ブクログ大賞

晴子情歌〈上〉 (新潮文庫)

  • 176人登録
  • 3.51評価
    • (3)
    • (15)
    • (14)
    • (3)
    • (0)
  • 25レビュー
著者 : 高村薫
  • 新潮社 (2013年4月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347233

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
高村 薫
宮部 みゆき
高村 薫
有効な右矢印 無効な右矢印

晴子情歌〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 2016/11/11購入
    2017/5/13読了

  • 福澤彰之シリーズ1作目。合田シリーズよりミステリ度弱め文学度強め。旧仮名遣いが読みにくかったが良かった。以下に詳しい感想が有ります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/neta6706.html

  •  遠洋行業の漁師の彰之の元に届いた母の晴子からの手紙。手紙から語られる晴子の人生と彰之の生活が交互に語られる。

     高村さんが紡ぎあげる小説世界はやはり別格だなあ、と思います。

     旧字体で書かれた晴子からの膨大な手紙。そして、そこから語られる晴子の人生。弟や妹と見に行った海辺、春の田植え、親戚の結婚式、父親との関係性、鰊漁の様子、初恋、そして家族との別れ……

     旧字体という独特の書き方ながら、情景や当時の少女だった晴子の感性がそこに息づいているように感じられます。高村さんの筆に本当に晴子という女性が乗り移ったのではないか、と思わされるほどの圧倒的な筆力です。

     理解しやすい話というわけでもなく、読みやすい話というわけでもなく、正直自分も理解が追い付いているのかどうかよく分からないのですが、それでもこの小説には、どこか地平のかなたへ読者を連れて行ってしまうような可能性があるようにも思います。

     果たして下巻に自分がついていけるかどうか、不安でもありますが、根気強く読んでいこうと思います。

  • 圧倒的な物語世界だ。母から息子への手紙という形式で、母・晴子の生涯を映し出す。それは家族・血・地域の物語につながっていて、昭和史そのものにもなっている。
    タイトルか装丁が気に入らなかったのか、敬遠していた作品だったけど、文庫化されて読んでみて後悔爆発。合田シリーズってこともあって『太陽を曳く馬』を先に読んでしまったことだ。『晴子情歌』→『新・リヤ王』→『太陽を曳く馬』で読まなくちゃね。
    それにしても高村作品の登場人物って、みんな学歴に関係なく教養にあふれた人が多い。今作の晴子にしても、10代では、アンナ・カレーニナに自分の生き様を重ね合わせ、中年になってからはパートの昼休みに武田泰淳を読んだりする。小説とはいえ凄過ぎます。

  • (感想は下巻に書いてます)

  • 上下巻合わせてこちらに。

    キタ━(゚∀゚)━!
    めったに出ない五つ星評価ーーーーー!!!

    いやぁ、これはホントに凄かった。

    最初は勝手にサスペンス系かと思って読み始めたら、全然違って完全なる純文学。
    特に、何か事件が起こるわけでもなく、地味でホントに地味な作品なんだけども、飽きることなく最後までひっぱられて行った感じ。

    迫り来るリアリティが凄くて。
    読み始めた瞬間から情景が目の前に浮かびあがるかのよう。
    波の音や風の音、風景やその時の感触までが伝わってくる。
    純文学がこんなに面白いものだったなんて。
    そこらへんの小説のうわべだけのストーリーが面白い、と言うのとは全然違う体に直に感じるような、グッと迫ってくるような面白さ。重さ。辛さ。激しさ。痛さ。

    そして、なんて美しい日本語。それを教えてもらった作品でした。

    ただ、最後のまとめ方がよくわからなかった、と言うのはあるかな、、、ま、まとめるような作品じゃないのかもだけど、はっきりとおしまい!ってなるわけじゃないから、そこがちょっと引っかかる、と言うか、自分はちゃんと理解できているのだろうか、と言う気分にはなるw

    とにかく、これ、最後まで読めなかった人多いような気がする(汗)。
    読みきった自分への褒美(?)も込めて、★五つでwww

  • 文庫版再読。下巻参照。

  • 本書を通じて、谷川雁を知った。

  • 感想は下巻に

    歴史の本を片手に読むのも楽しいけど、それができたのは福澤シリーズの中では晴子情歌だけでした。
    まず昭和○年は西暦では?から始まり女学校は何歳からとかでは引っかかるのよ…

  • [17][130719] 高村薫を読むのはおそらく十年ぶりくらい。彰之視点の部分はいかにも高村薫的な青年の語り口で特に新鮮さは感じなかったが、晴子の手紙の部分には軽さがあって不思議と読むのが楽しい。

