巨額粉飾 (新潮文庫)

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著者 : 嶋田賢三郎
  • 新潮社 (2011年3月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (531ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101344379

巨額粉飾 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • カネボウの崩壊迄の奇跡

  • 2015/6/17読了。
    父親から譲ってもらった一冊で、硬そうな内容に読むのを躊躇っていたけれど、読み始めたら面白かった。
    カネボウのことだったのね。

    きっと自分が経営に携わる経験をしたことで理解できるからだろうなぁ。

    日本に健全な組織なんて、いくつあるんだろうか。
    結局粉飾などを行うのは自己保身と虚栄心からなんだろうな、と。

  • 限りなく5点に近い面白さ。

    途中までは、はやく続きが読みたくなるくらい面白いんだけど、検察の取り調べが長すぎて最後にトーンダウン。

    チョット残念です。

    内容はカネボウの粉飾事件をテーマにしたフィクションなんですが、なんと作者がその当事者(経理担当常務)なんですね。

    作家でもないのに文章もこなれているし、当事者にしか出せないリアリティでグイグイ読ませてくれます。

    本当は満点あげたいところですが、第三者が書いた話ではないので、どうしても穿った見方(本当に潔白なのか?)になってしまいました。

    そんなゲスな考えが邪魔をして、仕方なく減点です。

    予備知識が無ければ、もしくは第三者の作品なら満点でした。

    ただ、やっぱり実体験からくる迫力は読ませる力があります。

    カネボウ裏事情に興味があり、経済小説か好きな人にオススメです。

    是非!

  • 読み終わった。
    長年 粉飾決算をし続けた会社の 財務経理担当だった主人公
    番匠啓介 それは、作者自身の実体験を基礎に、物語を紡ぐ。
    作者にとって、かなり辛い作業だったと言える。
    まだ、客観的に見れない部分があり、
    経済的私小説と言っても良さそうだ。
    確かに、会計学とは、何とセコイ学問だろうとも思う。

    含み資産があるうちは、何とか、タコ足を食べて成り立つが、
    それがなくなった時に、現実を見据える勇気のある経営者が必要なのだが、
    自分で自分を首を締めることができない。
    粉飾という手法で生き延びることで、ますます、病巣は広がり、
    死に至る。そういう中で、会社を見捨てることなく、
    ささやかな抵抗を続ける。
    黙認し、消極的な協力をし続けた役員は、その責が問われない。

    まして、その背後にいた銀行は、追求の対象にもならない。
    銀行の保身性がよく暴かれている。
    熟成した純度が足りないが、いい作品である。

  • 本当におこったことが真実なのではない。明るみになったことが真実なのだ。

  • 名門トウボウは紡績から身を起こし、化粧品事業で世に知られる。だが長年にわたる粉飾決算のため、その屋台骨は蝕まれていた。常務取締役・番匠啓介の孤軍奮闘も虚しく、トウボウはその両翼をもがれてしまう。やがて、彼は東京地検特捜部にある疑惑を抱かれ―。経済界を揺るがせた企業崩壊、その渦中にいた者にしか描きえなかった、迫真の人間ドラマ。

  • 小説としては特段面白いわけでもないが、
    カネボウの粉飾事件の当事者が書いてるだけあって、リアリティがある。
    わかりやすく書いてあるのだろうが、随分と杜撰で安直な手口に感じてしまう。こんなものでも監査する側しだいで何とでもなるんだな。。
    ペンタゴン経営でカリスマ視された会長の扱いが「沈まぬ太陽」の時と真逆なのが面白い。まああちらはもっと作り話だろうが。
    ノンフィクションのドキュメンタリーで書けなかったものだろうか?
    エンロン事件のように。

  • 一応、小説(フィクション)という体は取っているが、元カネボウの経理担当役員が書いただけあって、やたらリアリティがある。ってか、ほとんど事実なんじゃないかってくらい現実のカネボウ事件をなぞらえている。グイグイ引き込まれて一気に読んでしまった。これが事実に近いとしたら、ほんと企業として終わってる。破綻するのも推して知るべし。

    経理とか決算に関わる人は、襟を正す意味でも読んでみるとおもしろいかも。

    まぁ、筆者がモデルと思われる正義感に満ち溢れた主人公がカッコ良すぎるのは鼻につくけど。

  • カネボウの粉飾決算事件を題材にしたフィクション。
    主人公の番匠啓介はトウボウの経理担当常務。自らの保身から粉飾決算を常とする社長と副社長を相手に孤軍奮闘する番匠の苦労を描く。
    今でこそ監査法人が粉飾決算を指南する事はなくなったが、経理も甘くなぁなぁの時代には、経理担当もやりたくない事を多々やっていたのだろう…読んでいて胸が痛くなった。
    粉飾決算の過程や苦悩、東京地検特捜部の取調べあたりはかなり感情移入できた。
    途中やや中弛みもあるが、会計に興味のある人なら楽しく読める作品。ただ、会計とはあまり関係のないロマンスはいらないかな。島耕作じゃあるまいしw

