1000の小説とバックベアード (新潮文庫)

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著者 : 佐藤友哉
  • 新潮社 (2009年12月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101345529

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1000の小説とバックベアード (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 小説をめぐる小説、奇想天外な冒険小説。映画で言うと『ニュー・シネマ・パラダイス』。確かに現代において《純文学》を書くような人が読むとそこそこショックを受けるだろうし怒るかもしれないが僕はこれでいい。小説はもっともっと壊れていけばいい。どんな形にでもなればいい。そもそも僕がどう望むかにも寄らず、小説の形はきっと《そうなる形》になってゆく。なにせ『言葉は残る』のだ。

  •  小説を書くことが自分の趣味と感じたことがある人間のなかで、いったい死ぬまで小説を書き続ける人はどのくらいいるのだろう。

     暇を持て余していた大学時代、わたしは小説の新人賞に応募してみようかな、と思ったことがある。しかし、応募要項を読むのがめんどくさくて、あっさりやめた。当然応募作なんて一文字も書かなかったどころか、頭の中にさえ影も形もなかった。
     プロデビューできても、作家専業で一生食べていける人は多くないだろう。プロにならなかった、なれなかった人は、いくら書いたって何の見返りもない。
     他人に読んでもらう機会も、そうそうない。最近なら簡単にウェブで公開することもできるけど、それでもやっぱり無名の素人の作品を多くの人に読んでもらうのはとても難しい。読んでもらえたところで、その人に好意的な感想を抱いてもらえるとも限らない。
     しかも、世の中には小説があふれていて、まったく新しいものなんてたぶん存在しない。
     文学史に燦然と輝く名作はあまたある。人生は短く、そういう小説をすべて読むほどの時間は与えられていない。

     だが。しかし。
     たとえそうだとしても、小説を書くのを辞めなければならないというわけじゃないはずだ。
     だから、書けばいいとおもうよ。
     書きたくなくなるまで書けばいい。
     書きたくなくなったら、この小説を開いてみたらいい。

     そんな、作家を目指している人、小説を書いてみたい人におすすめな一作。私の、とても好きな作品のひとつ。

    (以前単行本で読了済。再読)

  • 相性が悪いのか、佐藤友哉の小説を読んでも、ただただ出来が悪いとしか思えないのを忘れていた。

    文章は基本的に平易で読みやすいけど、所々危なっかしいし、同音異義語の反復を多用するレトリックの引き出しの少なさがダサい、とかは実はどうでも良く、単に迫力に欠ける。

    片説家という設定だけは面白かった。
    固有名詞に惹きつけられても期待が不意にされるような展開は、まあそれはそれでもいいんだけど、小説の循環、言葉は残る、という作品に込められた祈りにしてみたら、この作品自体の強度があまりに足りていない。

  • イッキ読み。
    おもしろかった。
    が、ややこしかった。

    非現実的な中に真理を放り込んで
    爆発させている印象。
    難しいことはわからないけど
    小説を愛している、ということでしょうか。

  • 最初は読みにくいと思ったものの、見た目にも音にもリズムのいい文体に、次第に慣れた
    読後はさっぱり
    小説とは何かを問うテーマ
    いらないモブがいないのが好感触

  •  小説を書くことに対する著者の決意表明のような小説である。小説を書くということを巡るファンタジーであり、設定こそ非日常的だけど、著者の日本文学に対する構えや心意気が勢いのある文章からびしびしと伝わってくるようだった。そのパワフルさに圧倒されながら読むのがとっても楽しい作品。

  • いまいち物語のなかの片説家が必要性がわからなかった。あと、バックベアードはタイトルに使いたかっただけじゃなかと・・・。

  • 「言葉は残ります」

    言葉通り残したい言葉の数々でした。

    感想をうまく言葉にできずくやしいな、、、。

  • シャレオツ感とコンプレックスと自虐の入り混じった,いつも通りヤマもなければオチもない話。

  • 聞いたことない作家さんでしたが、ぱらぱら捲ってみると作中に本の題名が沢山並んでいたので読んでみことにしました。
    小説の中に、小説が出てくる作品は何故か惹かれます。
    やっぱり本好きの性なんでしょうか。
    登場人物がどんな本が好きなのかが分かるだけで、ストーリーの中では語られなかったその人物の1面が見られるような気がするからかもしれません。

    最初は、あまり好みの文章ではなかったので読み辛いな~といった感想しか抱けなかったのですが、次々と繰り広げられる事件にぐいぐい惹き付けられ、最後は物語に没頭していました。
    ストーリーは勿論面白いのですが、ぽんぽんとテンポが良い会話がとても面白いのです。
    例えば、いきなり主人公の前に表れたスーツ姿の謎の美人配川ゆかりとの会話。ズバズバと歯に衣着せない言い方をする配川ゆかりと、オブラートだが必要最低限の的確なことを言う主人公とのやり取りは、一見喧嘩しているようだが、それをむしろ本人達は楽しんでいるような良いテンポとなって、読んでいてとても気持ちがよかったです。