  • 最初の30ページが乗りきれればあとは大丈夫。
    文語体に慣れるとなんともいえない心地よさ。
    記憶のなかに連れていかれて味わう過ぎた時代の空気とか、景色とか、失われていくものとか、人の生き死にとか、生々しくて美しくてなんとも言えません。
    今までの高村薫と違う、と言えるような、だけどやっぱりどこまでも高村薫だなあというか。
    下巻楽しみ。

  • 数年前、読了までたどり着けなかった髙村本。今夏再挑戦で祝読了。いろいろ繋がって広がって納得。深淵で広大な髙村世界に埋没して至福のひととき。

  • (感想は下巻にまとめて書きます)

  • 挫折。まず文庫の文字の組みかたからして読みにくい。

  • 相変わらずの高村センセ節炸裂中。

  • 晴子は、漁師として遠洋の船に乗り込む息子・彰之に幾通もの長大な手紙をしたためる。
    自分の過去を振り返りながら、息子に何を伝えようというのか。

    旧仮名遣いで記された手紙から溢れる、昭和という時代、青森の自然、北海道の鰊漁の光景‥‥。どれもが、油絵のように重厚、そして壮大。
    高村薫の文章の持つ力にどんどん惹きこまれてゆき、深みにはまってゆけた上巻。

  • 晴子から息子、彰之へ宛てた長大な手紙が半分以上を占める作品。
    旧字体が読みにくいかなぁと少し不安だったが、読み始めると案外すっと読めた。
    個人的には余り歴史に詳しい訳ではなくピンと来ない部分も多々あったが、満州があった頃の日本で、これからの未来に対してどこかぼんやりと薄暗いようなものを感じた一部の人達のもやっとした感情が霧のように全体を覆っているような気がした。
    初山別の鰊漁の群来の描写が美しく、対比するような漁の肉感を伴うような生々しさが対照的だった。
    晴子の手紙から彰之の胸に去来する想いの行方はなんなのか…。

  • ※ミステリではない。
    息子に宛てた母の手紙と、息子の行動が交互に描かれた大河小説……になるんだろうか。
    母親の手紙が描き出す戦前〜戦中の東北の描写が読ませる。
    文中に出て来る数々の文学作品をチェックするのもなかなか楽しい作業。

  • 今回は大きな改稿は無し。でもいいのだ。
    何度でも読んじゃう。

    彰之にしろ、晴子にしろ、実際の言葉数は極々少ないのに、高村作品の今までにないくらい饒舌なキャラクターと感じられるのは、単に書簡という形式だけではない、自分の行動や思惑を逐一反芻して、語り手のみに独白する「私」や「自分」の為でしょうか。

    スパイもいなければ、テロリストもいない。もちろん暗い穴を抱えた殺人犯も、その穴を覗き込んで足下が覚束無くなる刑事も出てこない、「おとなしい」筋道ではあるのですが、手紙の中からたち現れる「晴子」にたびたび狼狽える彰之。表面上は社交的ながら、自分自身の異質さを何よりも確信して、他者を排しにかかる彰之。遙か彼方の海の藻屑と消えた従兄を潜在的に思い続ける彰之。
    全編通して身体的な動きの少ない彼の、ちょっとした所作の数々に、思わずにんまりしてしまうのは、やっぱり、高村さんの醍醐味だなぁと、思うのでありました。

    引き続き読むなら、「リア王」よりも、「太陽を曳く馬」をお勧めする、彰之びいきの私です。

  • 単行本で既読。

  • これまでの高村薫とは路線の異なる作品。はっきり言って、つまらない。晴子が息子の彰之に宛てた手紙と彰之の視点で展開されるブンガク的大河小説。

全25件中 1 - 25件を表示

晴子情歌〈上〉 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

晴子情歌〈上〉 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

晴子情歌〈上〉 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

晴子情歌〈上〉 (新潮文庫)の作品紹介

遠く離れた洋上にいる息子彰之へ届けられた母からの長大な手紙。そこには彼が見知らぬ、みずみずしい少女が息づいていた。本郷の下宿屋に生まれ、数奇な縁により青森で二百年続く政と商の家に嫁いだ晴子の人生は、近代日本の歩みそのものであり、彰之の祖父の文弱な純粋さと旧家の淫蕩な血を相克させながらの生もまた、余人にはない色彩を帯びている――。本邦に並ぶものなき、圧倒的な物語世界。

晴子情歌〈上〉 (新潮文庫)の単行本

ツイートする