レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)

  • 1484人登録
  • 3.92評価
    • (128)
    • (206)
    • (104)
    • (28)
    • (2)
  • 100レビュー
著者 : 高村薫
  • 新潮社 (2010年3月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347172

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  •  城山と誘拐グループ「レディ・ジョーカー」の裏取引を疑う警察は合田を城山の警護役と称し、身辺調査の命令を下す。一方で城山はレディ・ジョーカーとの取引を着々と進める。その匂いを嗅ぎつけた新聞記者たちも徹底した取材を進めていくがそのさなかでレディ・ジョーカーは攻撃を開始する。

     中巻まで読み終えてふーっと大きく息をつき、ああ、まだ下巻があるんだな、とまだこの重厚な小説が読めるといううれしさと、この重厚な小説をまだ読まないといけないのか、という一種のうんざりという感情が混ざった複雑な気分になりました。

     書き込みの量の多さはやはり圧巻の一言! 警察、企業、マスコミそれぞれの論理を余すところなく書き込むという高村さんの姿勢が読んでいて感じられます。なんでこんなにもそれぞれの立場や思惑をリアルに書けるのか不思議でしょうがないです。

     そして警察や企業の論理と個人の論理の相克もまた読んでいて凄まじい…。合田や城山の苦悩や葛藤というものが文章を通して伝わってきます。文章自体がまるで呼吸をしているかのよう、と言っても言い過ぎじゃないのではないでしょうか。

     記者たちの活動というのも非常にリアルで読みごたえがあります。そして読み進めるごとにこの小説は単なる誘拐小説なのではなく、そこからさらに深いさまざまな闇を見せようとしているのが分かります。それがこの小説がまだ続くことがうれしくもあり、うんざりしている理由なのかもしれません。

     いよいよ下巻に突入。中巻はちょっと読むのに時間をかけてしまったので、下巻は一気に読んでしまいたいところです。

    第52回毎日出版文化賞
    1999年版このミステリーがすごい!1位
    このミステリーがすごい!ベストオブベスト9位

  • [上中下巻あわせて]
    グリコ・森永事件をモチーフとした文庫本3冊の長編小説。
    最近はノンフィクションばかり読んでいたので久しぶりに小説を読んだ。
    グリコ・森永事件は自分が幼少の頃にリアルタイムに体験した事件でもあり、当時の自分の微かで断片的な記憶も思い出しながらで、大変面白く読めた。

    読み終わって幾分モヤモヤしたものが残るけれど、最近の自分は「小説は読んでいる時間そのものが面白ければいいのだ」と思う。

  • 日之出ビール社長誘拐事件のあと、犯人レディ・ジョーカーからの金銭の要求と受け渡しの指示など、今度は警察と企業と犯人の話になってくる。
    多くのしがらみにいまひとつ切れ味の悪い警察の対応。裏の裏を探ろうとする新聞社、企業の窮地で儲けようという金融屋たちなどが絡みに絡む。

    ※わかる人にはわかる話
     合田氏のH&M案件が顕著に。
     なんでこういうことになったのか。
     元々いかにもだけど(←)、そんなに必要な要素だろうか。

    でも相変わらずスピーディーで盛りだくさんな内容にあっという間に読み終わりました。

  • 複数巻の長編を平行に読破しよう月間。うーん、厚い本ばっかりだから、消化が遅くていかんな。

    「ジョー」と書かれているが、中巻。前作の犯人側(?)の視点から一転して、日の出ビール側を主として、新聞社と警察が描かれる。メインとなる事件の成り行きと、マスコミの内情、株などの色々な話題が、これでもかと詰め込まれているのもあり、それほど複雑な話でもないはずなのに読みにくい。失速というよりは、上巻同様に読ませる勢いは今ひとつ欠ける。

    上巻から読みにくいと感じていたのは3点。あちこちに視点を飛ばしすぎる。専門の話に説明が無く、業界スラングや専門用語をそのまま表記する。最後に、主語がなかったり、言葉を発した人間へのフォーカスがない。

    業界スラングなどは、作者の慣れなのか、資料を集めてきたときのそのままなのか知らないが、ちょっといただけない。

    宮部みゆきなどの、集めてきた資料列挙というスタイルではないが、女性作家ならではの不親切さは目につくものの、同じエピソードを繰り返し書いたりすることでフォローにはなっている。

    さて、「グリコ森永事件」を下敷きにした本作。グリコ森永を知っている人なら知っているようなエピソードが続き、「いつ囮が捕まるの?」「現金入りカバンを高速道から投げないの?」と、うがった読み方をしてしまっていけない。

    かなり事件に近い展開になっている点は、リアルなんだけど散漫で、普通の小説が都合が良すぎるのかもしれない。本作も、警察の部分は都合良すぎるが。

    そんな中、もう一つ気になるのが、架空の企業や車の名前などが投げやりで「毎日ビール」とかイカンやろ?出てくる名称が、中途半端に現実の他業種だったりするのは、読者を混乱させる。この辺は発想力がたりていない。そのくせ実在する企業や車種も出てくるんだからよくわからない。本作の一番いけてないところは「レディ・ジョーカー」というタイトルに有るのではないかと思い始めた。

    人物などの系統樹は長編ならではというか、破綻が少なく良く出来ているとは思う。都合が悪くなったら自殺させるのはどうかと思うけどね。

  • 合田の鋭い洞察力と能面な城山が面白い。息を詰める展開、忘れた頃に加納登場で脳内が緩む。合田も甘えてるよね(ごめん、腐読みで)。ここであんたまで?家族を守らないでどうするんだよ!と叫んだとこで続く。レディ・ジョーカー計画はすでに少しずつほころび始めているように見える。犯罪なのに成功して欲しいような犯人よりの気持ちになっている自分に気付く。

