マークスの山〈下〉 (新潮文庫)

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著者 : 高村薫
  • 新潮社 (2011年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347202

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マークスの山〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • WOWOWで観たドラマでは描かれなかった細部に関しては、なるほどこういう事だったのか〜!と思いながら読み進めた。

    上巻もそうだけれど、下巻も字数が多く(一行あたりの)て読むのは少し大変だったのは確かで(苦笑)途中、少しだけ中だるみした。
    それでも根気よく読んでいったら半分を過ぎたあたりから一気に物語が加速しだして、結末知っているのにのめり込んだし面白かった!

    にしても水沢の人生の報われなさと彼の末路には、寂しさと悲しみしか感じない。読み終えると、その人生の大半が暗い山と暗い影しかなかったんじゃないだろうか。
    唯一、高木真知子という存在がその暗い影の中を照らした一筋の光、温もりになっていたのかな?と本人に聞きたくてたまらないのである。

  • 警察側の犯人の追走の様子と事件の全容が見えてくる下巻。

    文章が硬質という評判だったので、読み始めるまではその文章が自分に合うか不安だったのですが、どうやら肌に合ったみたいです(笑)

    でも、かなり歯ごたえのある文章であることは間違いないです。結構読んだなあ、と思ってページ数を数えてみると思った以上にページ数が消化できてなくて驚く、ということが何度あったか(苦笑)

    犯人との追走劇は非常に読みごたえあり! それと同時に彼の脅迫のネタはなんだったのか、という謎の解決のために、脅迫の被害者と警察側である合田たちの対決の場面も読んでいて息が詰まる思いでした。それと同時に合田の過去の事件の捜査に対する遺恨の感情の描き方も巧い!

    ただ不満点もちらほら。犯人の半生や動機についてもっと詳しく書き込んでほしかったのと、具体的になぜ警察の上層部や、霞が関が捜査に圧力をかけたのかが描かれなかった点です。

    ただ高村さんの話だと、自身の書いている小説はミステリーではないと公言されているそうで、それを聞くと圧力のくだりは納得がいきます。たぶん高村さんは事件の全面解決より事件に関わることになった組織の人物を描きたかったのかなあ、と思います。そうだとすると確かに一刑事には圧力の根源まで遡るのは無理そうな感じもしますし、そういう個人の限界を書きたかったのかと思います。

    ラストもまた圧巻。合田が冬の山を登る描写なのですがその描き方が何とも素晴らしいの一言に尽きる!高村さんの筆力の高さを最後まで感じながら、読書を終えることになりました。

    第109回直木賞
    第12回日本冒険小説協会大賞
    1994年版このミステリーがすごい!1位

  • 水沢の尻ポケットに入っていた覚え書きに涙溢れる。

  • 勤務先の病院を出た高木真知子が拳銃で撃たれた!やがて明らかになってゆく、水沢裕之の孤独な半生。合田はかつて、強盗致傷事件を起こした彼と対面していたのだった。獣のように捜査網をすり抜ける水沢に、刑事たちは焦燥感を募らせる…。アイゼンの音。荒い息づかい。山岳サークルで五人の大学生によって結ばれた、グロテスクな盟約。山とは何だ―マークス、お前は誰だ?―。

  • 2016年10月27日読了

  • 上巻同様、難しい表現と人の名前が多くて読むのが大変だったけど、面白かった。

    真知子が撃たれるくだりは特によかった
    何でもない、ちょっと幸せな気持ちになってきた矢先の悲劇は印象が強く、拳銃で報復し、養父母を殺して逃げるあたりにタガが外れたようなところや、健忘症で精神異常者とは思えない行動が、彼の本当の悲しみや怒りや混乱が見えて面白かった。

    最後の遺書で真相を明らかにしたところは、ちょっと残念な気持ちになった
    すこっぷで殴り殺された人は結局なんだったんだ。。
    あの人もMARKSの犯行かと思ってた

    あと、水沢の犯行動機は浅野の家でみつけた遺書がきっかけのようだけど、実際に目撃したか巻き込まれたことを想像していたのでちょっぴり残念

    あまり1から10まで詳しく説明されるのも好きじゃないけど、ふわっとさせて読者に想像させるタイプの書き方は、結局どうなのか気になってモヤモヤしてしまう
    昔は想像するのが楽しかったのに、歳をとったなぁ

  • 上巻のレヴューにも記載しましたが
    私は髙村さんの書く「匂い」「感覚」のある風景を
    頭に思い起こすことが大好きです
    下巻では「感覚」のほうが味わえますね

