子供たち怒る怒る怒る (新潮文庫)

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著者 : 佐藤友哉
  • 新潮社 (2008年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101345512

子供たち怒る怒る怒る (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 6つの短編集。
    食欲がなくなるほど、独特で異常で悲惨。
    解説の言葉をかりると「アナ―キー」な世界観として素晴らしいそうだが・・私にはわからん。

  • 《この本を薦めた人をどうか怒らないであげてください》

    表題作「子供たち怒る怒る怒る」を含む、6つの、子どもを主人公にした短編集。

    子どもと言っても、小学生だったり中学生だったり生きていなかったりマシンガンわぶっ放したり雪に埋もれていたり。

    「子ども好き」を謳う人にこの本を与えてみたら、あなたは嫌われてしまうでしょう。
    「子ども嫌い」という人にこの本を与えてみたら、周りの子どもを大切に扱うようになる・・・か?
    「本好き」な人にこの本を与えてみたら、なんか起こるんじゃない?
    「本読まない」人に薦めてみたら、怒られそう。

  • 繰り返される記号的な死。
    不条理な死。
    紙くずのような、噛みすぎて味を無くしたガムをぺっと捨てるような死。
    それらを多用して佐藤友哉が描きたかった子供の世界。
    子供たちは怒っている。
    理不尽な目に遭い、不条理な境遇を与えられ
    怒って怒って怒っている。

  • 不快でグロい描写も多いし、偏った中身のない本なのかな、と最初は思いつつも、表題作を読んでから、この短編集の本質がだんだんと読み取れてきた。救いようのない理不尽さの中で、子供である自分たちにしか成り立ち得ない無邪気で鋭利な概念とによって、大人たちと周囲の世界に反乱を起こす。怒れ、立ち上がれ、虐げられた子供達の反逆の狼煙。万人にはお勧めできないけど、自分のようなアダルトチルドレン崩れには是非読んでもらいたい。個人的に、リカちゃん人間が一番よかった。

  • 表題作にはハッとさせられた記憶。

  • 子供たちが怒る話ほか,短篇集。
    全体的に不快,そしてさっぱり理解できん。

  • 短編6作。

    どうでもいいことだけど、佐藤友哉の顔写真を初めて見ました。
    『水没ピアノ』での、おーちようこの解説を読んだ直後だったので、なんだか、ギャップが…。

    さて、で、本題です。

    どれもかなりおもしろかったけど、あたしの好みからすると、一番イイのは、断然、「死体と、」です。改行なしなのに読みやすい。…というか、引き込まれる。

    あたしは文学とかは全然わかんないので、当然、作者の技量なんか計れるはずもなく、基本的には、技法には無関心なのですが、それでも、舞城王太郎の『煙か土か食い物』以来のインパクト。

    何が、と言われるとよくわからないけど、これはすげぇな…、と、感動。
    てか、感無量?

    ストーリーも、文章が淡々としているわりに、ドロドロしていてとても好きです。

    他の作品では、「慾望」の、あの、大人と子どものわかりあえなさと、「大洪水の小さな家」の、ひとりきりで世界が完結している「終わってる」感がとくに好き。

    「生まれてきてくれてありがとう!」は、珍しく(?)ストレートにイイ話。
    「リカちゃん人間」は、タイトルのエグい感じが気に入ってます。運動家のうざったさと、そのあっさりした最期も、皮肉っぽくてイイ感じです。

    ただ、表題作の「子供たち怒る怒る怒る」だけは…描写がグロくて途中で萎えました。。。(あたしは拷問まがいの行為が、生理的にダメなんです)

    さて、で、6作読んで…。
    佐藤友哉は、善良な人だなぁ、と思いました。
    だって、最後の2作は、比較的「希望」を残して終わるし。
    その2作は、わざわざ、この本のために書き下ろしたものらしいし。
    なんだかイイ人。