  • カネボウの粉飾決算を元に、当事者でもあった元常務の著者がフィクションとして綴った。辞任までの数年の話が半分と、検察とのやり取りを記した話が半分くらい。経理担当の常務を主人公(著者がモデル)が粉飾に孤軍奮闘する。
    主人公は一貫して素晴らしい人物として書かれているが、平成14年度決算の記憶が都合良く(悪く)記憶に全く残っていないというのは調子が良すぎる感がどうしてもある。事実を基にしている話だけに、主人公をいいように書きすぎていることに抵抗を感じてしまう。それはそれとして、決算がらみの話しはおもしろかった。

  • カネボウは紡績から身を起こし、化粧品事業で世に知られる。だが長年にわたる粉飾決算のため、その屋台骨は蝕まれていた。常務取締役・番匠啓介の孤軍奮闘も虚しく、カネボウはその両翼をもがれてしまう。やがて、彼は東京地検特捜部にある疑惑を抱かれ―。経済界を揺るがせた企業崩壊、その渦中にいた者にしか描きえなかった、迫真の人間ドラマ。

    カネボウの崩壊した理由がほんとわかります。当時のカネボウに関する、テレビや新聞からの情報、あるいは勝手なイメージで想像したカネボウとこの本を読み終えた後の真実。
    こんなにギャップがあったなんて・・・・
    我々はいかに、偽造された事実をあたかも、真実のように、何でもわかった気で生活しているのだろうか。

    この本を読んでみると、地検が作者の不起訴となる決め手の証拠を掴んでくるではないか。改ざんという証拠隠滅で、犯罪者に仕立てあげようとした地検とは全く逆のケースである。
    地検はどちらの顔が真実なのか。

  • 筆者本人がモデルのようだが、粉飾を疑われたことへの自己弁護のように感じてしまう。主人公は仕事ができて女性にもモテて部下を守って。そこまでのスーパーマンにしなくても良かったのでは?

  • 粉飾関連の事件が立て続いたけど、組織として粉飾を引き起こす背景が分からなかったので読んでみた。カネボウの事件のフィクション小説。
    良くも悪くもCash is fact. Profit is opinion. なんだな、と再認識。

  • カネボウの粉飾による一分始終をつづった書。
    100年を超える企業に蔓延った魑魅魍魎の百鬼夜行よろしく、自己保身に走る幹部の暴走が行き着いた結末が著者の恨みつらみ(著者が主人公であろう)とともに語られる。
    社長は頭がよくなくてもなれること、声の大きな人間が出世すること、
    「企業は人なり」を理解している人間が少ない事実。
    子供でもわかる論理を感情で進める経営陣など、この会社で起こっていることはどの会社にも当てはまるのではないだろうか。

  • 文章が読みつらいかも。

  • 1.概要
    2000年代前半、経済界を揺るがしたカネボウ
    の崩壊のプロセスの渦中にあった財務経理担当取締役
    であった筆者による人間ドキュメント

    2.ポイント
    明治を発祥とする名門企業トウボウの実態は、
    旧経営陣によって行われてきた
    不良資産を隠すための粉飾スキームが崩壊への臨界点に近付いていた。

    かつて新規事業として取り組んできた化粧品事業だけが
    唯一の望みであり、その唯一の望みをを頼りに
    企業の崩壊からの回避、再建へと
    未来を描いていこうとしていたが

    旧態依然の拡大路線を身上とする経営者
    金融再編に伴うメインバンクからの派遣取締役との横暴
    形骸化した監査から足を洗えない会計士
    金融再編に伴うメインバンクの冷徹な態度
    新たな実績を作りたい投資ファンド
    既得権益にしがみつく経営陣・労働組合
    経営陣の仲間割れによるリーク
    カリスマOB経営者の抵抗

    そして、ついに崩壊を迎え、失意のもと
    執拗な特捜の取り調べが始まる。

    なぜこのようなことが起きたのか
    経営者による粉飾の誘惑の必然
    監査制度の形骸化

    3.感想
    日本高度経済成長、バブルまでの日本は素晴らしかった
    と礼讃してきた裏に、隠されてきた闇がある。
    甘い汁は吸われ、先送りにされてきた問題は
    旧態依然の利害関係に雁字搦めの状況で突破口は見えない。
    そしてみずからも甘い汁の誘惑に、
    そこで脱しようと抵抗も、既得権益者からの排斥圧力、
    そして問題は臨界点に達する時を待つ。

    空気を読めっていう国民性
    問題意識があっても先送りしてしまう国民性

    最近噴出してきた問題の構造と符合しているのではないか。
    原発事故、消えた年金記録、

    問題に取り組むリーダーシップの重要性・必要性を強く感じた。

  • 基本的に経済って疎いんだけど経済小説は好き。
    なんとなく戦記モノ読む感覚に近いのかな?

    よかったです

  • カネボウの粉飾に関して、経理担当常務取締役だった著者の作品です。
    過去に、レポートで調べたことがあったけど、過去の悪しき日本の会社と会計士の利益からの逆算経理について考えさせられます。
    それにしても、この関連の本を見て、いつも思うけどあまりにも手法もひどいと思います。
    会計に興味のある方は読んでみても良いと思います。
    注釈がついてるので、軽い勉強にはなります。知識がある方には、注釈は読む必要がないと思います。

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