  • 初めての高村薫さん。
    彼女の作品は『黄金を抱いて飛べ』や『地を這う虫』など、タイトルセンスがよく、ずっと気になっておりました。

    文庫版と単行本とで大分異なるという事ですが、
    今回は文庫本で読みました。

    個人的に、元々刑事ものやミステリーに関心が低く、
    読んだ当初は、文体の堅さや登場人物の多さもあり、読みにくく感じたものでした。

    ただ、後半に進むにつれ、どんどん惹き込まれてしまいました。
    水沢さんの描写には、三半規管を微かにやられるような…そんな感覚で、くらくらしました。
    とても好きな描写です。

    「生命の死こそここでは自然であり、生きている者こそ孤独だと会田は思った。」
    いくつか心を弾いた言葉がありましたが、
    この文章が、恐らく一番すきです。

    なんとなーく…気になった事としては。
    会田と元義兄の関係性ですね。
    彼らは、一体何で繋がれて、繋がっているのだろう?
    会田さんの奥底の心理描写含め、
    元義兄との心の部分がぼやかされている分、
    不思議な感じを受けました。

    心の大切な部分に近ければ近いほど、
    色々な意味で、表現は難しいですし、大切にしますよね。

    そういう事なのかなぁ…



    いつか、単行本を読みます。

  • 裕福な家の子供がある事件をきっかけに暗闇に落ちてしまう。
    刑事物とかサスペンスというより悲劇のドラマ。

  • ラスト4分の一の引き込み具合がすごい。

    遺書のあたりからどんどんスピードが早くなって早くなって早くなって、
    最後の山頂の場面がとても切ない。


    読み終えた瞬間はスッキリするんだけど
    よく考えると水沢の動機がはっきりしないままで不完全燃焼感。
    あと登場人物が覚えられなかったので上巻とか特に斜め読み。

  • 山にまつわる男の浪漫的なくだり、あまりよく理解出来なかったけれど、女性の高村薫はなんでこんなの書けるんだろうと不思議に思った。
    子宮と脳味噌が直結していると言われていたが、真知子と水沢の関係に泣いてしまった。

  • 上巻同様、とにかく読みにくい、、
    登場人物が多い上に、それぞれ本名と呼び名が混合してるので、
    誰が誰だか分からなくなり、途中でほんとに嫌になった。
    それでも、真相に近づくにつれ面白くなってきたのだが
    最後は自殺した人が残した告白書での謎解明。
    え?ここまで引っ張ってそんな終わりなの??とびっくり。
    さらに真犯人マークスが、なぜこの事件を知り
    こんなに綿密な犯行をすることが出来たのか?
    協力者がいたわけじゃないの?
    結局、二重人格者だったの?
    苦労して読んだ割にはモヤモヤの残る終わり方で
    なぜ人気があるのかさっぱり分からなかった。

  • ☆2.7
    大作、やっと読み終えた。
    感想はというと、うーん消化不良。
    なに一つ解決してないじゃん、これじゃあ。
    期待し過ぎたのかな。

  • 登場人物も多く、改行が少ないから、読み終わるまで時間がかかった。
    感想は、まぁまぁです。
    前半あった水沢の描写が後半はほとんどなく、水沢がどういう気持ちでラストをむかえたのか、彼が出てきた経緯もあいまいで、たまたま見つけたものかもしれないが、なぜああいう犯行をしようとしたのか。お金だけが目的?そのへんが分からなかった。
    でも、ドラマで見てみたいと思う。

  • 文庫本から読んでしまったのは失敗。読後、単行本の方がよいという情報を得て比較しながら読んでいるとそれを実感する。
    生硬な文章、というより手を入れすぎて分かりにくくなってしまった文章。主人公ほか登場人物の心情描写や状況説明が非常に独りよがりなものになってしまったきらいがある。
    また、冒頭に掲載されている地図も、本文と内容が一致しない省略のされ方をしていたり、単行本から読むことをおすすめする。内容的には魅力的なのだが、とにかく読みづらかった。

  • 三浦しをんさんのエッセイ読んでいたら、そういえば合田シリーズは人気高いようなのに読んでいない、と思い。

    上巻はじめの方の、マークスの精神異常っぷりから来る行動のおかしさを読んで、始めの感想が
    「これ、うちの親は嫌いなタイプの小説だわ」
    だったことに、自分でも驚いた。
    『黄金を抱いて翔べ』も、好みじゃなかったって言われたのが残っていたのかも知れない。
    そして、マークスという人物の設定に関しては、なんというか……この作品の登場人物たちが抱える業のせいか、誰も彼もが精神的におかしな箇所を抱えているような、通常ではない反応を返すので、苦手だった。
    ご都合ではなく、それだけみんな、山の秘密に歪められてしまっているのだろうけれど。

    私の理解の浅さで、警察内部の人間関係や足の引っ張り合いの泥臭い部分について、あっさり書かれていると、また彼らの考えている縄張りや自尊心や意地について読めなくて、難しかった。
    「確信犯」という単語が二回出てきたけれど、この単語を法的に正しい意味で用いている小説には初めて出会った気がする、というのが、素直に驚いたこと。

