美の呪力 (新潮文庫)

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著者 : 岡本太郎
  • 新潮社 (2004年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101346229

美の呪力 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 2016年8月31日読了

  • 大阪万博の制作と並行して著されたと言う『岡本太郎による世界美術館』的なエッセイ。 怒り・憤り・畏れ… 太郎なりの美的感性から評されるテーマはゴッホ、ピカソ、ゴダールらの著名美術作品のみに留まらず、作者不明の作品、聖地、土着の祭り・儀式など、アミニズム・シャーマニズムに根差した有形・無形の『美』にも及ぶ。 “才能と技巧は違う。技巧を伴わない才能こそが芸術。” 評論の形を取りながら、各々に挑み向き合う様な、ほとばしる言葉は、全編にパワーが漲っている。 この空気感から『太陽の塔』は産まれたのだなと。

  • 強烈。
    透明な混沌と夜の捉え方が印象的だった。

  • 太郎さんの何がって限定したくはないけど
    私の知ってるうちじゃ、柳さんとパイロットと重なるときがある、あともう一人か。

    芸術家が芸術作品に興味ないって言ってるなら、素人の私もそんなの知らない、あんなのこどものらくがきでしょっ、って言えるだろうか。そしてその理由を質すされたときにだってあの偉い人もそういってるんですよなんて、子どもの絵と馬鹿にしておきながら、それでもって子どもの絵も馬鹿にしておきながら、お主がやっておるのは子どものそれとはどうちがうのじゃろう?それは理解できないだけで外にいるものが内側にいる者、内側に入ることができたものに対する嫉妬、そう嫉妬。芸術、芸術家というものがこの世には存在していました、そして今も存在し、この先も存在し続けるでしょう。我々人類のうち一体何割の人間がこの存在をその生のうちに自分の内側に認めることができるのでしょう?

    極めて少数なら存在しなくても、存在しないとみなしてもよいのではないでしょうか?
    そう、微分です。存在量が少ないものは微分して、多で世界を構成させましょう。我々が依れるのは極めて少数の有限な存在だけ。希少性は不要でございます。
    美なんて言葉は女性にだけ用いるのが正しい。
    芸術作品があるから凡人は引け目を感じるのです。
    理解できない存在ガボン人にとってどんなに苦しい次第か、それはちょうど天才がなぜ凡人は自分たちの作品を理解してくれないのかと悶々とするのと似たようなものでしょう?お互いが会い寄れない。そのようなモノが存在していることが誠に滑稽でございます。

    芸術作品と芸術家と鑑賞者。
    いつまでたっても私にはすごい上手って言葉しか
    出てこないのが、とっても恥ずかしい....

  • あるということを拒否するところからないを考えるという言語化の仕方が気に入ったけど、後半同じテーマの話が引き延ばされている感じでちょっとぐだった。あとあらすじが「わたしは赤が好きだ」という引用からはじまっているがあまり適当でないと思う。

  • 何となく網野善彦さんの「無縁・苦界・楽」に似てるなと思った。
    人が営んでいく上での本能(?)的な所を突き詰めていくと、血や炎、石積みにもある種のアジール的な所を見れてしまうのかもしれない。

    これまで芸術に全く興味が無く、岡本太郎さん自体、万博で太陽の塔を建てたり、「芸術は爆発だ」とか言ってる何か変な人と言うイメージしか持っていなかった。

    けど、もし、あの世で網野善彦さんと岡本太郎さんが対談したら、結構、面白いんじゃないかなぁと思いましたよ。

  • 飾られるために創るのでなく、使うために作る。だから使われるときこそ最も輝く。単純なものほど、原点。語学や美術史にも深い岡本太郎のすばらしさを再認識。イヌクシュクの石積み。

  • 芸術についてはよくわからないのだけど、太郎さんの伝えたいことは少しだけ、理解できたと思う。
    太郎さんの言葉を読むと、すごくパワーがあって自分に並々ならぬ自信を持っていたんだろう、と思ってしまうけど、本当は自信じゃなくて、強烈な覚悟を持ってたんだと思う。自分の言動に、生き方に。私は太郎さんの、そういうところに惚れている。