  • 中巻になってもテンション落ちないですね~、面白いです。相変わらず、読み進めるのになかなかの馬力が要りますが。まあでも面白けりゃ良しってもんです。さて、ここからクライマックスへ向け、どんな盛り上がりを見せるんでしょうか。ちょっと綻びが目立ち始めた「レディジョーカー」軍団、まんまとお縄になってしまうんでしょうか。

  • 犯人側の描写が一切出てこないです。気になる。

  • レディ~はとてもいろいろなことを
    詰め込んだ作品だと私は思っています
    そしてそれぞれの問題対して
    読者に疑問や疑念を投げかけてきます

  • 企業の論理、警察の論理、マスコミ(新聞)の論理が渦巻き息苦しくなってくる。そして、まだうっすらとしか見えない裏社会の論理、レディジョーカーの論理。
    複雑に絡み合ってて、重いですね。
    どういう決着を見るのか?

  • 日之出ビールへの恐喝が始まる。

    冷静沈着な合田刑事が頼もしい。
    みんな様々な思いが渦巻いている。

    どのような事件の結末を迎えるのか気になる。

  • 配架場所:2F文庫書架
    資料ID:C0031091

  • レディ・ジョーカー3作のうち、2作目。

    誘拐グループから解放された城山社長に様々な苦悩が待ち受ける。
    しかしその中で誘拐グループはさらに攻撃を開始する物語。

    警察、企業、メディア等の様々な論理が個人を押し潰していきます。
    合田刑事や城山社長の苦悩や葛藤が文章を通じて半端なく伝わっていきます。
    もはや推理小説というより社会派の作品です。

    次の下巻の展開が非常に気になります。

    上巻の閉塞感をさらに感じたい方にお勧めの作品です。

  • 日之出ビール社長、城山はレディ・ジョーカーチームによる監禁から無事解放される。

    しかし、城山の苦悩はそこからはじまる。ビールへの薬物混入で会社の業績は悪化。さらに、犯人から指示された裏取引に加えて、過去の総会屋との関係や差別による就職内定取消など、城山は難題を1人抱え込む。

    そんな城山の警護担当になったのが、主人公合田。城山の行動に疑惑を持ちながらも、真相解明のためには信じるしかないという複雑な葛藤で、合田もまた孤独感を強める。

    似たもの同士の2人は次巻で分かり合えるんだろうか。

    ところで、レディ・ジョーカーチームが城山への連絡する方法を解明するところが、この作品、唯一の推理小説っぽさ。

  • やっと中を読んで終わった。これから下を読むのが楽しみ。

  • 重厚で、読んでいてもたれる感じがする。

    社長の城山はレディージョーカーとの裏取引を決意する。

    警察はレディージョーカーの指示が要領を得ず、鬱憤がたまり、解決策の糸口が見つからない

  • 事件が展開し始める。
    高村薫さんの文章の渋味を堪能中。

  • 中巻に入って面白くなってきた。先が知りたくて一気に読んでしまった。新聞記者のパートが好き。さぁ、下巻だー!しかし一巻一巻が本当に長い!2012/147

  • 合田は、外部から見ると爽やかで、自分の中では悩み苦しむという評価、それがどうも女性には色っぽく見えて人気らしい。という説を理解した巻。
    今のところ、照柿はなんだったんだというくらいにさわやかに進行。
    誘拐事件があってさえさわやかに感じられるという、虐げられた末の飴に喜ぶような読者に……
    しかし、兜町の株式操作の話、難しい。

  • レビューは下に譲ります。

  • 移動時間が少なく、読むのに時間が掛かりました。
    この巻ではレディ・ジョーカーは登場人物としては出てきません。
    主役は、猟犬となった新聞記者と、城山社長と合田警部補です。
    特に社長と警部補は、互いに組織を背負う立場と、稀に見せる私人の感情の発露が何とも言えません。
    社長室での対峙とその後の電話は多分に映画的です。
    ちなみにこれから競馬場です。
    LJ結成の舞台は、東京、中山、川崎、何処だったかな。

  • 中巻。上巻よりはスムーズに読めたかな?合田刑事、城山社長、新聞記者が主。合田刑事と義兄の関係〜気になるなぁ。

  • ようやく読了(-_-;)

  • ★評価は読了後に。
    やっぱり生々しい息遣いが聞こえてくるよう、この作品は。
    正しいか否かは問題ではなく兎に角生き残ることが現在の市場社会における最重要の命題であり、その命題に疑問も持ちつつ自然と反応していく強者の喰らい合い、反応が遅れた者は容赦なく(人生からも)落ちていく。
    それを冷めた目線でねちっこく書き連ねて物語を推進していく。
    まさに実力ある作家にしか出来ない芸当、最終巻が楽しみ。

全100件中 1 - 25件を表示

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)の作品紹介

城山は、五十六時間ぶりに解放された。だが、その眼は鉛色に沈んだままだ。レディ・ジョーカーを名乗る犯行グループが三百五十万キロリットルのビールを"人質"に取っているのだ。裏取引を懸念する捜査一課長に送り込まれた合田は、城山社長に影のごとく付き従う。事件が加速してゆく中、ふたりの新聞記者は二匹の猟犬と化して苦い臭跡を追う。-カオスに渦巻く男たちの思念。

ツイートする