レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)

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著者 : 高村薫
  • 新潮社 (2010年3月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347172

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レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  城山と誘拐グループ「レディ・ジョーカー」の裏取引を疑う警察は合田を城山の警護役と称し、身辺調査の命令を下す。一方で城山はレディ・ジョーカーとの取引を着々と進める。その匂いを嗅ぎつけた新聞記者たちも徹底した取材を進めていくがそのさなかでレディ・ジョーカーは攻撃を開始する。

     中巻まで読み終えてふーっと大きく息をつき、ああ、まだ下巻があるんだな、とまだこの重厚な小説が読めるといううれしさと、この重厚な小説をまだ読まないといけないのか、という一種のうんざりという感情が混ざった複雑な気分になりました。

     書き込みの量の多さはやはり圧巻の一言! 警察、企業、マスコミそれぞれの論理を余すところなく書き込むという高村さんの姿勢が読んでいて感じられます。なんでこんなにもそれぞれの立場や思惑をリアルに書けるのか不思議でしょうがないです。

     そして警察や企業の論理と個人の論理の相克もまた読んでいて凄まじい…。合田や城山の苦悩や葛藤というものが文章を通して伝わってきます。文章自体がまるで呼吸をしているかのよう、と言っても言い過ぎじゃないのではないでしょうか。

     記者たちの活動というのも非常にリアルで読みごたえがあります。そして読み進めるごとにこの小説は単なる誘拐小説なのではなく、そこからさらに深いさまざまな闇を見せようとしているのが分かります。それがこの小説がまだ続くことがうれしくもあり、うんざりしている理由なのかもしれません。

     いよいよ下巻に突入。中巻はちょっと読むのに時間をかけてしまったので、下巻は一気に読んでしまいたいところです。

    第52回毎日出版文化賞
    1999年版このミステリーがすごい!1位
    このミステリーがすごい!ベストオブベスト9位

  • [上中下巻あわせて]
    グリコ・森永事件をモチーフとした文庫本3冊の長編小説。
    最近はノンフィクションばかり読んでいたので久しぶりに小説を読んだ。
    グリコ・森永事件は自分が幼少の頃にリアルタイムに体験した事件でもあり、当時の自分の微かで断片的な記憶も思い出しながらで、大変面白く読めた。

    読み終わって幾分モヤモヤしたものが残るけれど、最近の自分は「小説は読んでいる時間そのものが面白ければいいのだ」と思う。


  • いよいよ日之出ビールに脅迫が…。
    続いて下巻へ。

    合田と加納の関係性にドキドキ。
    料理の描写と眼球のくだり…。

  • 日之出ビール社長誘拐事件のあと、犯人レディ・ジョーカーからの金銭の要求と受け渡しの指示など、今度は警察と企業と犯人の話になってくる。
    多くのしがらみにいまひとつ切れ味の悪い警察の対応。裏の裏を探ろうとする新聞社、企業の窮地で儲けようという金融屋たちなどが絡みに絡む。

    ※わかる人にはわかる話
     合田氏のH&M案件が顕著に。
     なんでこういうことになったのか。
     元々いかにもだけど(←)、そんなに必要な要素だろうか。

    でも相変わらずスピーディーで盛りだくさんな内容にあっという間に読み終わりました。

  • 複数巻の長編を平行に読破しよう月間。うーん、厚い本ばっかりだから、消化が遅くていかんな。

    「ジョー」と書かれているが、中巻。前作の犯人側(?)の視点から一転して、日の出ビール側を主として、新聞社と警察が描かれる。メインとなる事件の成り行きと、マスコミの内情、株などの色々な話題が、これでもかと詰め込まれているのもあり、それほど複雑な話でもないはずなのに読みにくい。失速というよりは、上巻同様に読ませる勢いは今ひとつ欠ける。

    上巻から読みにくいと感じていたのは3点。あちこちに視点を飛ばしすぎる。専門の話に説明が無く、業界スラングや専門用語をそのまま表記する。最後に、主語がなかったり、言葉を発した人間へのフォーカスがない。

    業界スラングなどは、作者の慣れなのか、資料を集めてきたときのそのままなのか知らないが、ちょっといただけない。

    宮部みゆきなどの、集めてきた資料列挙というスタイルではないが、女性作家ならではの不親切さは目につくものの、同じエピソードを繰り返し書いたりすることでフォローにはなっている。

    さて、「グリコ森永事件」を下敷きにした本作。グリコ森永を知っている人なら知っているようなエピソードが続き、「いつ囮が捕まるの?」「現金入りカバンを高速道から投げないの?」と、うがった読み方をしてしまっていけない。

    かなり事件に近い展開になっている点は、リアルなんだけど散漫で、普通の小説が都合が良すぎるのかもしれない。本作も、警察の部分は都合良すぎるが。

    そんな中、もう一つ気になるのが、架空の企業や車の名前などが投げやりで「毎日ビール」とかイカンやろ?出てくる名称が、中途半端に現実の他業種だったりするのは、読者を混乱させる。この辺は発想力がたりていない。そのくせ実在する企業や車種も出てくるんだからよくわからない。本作の一番いけてないところは「レディ・ジョーカー」というタイトルに有るのではないかと思い始めた。

    人物などの系統樹は長編ならではというか、破綻が少なく良く出来ているとは思う。都合が悪くなったら自殺させるのはどうかと思うけどね。

  • 合田の鋭い洞察力と能面な城山が面白い。息を詰める展開、忘れた頃に加納登場で脳内が緩む。合田も甘えてるよね(ごめん、腐読みで)。ここであんたまで?家族を守らないでどうするんだよ!と叫んだとこで続く。レディ・ジョーカー計画はすでに少しずつほころび始めているように見える。犯罪なのに成功して欲しいような犯人よりの気持ちになっている自分に気付く。

  • 中巻になってもテンション落ちないですね~、面白いです。相変わらず、読み進めるのになかなかの馬力が要りますが。まあでも面白けりゃ良しってもんです。さて、ここからクライマックスへ向け、どんな盛り上がりを見せるんでしょうか。ちょっと綻びが目立ち始めた「レディジョーカー」軍団、まんまとお縄になってしまうんでしょうか。

  • 犯人側の描写が一切出てこないです。気になる。

  • レディ~はとてもいろいろなことを
    詰め込んだ作品だと私は思っています
    そしてそれぞれの問題対して
    読者に疑問や疑念を投げかけてきます

  • 企業の論理、警察の論理、マスコミ(新聞)の論理が渦巻き息苦しくなってくる。そして、まだうっすらとしか見えない裏社会の論理、レディジョーカーの論理。
    複雑に絡み合ってて、重いですね。
    どういう決着を見るのか?

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レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)の作品紹介

城山は、五十六時間ぶりに解放された。だが、その眼は鉛色に沈んだままだ。レディ・ジョーカーを名乗る犯行グループが三百五十万キロリットルのビールを"人質"に取っているのだ。裏取引を懸念する捜査一課長に送り込まれた合田は、城山社長に影のごとく付き従う。事件が加速してゆく中、ふたりの新聞記者は二匹の猟犬と化して苦い臭跡を追う。-カオスに渦巻く男たちの思念。

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