黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347110

感想・レビュー・書評

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  • 「福沢諭吉だったら、やる気はない。金塊だから、やるのさ」

  • 女の人が書いたとは思えない。すごく視野が広くてうらやましい。

  • 読んだ本 黄金を抱いて翔べ 髙村薫 20240408

     髙村薫のデビュー作。5人の男が金塊を強奪する過程を描く。髙村薫らしく登場する男たちはかなり屈折していて、それぞれがそれぞれの形で社会に不適合。重苦しくて個々の業がトラブルを招く。「レディジョーカー」の原型を感じたかな。
     でも、「レディジョーカー」や「マークスの山」より複雑ではないはずなんだけど、なんか読みづらいような、素直に文章が入ってこないような感じだったな。体調のせいかもしれませんが。
     デビュー作なのに瑞々しさが全く感じられないのが面目躍如って感じ。このどす黒いマグマが洗練されて、「レディジョーカー」なんかに続いていくんですね。

  • まーまー

  • 凄い。
    終盤の時系列的詳細な犯行記述が凄い。細部の描写が凄い。
    本当に金庫破りをやったことがあるんじゃないか、と思わされる。単気筒バイクの表現も素晴らしい。おそらく作者は体験していない事を詳細に調査、聞き取りをして書き上げているのではないか。
    さすがに、古さは感じる。スマホ、AI、ネットワーク、が発達した現在ではこの犯行は書けないと思う。

  • オーシャンズとは違う
    じっとり重い疾走感
    違う作品も読んでみよう

  • 銀行に眠る6トンの金塊を奪おうとする浪速の男達の話。
    私の読み込みが浅くもっと感受性が良ければ更に色々感じ取れて面白いんやろなぁ、と思った。
    読解力と感受性がほしい。

  • 内容は「オーシャンと11人の仲間」の大阪縮小版といったもの。金融機関に強盗するグループの話。そこには企業セキュリティや警察だけでなく、暴走族や左翼過激派、KCIA、果ては北朝鮮まで絡んでくる。少し設定が大風呂敷すぎるのでは。
    作中の不思議な男性描写は、どうやらハリウッド映画や、アメリカTVドラマの吹き替えが元ネタになっているのではないか。いっぽうで女性は驚くほど軽薄な存在として描写される。幸田の母、北川の妻、ミエちゃん。この明らかな性別での人格描写に著者の闇を感じる。
    ただ、この物語の登場人物たち(強盗団)の背景、つまり社会に見捨てられたり、犠牲になったり、または人生に絶望したりという人間が大きな事件をおこすという設定は、リアリティーを感じるし、説得力もあるし、独自性も感じる。時代的にも90年代初頭に作られたものとしてはかなり斬新だし、このようなミステリーが作られた、という事実だけでも重要である。
    また、「人間嫌いだったのに強盗仲間と心が通い、恋愛に発展した。しかも同性に」とか「仲間の一人が裏切り者だと発覚したが、話を聞いてみたら実は自分の父親だった」とかの過剰演出というか、過剰設定が現代の基準ではかると、あまりに安直ととらえられる。だけども最終的に生き残っての「人の居ない場所で活きたいとか、どうでもよくなった」とか「今、本当におまえに出会えた」などの台詞はけっこう心射たれる。
    そんな粗削りな悪くない作品。良い意味での初々しさもある。

    一味(全員男性)が作戦中食べるものとして「酒まんじゅう」が出てくる。これを「旨い」と言って皆で食べる。この描写感覚は女性的というか、不思議である。181

  • ハードボイルド

  • 著者のデビュー作ということで手に取る。
    ディテールの描写から、よく調査して書かれていることがよく分かる。
    映画もあるようなので、機会があれば観たい。

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著者プロフィール

●高村薫……1953年、大阪に生まれ。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、1990年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。93年『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞、『マークスの山』(講談社文庫)で直木賞を受賞。著書に『レディ・ジョーカー』『神の火』『照柿』(以上、新潮文庫)などがある。

「2014年 『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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