州の歴史。登場人物4兄弟の視点で語られる。満州事変から第二次世界大戦終結までの流のなかで、南京事件、張鼓峰事件、ノモンハン事件、葛根廟事件、通化事件と有名な事件が次々と起こり、4兄弟それぞれの立場で事件と向き合う様子が描かれる。満州の歴史を詳しく知らなかったので、勉強になった。何が正しくてなにが正しくないのかなんてだれにもわからないと感じた。

  • 帝政へ移行した満州国。
    五族共和の理想にはほど遠く、阿片にたよる経済。
    そして、二・二六事件が発生。

    満州の歴史を目撃する役目を与えられた敷島兄弟は、これから何を見るのだろう。

  •  「天皇は日本人が産み出した最高の虚構なんだよ!」
    卓見である。本書は、ここが最大のキーポイント。
    今後の敷島兄弟の運命は、続巻が待ち遠しい。

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