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- Amazon.co.jp ・本 (618ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101343273
感想・レビュー・書評
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かつて満州の大地を蹴り疾駆した浪漫は、遥か南冥の地で覇道の夢の果てに、静かに骸を晒した。
哀しい。
いよいよ最終巻が楽しみだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
船戸与一の遺作となった歴史冒険小説の第八巻。自らの死期を知りながらも、命を削りながら綴った圧巻の大作。船戸与一が歴史冒険小説を書いたというより、船戸与一が自ら歴史を創ったと言っても良いくらいの濃厚な作品である。
まるで間垣徳蔵に誘われるかのように、敗戦濃厚な戦争の渦に巻き込まれていく、敷島四兄弟。船戸作品に薔薇色の結末を期待してはいけないのだが、この巻で敷島四兄弟が破滅への道を突き進む姿がより明確になった。
役人の太郎は自らが撒いた種で危機を迎え、大陸浪人の次郎は期せずして囚人部隊を率いてインパール作戦に加わる。陸軍少佐の三郎にもソ連の脅威が迫り、四郎までもが関東軍に召集される。
残すは最終巻。まさか…結末を考えるだけで暗澹たる気持ちになるが、読まずには居れない。