人生、成り行き―談志一代記 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101343358

感想・レビュー・書評

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  • 若年層の落語ファンにとっては勉強にもなる

  • 言わずと知れた立川談志さんをインタビュー形式で語った自伝小説。
    談志さんがお亡くなりになる数年前、談志さんが自身の衰えを感じつつ語られた編年体の半生記であり、落語ファンならたまらない一冊だと思います。
    談志さん自身が執筆したわけではないので、談志さんの言葉そのままではないですけれども、プロの方が執筆しているので文章が綺麗で読みやすいです。
    立川談志さんは子供のころからはちゃめちゃな方だったみたいで、高校生で落語家に弟子入りした話などは行動力や勇気はほんとに尊敬です。そして意外と器用で、天才肌。それと落語に関しての情熱は非常に凄いと感じました。選挙の話も面白かった。
    談志さんが大活躍された期間には生まれていなかったので談志さんの生きざまを完璧には理解しているとは言えないけれども、それでもこの人の人生は破天荒ではちゃめちゃで、そして非常に面白いと思えました。
    そしてこの本でしか読めないのは談志さんのおかみさんにまつわる話。これはもう最高です。

  • 好きだから最後まで誰よりも落語に悩み苦しんだ。

  • 昨年、逝去された家元が対談形式で語った自らの半世紀。

    当然ながら面白いことは面白いのだが、何か物足りない感じが残る。
    何を求めて読むかによるのだが、この方を形作ったものの一部しかわからないというか・・・

    「赤めだか」を再読したくなったように、弟子たちの言葉の方が印象的だったりした。

    歴史や過去の話を知りたいのであれば、本著でもいいと思う。

    [more]
    (目次)
    第1回 落語少年、柳家小さんに入門する
    第2回 “理不尽な世界”の前座修業
    第3回 二つ目小ゑん、キャバレーを席捲す
    第4回 結婚、そして先を越された真打昇進
    第5回 だから政治家になってみた
    第6回 選挙くせものこわいもの
    第7回 この時、芸に“開眼”した
    第8回 落語協会分裂、立川流創設へ
    第9回 談志落語を自己分析すれば
    第10回 落語家という人生―ゲスト/立川志の輔

  • 【本の内容】
    立川談志。

    そのセンスと頭脳で落語に革命を起こし、優れた弟子を世に送り出した、まさに至宝である。

    五代目柳家小さんへ入門、寄席・テレビで人気を得、時代の寵児となる。

    政治の季節を過ごし、芸に開眼。

    落語協会分裂騒動ののち、自ら落語立川流を創設する―。

    談志が、全幅の信頼を寄せる作家・吉川潮に、波乱万丈の人生を語り尽くした。

    弟子代表・志の輔との対談も収録。

    [ 目次 ]
    第1回 落語少年、柳家小さんに入門する
    第2回 “理不尽な世界”の前座修業
    第3回 二つ目小ゑん、キャバレーを席捲す
    第4回 結婚、そして先を越された真打昇進
    第5回 だから政治家になってみた
    第6回 選挙くせものこわいもの
    第7回 この時、芸に“開眼”した
    第8回 落語協会分裂、立川流創設へ
    第9回 談志落語を自己分析すれば
    第10回 落語家という人生―ゲスト/立川志の輔

    [ POP ]
    終戦の翌年、小学5年生で初めて行った寄席に夢中になり、16歳で五代目柳家小さんに入門。

    後に立川流を創設した革命者が、入門、結婚、落語協会との決別など波乱万丈の人生を語る。

    聞き手は作家の吉川潮氏。政治家経験を経て新たに芸に開眼するなど、技芸へのたゆまぬ挑戦とそれに伴う人生哲学、芸人同士の逸話が面白すぎる一代記。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 立川流顧問 吉川潮が聞き手になり、立川談志が少年時代から2007年現在までの人生を10回に分けて振り返る。
    各回には時代時代の家元の写真が。
    芸に開眼した40代頃の家元の高座での写真(P.137)には実に色気が漂います。
    ウィスキー片手にステテコの小さん師匠と二人で写る若き日の写真(P.23)は、親子のような兄弟のような関係が伺えるいい写真です。
    国会議員時代の母親とのツーショットや、新婚時代の愛妻とのツーショットでは笑顔で親孝行、妻孝行しています。
    その当時のエピソードや心境を、立川談志が気心知れた吉川潮相手に自然体で語りながら人生を振り返ります。

    志ん生に憧れた永遠の落語マニア。
    フラ(独特で滑稽味のある話し方)や佇まいで笑わせる芸人になりたくて。なれなくて。
    センスと理論で芸を究める男。落語気違い。
    落語を「業の肯定」と定め「イリュージョン」に昇華させた落語家 立川談志の物語。

  • 落語に見せられた松岡少年が、入門し、政治家となり、立川流家元となり、そして晩年まで・・・を語る話。
    なんとなく随所に触れられているけれど、一昔前の落語家とか、芸人って、それこそ「人の道を外している」と受け止められていたから、それこそ突き詰めていくしかなかったのでは。で、己に忠実に突き詰めていったのが、「立川談志」、と語れるほど落語も何もまだわかっていないが・・・・。
    こういうキャラクターの人って、師匠や弟子にどう接しているのだろうかと思っていると、(かつての)師匠には「下手くそ」といってのけるし、弟子立川志の輔はべた褒めだし、それもまた突き詰めた結果なのか・・・。
    これから勉強します。

  • 何冊か読んだ後だと、話が金太郎アメだ。そりゃ、同じ人だもん、あたりまえか。
    自分は自分、自分が一番(いい意味でね)、みたいな発想を持ちたいな、と思う。人からも「あいつだからしかたねぇ」って言われたら、なんだかんだいって、本望だよね。さすが談志師匠。

  • 落語立川流家元・立川談志が語る自身の一代記。型破りだの破天荒だの評される抱腹絶倒&壮絶なエピソードを面白おかしく読み進むうちにハッと気付かされるのは、「芸能としての落語の寿命を100年延ばした」といわれる天才の狂気ともいえる落語愛。人並み程度にしかその至芸には触れてこなかったけど、追悼も込めて2011年~2012年の年末年始は、談志落語にどっぷり浸ってみたい。そういえばこの本、新潮社に勤める僕の大学時代の親友が編集者。知らずにクレジットを見て驚くと同時に、「チキショウ、いい仕事やりやがったな♪」

  • 私は、談志について語れるほど聞いていない。しかし、いつものことながら、談志のすごさには驚嘆させられるので、ついつい読んでしまうのだ。

著者プロフィール

落語家、落語立川流創設者。1936年、東京に生まれる。本名、松岡克由。16歳で五代目柳家小さんに入門、前座名「小よし」を経て、18歳で二つ目となり「小ゑん」。27歳で真打ちに昇進し、「五代目立川談志」を襲名する。1971年、参議院議員選挙に出馬し、全国区で当選、1977年まで国会議員をつとめる。1983年、真打ち制度などをめぐって落語協会と対立し、脱会。落語立川流を創設し、家元となる。2011年11月逝去(享年75)。

著書には『現代落語論』(三一新書)、『談志百選』『談志人生全集』全3巻、『立川談志遺言大全集』全14巻(以上、講談社)、『談志絶倒 昭和落語家伝』(大和書房)、『談志 最後の落語論』『談志 最後の根多帳』『立川談志自伝 狂気ありて』(以上、ちくま文庫)、『談志が遺した落語論』『江戸の風』(以上、dZERO)などがある。

「2021年 『談志の日記1953 17歳の青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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