残夢の骸 満州国演義九 (新潮文庫)

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著者 : 船戸与一
  • 新潮社 (2016年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (689ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101343280

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残夢の骸 満州国演義九 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 船戸与一が自らの死期を覚りながらも、残された命を削りながら最後に遺した長編歴史冒険小説の最終巻。

    全巻を通じて唯一ホッとする、本西照夫が祖父と再開する最終章は、船戸与一が現代の日本人に残した希望とメッセージなのかも知れない。

    敗戦の道を一気に突き進む日本。特攻隊に象徴される軍部の迷走と混乱が始まり、満州国と敷島四兄弟にも破滅の時が迫る。この破滅の構図は巻を重ねる度に明確になり、まるで船戸与一の自らの身に迫る最期の刻を暗示しているかのようにも感じられる。

    物語の主人公であり、日本人のステロタイプのように描かれる敷島四兄弟。満州国の崩壊と敗戦という事実に兄弟たちがは狂乱の渦の中で、次第にその本質を現していく。全巻を通じて敷島四兄弟を結ぶ人物の間垣徳蔵の正体が明らかになるが、徳蔵だけが最期まで誇りを捨てなかった日本人のように感じた。

    巻末に記載のある膨大な参考文献、船戸与一のあとがき。凄まじい。

  • ついに帝国は崩壊の日を迎える。敷島四兄弟もまた、歴史に翻弄されながら抗えない運命にその身を窶し、この「満州国演義」から一人、また一人と退場していく。それら全てが夢の跡、朽ち果てた夏のようにただ茫漠と過ぎ去っていくこの寂寥感。間垣徳蔵は最後に矜恃を見せた。歴史の激流に只々圧倒された全9巻。船戸先生、安らかに。

  • 1928年~1945年の17年間の満州の歴史。登場人物4兄弟の視点で語られる。満州事変から第二次世界大戦終結までの流のなかで、南京事件、張鼓峰事件、ノモンハン事件、葛根廟事件、通化事件と有名な事件が次々と起こり、4兄弟それぞれの立場で事件と向き合う様子が描かれる。満州の歴史を詳しく知らなかったので、勉強になった。何が正しくてなにが正しくないのかなんてだれにもわからないと感じた。

  • とうとう読み終えてしまった。
    船戸与一がまさに命を削って書き上げた満州国演義、完結です。
    「小説は歴史の奴隷ではないが、歴史もまた小説の玩具ではない」
    船戸与一は自らのこの言葉通り、膨大な資料と格闘し、歴史的な事実関係は変えることなく、その中で想像力を駆使してこの壮大な物語を書き上げました。
    満州国については、かつて多少は勉強したつもりでいましたが、知らない史実がたくさん出てきました。
    この本を書いてくれた船戸与一さんにあらためて感謝です。

  • 2017年6月13日読了

  • 壮大な物語 4兄弟を通じた大きな
    展開 最高

  • 満州国演義 最終巻

    敷島四兄弟の中、状況に引きずられる官僚の「太郎」と、満州に生き、満州と共に滅びた「次郎」、軍人として死地に向かった「三郎」が亡くなり、一般人の「四郎」だけが戦争の惨禍に巻き込まれた子供をつれて帰国するところは、その時の日本の状況を表わしている様に思える。

    シベリアに連れて行かれ、過酷な環境の中ですこしでも生き延びる可能性を大きくするために行動する日本人捕虜達が、ぎりぎりの環境の中で、保つ「誇り」とは何か?徳蔵や太郎の行動も改めて考えてみたい。
    (以前読んだ 井上ひさしの「一週間」を思い出した)

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残夢の骸 満州国演義九 (新潮文庫)の作品紹介

敷島兄弟は通化の地に集う。苦い再会だった――。満州国はわずか十三年で理想の欠片さえ失い、重い鉄鎖と化した。昭和二十年八月九日、ソ連軍が遂に侵攻を開始する。轟音とともに崩壊してゆく「王道楽土」。男たちは吹きすさぶ風の中で自らの運命と対峙する。日本そして満州、二つの帝国が破れ、残ったものとは何か。船戸与一が最期の炎を燃やし描き切った大叙事詩、ここに完結。

残夢の骸 満州国演義九 (新潮文庫)はこんな本です

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