青に候 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101345239

感想・レビュー・書評

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  • 前半は、長々していたが、後半になって俄然面白くなる。
    幕末を背景とした、小説は数多く、司馬遼太郎や藤沢周平の歴史観でしか
    考えた事が無かったが、志水辰夫を知って目が覚めた。
    「藩主なんてものはな。頭にかぶる菅笠とおんなじなんだ。・・・・・
    使い勝手が悪かったりしたら、ほかの笠と取り替えればいいんだ。・・・・・」
    名君とは?
    目が覚めました。
    ますます、ファンになりました。

  • まる山代家の騒動はいまだ治まる気配を見せない。殿の愛妾となった幼なじみ、行方をくらました元藩士、朋輩の美しき妹、忍び寄る影。佐平は、己の進むべき道を見つけることができるのか。若々しい熱気と円熟した情感をたたえた、志水辰夫の新たなる代表作。

  •  久しぶりに志水作品を読んだ。
     ここのところ、昔のハードボイルド調が薄れて、普通の小説な印象があったのだが、本作品は違った。昔の志水調が強く感じられて、とても良かったのだ。主人公の妙な矜持というかやせ我慢というか、それでいてつい自分に正直になってしまったりとか、年取っているようで若い感じがしたりとか。あまりまとまりがないが、ちょっと男心をくすぐられる感じが昔の作品を思い起こさせてくれました。

  • 志水辰夫だから読み始めたんだけど、まま面白い程度。時代小説特有のワープさせてくれる面白さはない。
    人を切って脱藩してきた主人公が元藩の騒動に巻き込まれ続ける。

  • 最近、結構、時代小説が流行りの中で、私としてはあんまり食指が伸びないのだけれど、志水辰夫が時代小説に手を染めたとあってはこいつは読まざぁなるまいと。
    家中の一人を斬り脱藩を余儀なくされ江戸に舞い戻った佐平。藩主交代劇の最中、失踪した朋輩を探すうちに、佐平にも暗い影が忍び寄り…といったところから展開する物語。
    中途半端な生き方の反面ある種の強情さを持った主人公に、武士の矜持に生きる山城家の目付・小宮六郎太、幼なじみで今は主君の愛妾の園子、六郎太の妹で凛とした佇まいのたえなど周りを彩る人も含めて、確かに現代劇で書いてきたシミタツの世界が意外と嵌る江戸時代。
    ただ、全体的にもっさりした感じでイマイチその世界にのめり込めず。

  • シミタツらしいストレートなハードボイルド小説だ。しかもシミタツ初の時代小説ときた。良いです。小説そのものも良いが、何よりも題名(あをにさうらふ)がすばらしいではないか。「青に候」とは若いということ、同時に未熟ということでもある。しかし、若いだけに考えに、行動に打算がない。未熟故に悩みながらも、自分がそうあるべきと信じた道に突き進む強さがある。そこにある危うさに読者は惹かれる。

  • 10/8-10/13

  • 2009/10/3 ジュンク堂三宮本店にて購入。
    2021/5/24〜5/29

     12年ものの積読本にして、3年ぶりの志水作品。志水さんの初時代小説。初期志水作品で見られた熱い男が時代小説を舞台に復活。久しぶりのシミタツ節に感動。

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著者プロフィール

1936年、高知県生まれ。雑誌のライターなどを経て、81年『飢えて狼』で小説家デビュー。86年『背いて故郷』で日本推理作家協会賞、91年『行きずりの街』で日本冒険小説協会大賞、2001年『きのうの空』で柴田錬三郎賞を受賞。2007年、初の時代小説『青に候』刊行、以降、『みのたけの春』(2008年 集英社)『つばくろ越え』(2009年 新潮社)『引かれ者でござい蓬莱屋帳外控』(2010年 新潮社)『夜去り川』(2011年 文藝春秋)『待ち伏せ街道 蓬莱屋帳外控』(2011年新潮社)と時代小説の刊行が続く。

「2019年 『疾れ、新蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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