    そして、陣野俊史は解説で、「この小説集はアナーキズムの小説でできて」いると言いますが、それは微妙。
    あたしの解釈では、アナーキズムというのは、否定すべき対象(政府とか権力とか)があって初めて成立するものだと思うのですが、この小説に出てくる子どもたちは(「子供たち怒る怒る怒る」は例外だけど)、そもそも、そんな対象をもっていない。
    というか、大人と世界を共有していない。
    ならば、それはアナーキズムというよりは、大人から見ればニヒリズムに近いんじゃないかな、と思ったり。
    …まぁ、よくわかんないんだけど。

    とりあえず、この本、おもしろかったです☆(強引な締め方…)

  • 人生初佐藤友哉は『子供たち怒る怒る怒る』。
    短編集ながら(だから?)、それはそれは衝撃でありました。

    主に、子供たちが怒ります。
    時に無言で。時に暴力的に。時に希望を信じて。

    初読時は「子供=『弱者』のメタファー」なのかな~なんて穿った見方をしていましたが、ブクログ登録に際して再読してみると、あれ?違うかも?と。

    弱くて無力で大人の庇護なしには生きていけなくて、しかも世の中には必ずしも「善い大人」ばかりではなくて、不当な差別や暴力や理不尽が蔓延していて、そんな世界に疲れ果てて諦め尽くしてただただ息をひそめるしかない「子供」。
    そうやって死んだ自我を引きずるようにして生きている子供たちが、ある時怒りを爆発させるわけですよ。

    ただ、そのブチ切れ方が大人とは異質。大人だって不当に扱われれば怒るけど、本書の「子供たち」が溜め込んで噴出させる「怒り」とは違うもののような気がします。

    大人が怒りを露わにするタイミングって、ある程度自分でコントロールしてたりするじゃないですか。まだ怒る所じゃないな、とか。ここでちょっと仄めかしておかないとナメられるな、とか。ある意味で外交手段みたいな部分もある。
    そんなスレた大人から子供の社会を見たら、「どうしてこんな事で怒るのか?」「なぜここで怒らない?」って局面も多々あるんですが、肉体的社会的に抵抗する力が無かったり、子供は子供でその場のパワーバランスを必死に見据えていたりするんですよね。

    子供は子供の論理で動いている。大人は大人の論理で動いている。
    まあ当然っちゃ当然ですが。

    その辺りが生々しく描かれているので、「子供たち」の「怒る怒る怒る」に共感できるかと言われれば微妙。
    じゃあ子供の世界をリアルに再現しているのかと云えば、それも微妙。だって大人が想像した子供の世界ですもんね。

    でもそれがすっごい面白かった。佐藤友哉のそこが好き。

    『リカちゃん人間』ラストシーンは、私の中で「読むと煙草が吸いたくなる名場面」に殿堂入りしております。

  • 読むのをやめたくなるくらいグロテスク。残酷。その中に悲しみと切なさが見え隠れする。読後感は爽快とはかけ離れているけれど、それでも何度も読み返してしまう一冊です。好き嫌いは激しいでしょう。

  • ぼくが転入してきたクラスで行われていた、ゲーム。それは異形の連続殺人者・牛男の次の犯行を予測しあうことだった―。最初は面白半分だった。でも、いつしか、ぼくたちは引き返せない地点まで来てしまったんだ(表題作)教室で突如火を噴く、恵子のサブマシンガン(「慾望」)。
    デッドエンドを突き抜ける、六つの短編。

    新規開拓、メフィスト賞作家の佐藤友哉

    大人が所属しているコミュニティを、簡単に撃滅できる狂気を子供たちは持っている
    俺が好きなのは『慾望』
    読めば背筋が寒くなることうけあいです

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ぼくが転入してきたクラスで行われていた、ゲーム。それは異形の連続殺人者・牛男の次の犯行を予測しあうことだった-。最初は面白半分だった。でも、いつしか、ぼくたちは引き返せない地点まで来てしまったんだ(表題作)。災厄が露にした、きょうだいの秘密(「大洪水の小さな家」)。教室で突如火を噴く、恵子のサブマシンガン(「慾望」)。デッドエンドを突き抜ける、六つの短編。

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