老嬢は今日も上機嫌 (新潮文庫)

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著者 : 吉行和子
  • 新潮社 (2011年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101345352

老嬢は今日も上機嫌 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 吉行和子さんのエッセイ!
    好きなんだなぁ、本当に。
    豊かで、柔らかくて、潔い。
    ともすれば、ぐだぐだと長語らいしてしまいそうなエピソードも、ぷつん、とこれまた気持ちいいくらいにばっさり終わる。
    (きっと連載ページの文字数の問題だとは思うけども)
    その、ぷつん、具合がたまらなく後を引くようで好きなんだなぁ。
    潔すぎて、思わず後を追いたくなる。
    とはいっても、文章力はもちろんのこと、これって結局は感受性のレベルなんだろうなぁ。
    お会いしてみたいなー。

  •  女優、吉行和子のエッセイ。

     俳優は感性って、いうのを聞いたことがあっただが、まさに<感性>の人だった。
     しかも、常に視線がやさしい。
     ドラマにもなった母、あぐり、や早世した作家の父、芥川賞作家の兄と妹という、強烈すぎる家族の中で、地道に人生を愛している感じがなんとも微笑ましいのである。
     
     女優という華やかな世界にいるはずなのに、とても地道な人なのだ。

     こういう風に年をとっていけるといいなと思った1冊でした。

  • 父が吉行エイスケ、兄が淳之介、妹が理恵という、モノカキ一家のなかの女優、吉行和子さん。タイトルと表紙のお写真が素敵だったので、思わず手に取りました。

    開いてみると、筆致はテレビで拝見する吉行さんそのまま。淡々とお上手で、そこはかとなく可笑しい。芸術家っぽい華麗なレトリックを披露しているんではなくて、「そうそう、そういえばあれはね…」とぽつぽつ語ってくれる、親戚の知性あふれるおばさま、という感じ。

    内容は舞台・俳句・本とさまざま。藤眞奈美さんや、故・岸田今日子さんとの密なお付き合いの始まりなんて、てっきり舞台共演だと思ってた…素敵なきっかけです。豊かな舞台のご経験を披露してくださるのも、楽しく読み進めました。だれもが認めるクラシックの名作を演じるよりは、集客力に乏しいと思われても、チャレンジングな舞台をかけられる。魅力的な作品がたくさんあって、知りもしなかったくせに観られないことが悔しい(笑)。志賀直哉原作・浅倉摂演出の邦楽劇『荒絹』って、観てみたいよー!

    幼いころに病床で本に親しまれたということもあるのか、本の話題もあちこちに出てきます。でも、その本について滔々と語るんじゃなくて、その作品の奥にある情景や人物の心情への思いのはせようが、柔らかくてのびやかで、それでいて演技をなりわいとする人の持つ、観察眼の的確さ。沢田研二の歌からハインラインにつなげるワザにはしびれました!

    テレビで観る、すっとぼけたベテラン女優さんじゃなくて、きりりと背を伸ばし、それでいてチャーミングな「老嬢」をたくさん楽しんだので、この☆の数です。

  • あの独特のお声同様、しっかりと地に着いた、落ち着いた筆致で綴られているエッセイ。
    素敵な女優さんだと改めて思う。
    中国で共に芝居に情熱を燃やした現地の役者たちが、文化大革命で命を落とされたとおぼしき辺りには、言葉に出来ない思いに胸が詰まる。

  • 女優・吉行和子さんのエッセイ。
    画面にいるだけで、ほわーとする方。大好きな女優さんです。

    吉行淳之介氏の小説がとっても好きなのですが、ごきょうだいで全然感受性違うのねと思ったら、それもそのはず、あまり和子さんと淳之介さんは同居していらっしゃらなかったのね。年齢もかなり違いますものね。

    特に素敵、って思ったのは、妹理恵さんがなくなったことを書いている、「カミサマノオハナシ」という章。
    “私にとって大きな石は問題にならない。そんなものは飛び越えて、会いにいける術を身につけた。もう怖いものは無い。”

    ほんとに昭和の女優さんの感受性は素敵ですよね。
    皆さんいろーんなことご存知だし、つんつんしてないのにとってもお上品、で、ちょっとおてんばで、でもゆったりしている。
    なかなか、現代の女性にはない面だなって思うの。
    そういう女性になりたいものです。

    和子さんの他のご本も早く読もうっと♪

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老嬢は今日も上機嫌 (新潮文庫)の作品紹介

父、兄、妹はいずれも作家、母は日本初の美容師。個性豊かな一家に育った女優・吉行和子は、舞台「アンネの日記」でデビュー以来、半世紀を経てなお輝き、俳人としても活躍。その原動力は、何処から生まれるのか。家族、友人、仕事、旅、本-好きなものへの「好奇心」と「距離感」とを併せ持ち、軽やかに生きることこそが、その源と言える。鋭い感性で綴る、滋味あふれるエッセイ。

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