    救いもなく、人の業のぶつかりあいで終わって、なんともやり切れない。
    まち子がとても哀れな女に思えた。裕之が、最後に富士山を向いて、彼の心の中ではまち子と一緒に見ていたのだとしても。

    合田シリーズは私には向いていない。
    とは思うけれど、とにかく合田三部作らしい三冊だけは読んでみる。

    →画伯が、「単行本を読め!」と。
    単行本と文庫本は、リライトでまったく違うらしい。
    単行本の方が、「ハマりたてのわくわく感で突っ走る」ような感じで書かれていて、作りこみは文庫より粗いけれど、心情的にも表現的にも美しい。
    特にラストは、いいと。
    よ、読むのか……

  • ちょっと不完全燃焼感が残る。

  • 全ての伏線が回収されたと思えず、もやもやが残らないといえば嘘ですが、最終章の怒濤の展開は圧巻です。
    少々固い文体(私は好きです)も、ここまで読み進める価値があります。
    やはり推理小説ではありません。
    登場人物も多過ぎると思います。
    それでも楽しく読めました。
    合田警部補は他の本にも登場する様ですので、また読みたいと思います。

  • 終了日:2012・5・27、はんぱないなぁ、もう!
    えっ、合田が義兄に留守電入れるシーンなんてあったっけ!
    あんなファックスあったっけ?!
    あと、登山道具を取りに戻ってきて義兄と鉢合わせになるの。「一杯やろう」って、うわぁ!!!

    林原は何度読んでも忘れるんだが、あんな終わり方だっけ?
    佐伯もあんなあっさり死ぬんだっけ。佐伯宅に押し入らなかった?
    マークスは最後、看護婦の制服と、サンダルを持ってたんじゃなかったっけ?サンダルだけだっけ?
    (手元に文庫本と単行本が無いのが悔やまれる)
    そしてあのエンディング…警察、関係者になんのclosureも与えない、寄せ付けない、はねのける孤高の自然、そして孤独。でもこれほどまでに山の恐ろしさと美しさを感じさせるエンディングはあるだろうか。
    ハードカバー版の、奇声を上げたくなるような義兄とのやり取りをもう一度読みたい。あれはまた、講談社文庫版を先に読んだ身としては驚いた…
    でも講談社文庫版から今回の新潮文庫版への細かい修正は流石に覚えてないな。
    だがしかし、最高であることに変わりはない。

    結論:やっぱり文句なしに面白い。合田が若い。何度読んでも損なし。

  • もっとマークス視点で読みたかった。
    テーマや隠された秘密など、特に遺書が見つかるシーンなんかのハラハラ感は面白かったのですが、だからこそ終盤のマークス、あるいは裕之の心情がどんなものだったかを見たいと思いました。

  • 「李歐」から入って「黄金」と続いたので、警察サイドの話は新鮮。面白かった……が、やや不完全燃焼。はたして水沢の動機は?″福沢諭吉″を夢見たときに出会った『MARKS』が(脅しやすさに)標的になっただけ?ここははっきりさせてほしかったなあ。あとオチね。ラスト、水沢が死んだらまずいと騒いでいたのに、あのあと一課はどうなったんだろう。
    そして蛇足。例によって文庫落ちにあたり加筆修正の嵐だったようですが、加納さんの涙と事件後のエピソードを削ったのはえぐい。

  • 再々読了、やはり傑作。
    解説で「ドストエフスキーというよりバルザックあるいは藤村」なるほど。

    ラスト「天空に浮かぶ富士山一つの姿を、今、見ていた」

    作者はおそらくこの一文を目指して書き紡いだのでしょう。

  • 山とは何だ…。というのを私も考えさせられた。
    何者にも曝け出されることのない暗い山はこの世の中に頑然と存在する地下茎のなんたるかみたいなものを感じたが、明るい山もあってそれが同時に存在するのが人なんだろうと思ったりもしました。
    恐怖や麻痺と共にある至福感。
    なんでこんなやるせない気分になるんだろうか。
    唯一の救いとすれば、「可笑しいな。なんでこんなふうなんだろう」という元義兄弟の間柄だけど、登山靴を磨く加納に声をかけることで、最後なのではなくまた始めればいいのだという少しだけ前向きな感情を垣間みれた気がしました。

  • マークスの山 下巻に突入。
    謎は深まるばかりです(^^;;

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勤務先の病院を出た高木真知子が拳銃で撃たれた!やがて明らかになってゆく、水沢裕之の孤独な半生。合田はかつて、強盗致傷事件を起こした彼と対面していたのだった。獣のように捜査網をすり抜ける水沢に、刑事たちは焦燥感を募らせる…。アイゼンの音。荒い息づかい。山岳サークルで五人の大学生によって結ばれた、グロテスクな盟約。山とは何だ-マークス、お前は誰だ?-。

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