    一方、極度の機械オンチでDVDプレイヤーもろくに使いこなせない探偵一ノ瀬は、飄々とした喋りでたまに主人公の痛い所を突き、主人公をからかうようなことを言う。主人公も負けずと言い返したりするが、結局言い負かされてしまい黙りこくったり、話題を変えたりすることでしか会話を続けることは出来ない。しかし、主人公が怒ろうと黙ろうと決して感情的になることない飄々とした一ノ瀬の態度は、子どもが何をしようとも暖かく見守っている、親のような優しさが感じられました。それがどれだけ厳しいことを言っていても、心地よいじゃれあいに見え、読んでいて楽しかったです。

    物語の内容もとても良かったです。
    何かを表現することの素晴らしさを教えて貰った気がします。
    私も何か書いてみたいなぁ!

  • 図書館好きにオススメですよ。

  • どうということはない。

  • 依頼人のために集団で制作する文章〈片説〉。
    小説に比べどうしようもなく劣っている〈片説〉。
    片説家の僕は27歳で仕事をクビになり、更に読み書きの能力を失ってしまう。
    そこに女が現れ言う。「小説を書いてみませんか?」

  • ほぼ国語の教科書でしか接してこなかった小説を、余暇に読み始めたときに偶然出会った。
    小説とは関係ないが、確かバックベアードで検索していたらヒットした。
    それまで小説とは登場人物の気持ちを読み手が捉えるものでしかないと思っていた。
    学校の国語教育の賜物なのかもしれない。
    でも当然ながら作者の気持ちが登場人物を動かしているわけで、
    小説を通じて作者の思いや性格や暮らしや問題意識や人生や悩みなどに思いを馳せることができる。
    当時の自分には小説のそんな当たり前だけども幅広い読み方を知ることができた作品だった。

  • 言語ってなんだろう。なんだか言葉にできない感情ってよくある。好きな人を思う時のふわふわ、試合に勝ちたい時のどくどく、テスト前のびくびく。それが直接伝えられる言葉が存在したら・・。きっとそれは新しい言語なんだろう。僕自身はその新しい言語を受け入れることができるのかどうか。言語の持つ可能性が不思議な世界へご案内します。

  • いつもの佐藤友哉らしい、暗い雰囲気の割に読後感は割とよく、この人にしては珍しくラストが、まとまっていたと思う。読む人によっては好き嫌いがわかれそうだけど。

  • 資料ID: C0030429
    配架場所: 本館2F文庫書架

  • 評判なので読んでみた。確かに設定は面白いし文章もテンポも悪くない。たださー、なんか来ないんだよね。作者の人生経験が透けて見えるっていうか、甘っちょろいんだよね。これを現代の文学の旗手っていうのなら、かなり厳しい。

  • 不思議な物語そして不思議だけど魅力のある文章です。わかるようなわからないようなモヤモヤ感がたまりません。村上春樹と似ているような似ていないような、個人的にはかなり好きです!

    小説を愛する人には共感出来ますし考えさせられます。おもしろい本です。

  • はじめが面白い

  • これ好き!!!!!
    ただのアドベンチャーかと思ったけど、何だかいろんな気持ちにさせられた。

  • 一人の客の傷を癒すために物語を作る片説家をクビになった主人公が、一人の女性の依頼により、今度は小説を書こうとする冒険譚。

    この世界では片説家は小説家になれなかった出来損ないの人間とされており、その職業すら追われてしまった主人公は読み書きの能力すら失ってしまう。

    そこから始まる再生の物語は、次々と難関が襲いかかってきては主人公の心をくじこうとする。
    しかし、「負け犬としてのあがき」と言うか、「一度挫折してまた目標に向かおうとする強さ」を読者に見せてくれる。見苦しさすら剥き出しにして。

    著者自身の「小説」に対する熱い思いガッツリ詰め込まれた、「小説を愛する人」のために書かれた小説だ。

    ただ、話の展開が本作は村上春樹の影響をうけすぎてるかな、と思ってしまった。
    後半に出てくる「図書館」の設定や「日本文学」なんていう突飛な名前の人物なんかはそのまま春樹作品に出てきても違和感がない程。

  • SFではないけれど、日常を微妙に逸脱していく一種の不条理なファンタジーで、基本的に面白かったですが、村上春樹と初期の島田雅彦を足して割ったような印象。

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1000の小説とバックベアード (新潮文庫)の作品紹介

二十七歳の誕生日に仕事をクビになるのは悲劇だ。僕は四年間勤めた片説家集団を離れ、途方に暮れていた。(片説は特定の依頼人を恢復させるための文章で小説とは異なる。)おまけに解雇された途端、読み書きの能力を失う始末だ。謎めく配川姉妹、地下に広がる異界、全身黒ずくめの男・バックベアード。古今東西の物語をめぐるアドヴェンチャーが、ここに始まる。三島由紀夫賞受賞作。

1000の小説とバックベアード (新潮文庫)の単行本

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