  •  イヌクシュクの神秘。沈黙するイヌクシュクの姿に、なにやら根源的で運命的で切実な問題が暗示されているのを感じる。見世物ばかりで浮き上がってしまいそうないわゆる美術品に向けて、ぐんと重い、人間文化の深みを突きつける。人間の生きる営みは、きびしくそして絶望的だ。石そのものが神秘であった。そして石を一つ一つ積み上げていく行為は神聖であった。

  • 石積みの回、失われていった文化にみる本当の芸術、終盤のゴッホ、あやとり宇宙論が特に面白かった
    今日までにのこったものでなく失われたものの側から真の芸術を強烈に照らし出そうと試みた一冊

  • 岡本太郎が言及するものは「芸術」という枠にとらわれないもっと根源的な、アニミズムに基づくもの、
    生命の咆哮すなわち「爆発」である。
    彼は宇宙の万物、生きる喜び悲しみについてや民俗学、宗教、哲学まで詩的に知的な文章で描きだす。
    真実(物事の形ではない、本質)を透明な眼で見つめ描く様は残酷ですらある。
    私は彼の感性に概ね共感できたが、文章から溢れるエネルギーにあてられ、読後は少し疲労を感じた。
    しかしこれを読んで、世界を見る眼鏡の曇りが少し取れたように感じる。

  • 一回読んだだけでは、この本の良さはあまりわかりませんでした。
    あまりにも岡本太郎が世界中の伝統や文化、芸術の知見があるので読んでいてよくわからなくなりました。

    全体的に、まず本のボリュームが279ページあるので読み進めづらいのと、主張が一回ですっと入らないから岡本作品を何冊か読んで慣れてないと辛いかなと思いました。
    ただ章が「血・怒り・仮面・火」などしっかり別れており、章の初めに考えが書いてあるのでそこはポイントとして抑えておいてよかったです。

    もう一度読みたい本です。

  • 岡本太郎の文章を初めて読みました。
    こんなきちんとした文章を書くんだ、と正直驚きです。
    もちろん、文章にも「太郎節」というものが炸裂していて、その個性は唯一無二。
    ただ、そこにある、「自分自身をまず他者として置き」、問題をとらえ、調査し、思索し、文章を書く――という姿勢。
    それがメディアに露出していた本人のイメージとは違っていてなんだか新鮮に感じられました。

    古代の石、血、仮面、怒り、炎と水、夜。
    岡本太郎が心惹かれるもの。
    その何が彼の心を惹きつけるのか、を論じています。
    比較文化論でもあり、美術史論でもあり、社会論でもあります。
    その独特の感性と、本質に迫ろうとする迫力を感じると同時に、
    客観的な視点から分析しようとする姿勢も感じます。

    「まことに大地と天空は永遠のものであるのに、火と水の激しくはかない性(さが)は人間のいのちを暗示し、
    よろこび、悲しみの波動をおおい、くぐり抜けていく。」
    などという、美しい文章もさらりと現れたりします。

    ピカソやゴヤ、ゴッホなどについて語っているところが個人的にはとても面白かった。
    特にゴッホ論は秀逸。

    様々なテーマを、深く、広く語っている岡本太郎。
    「芸術は爆発だ!」の言葉の意味を自ら解説している書、でもあります。

  • 太郎さんの著書は「今日の芸術」が有名だが、中身だったら絶対こっち!!
    日本全国の土着の日から普遍の美へとつながる洞察は岡本太郎のぎらぎらした感性と知力の結晶!!

  • へこんでいるときに読んで大層血潮が燃えました。

  • 最後の方流してしまった。だんだんあきてきて、、、
    既存の考察を無視して、自分の視点でちゃんと見ていいんだー!
    と、はっきり示してくれたお方です。また今度読み直すね。

  • 原始美術の考察が美学的。

  • 明解で読んでいて気持ちが良い。

  • 大学入学当初手に取り、今に至るまで
    ずっと手放せないでいる。
    この本の存在が自分の中で大きいことに気づき、驚いた。
    岡本太郎、興味深い人物です。

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