ナイフ (新潮文庫)

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著者 : 重松清
  • 新潮社 (2000年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349138

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ナイフ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • テーマは「いじめ」
    読んでてちょっとしんどくなりましたが、
    それを乗り越えていく姿や行動には感嘆しましたね。

    今の時代はどうなんだろ。
    中学生の年代って難しいですよね。

  • H29.05.03 読了。

    一〜三編は「いじめ」のえぐさに引いてしまって、このまま読み進めるか、辞めるか悩んだ。

    結局、読み進めての四編「エビスくん」。
    この作品がめちゃくちゃ良かった。
    いじめの描写は正直、気持ちの良いものではないが、主人公ひろしの気持ちの強さ。
    うるうる来た。

    「ビタースイート・ホーム」もなかなか良かった。
    多分、いじめの要素があまりなかったからだと思う。

  • 重松清の文章に初めて触れたのは小中学校の国語で出題される問題文だったと思うが、そのどれもが家族や学校といった生きていく上で逃れられない社会でのコミュニケーションにおける問題を取り上げたもので、そこから抱く当事者性に強く引きつけられたと感じる。生々しい内容は心に晴れやかなものを残しはしないが、これこそ読者が求めているものなのだろう。ビタースィート・ホームで描かれるドライな教師像がかなりお気に入りだった。ドライにならなきゃやってられない今の教師の苦しみが込められていると思う。

    ”「でもなあ、親から自己満足を取っぱらっちまったら、子供を育てるなんてむなしいもんだぞ」”

  • いじめにあいながらも耐えて、どんどん強くなったと感じる物語があった。
    いじめがどんなものなのか、人にどう影響を与えるのかが分かるような作品だった。

  • いじめの描写が本当に生々しい。教室で嘔吐するシーンは、実際その場に居合わせてしまったような胸のつかえを覚えて今でも印象に残っている

  • またまたいじめの話題である。それぞれのストーリーはいじめられっこの過去と自分の子供の現在であったり、本人だったり、身近な立場だったりいろいろケースがある。現実世界でも自身がこれっていじめじゃない?と思うケースもあり、取引先、顧客、メンバー、上司、家庭内....
    そこに正義を振りかざして対応したら正義が勝つってわけでもなく、それが社会の構図だったり、「しょうがない」として受け入れていく、あるいは「どうしたらよいかわからない」として諦める。しかし、本書ではそこに解決策を見いだしているわけでもなく、「描ききっている」とでもいうのだろうか、「それでお前はどうする?」と事態を読者に突きつけ、宙に浮かんでいるような感じ。それで私はどうする?改めて会社社会やこども社会を心配しながら、正義ではない対処方法を探し続けていくのか?

  • いじめのはなし。苦しさが良く伝わってきた。せつない。

  • 5編からなる短編集。
    それぞれの短編は独立しており、一編は100頁前後の長さ。
    もっと早く読むつもりだったのが、この一冊を読むのに一週間近くかかってしまった。
    なぜか?
    イジメを描いたこの短編集、一編を読んだだけで気分がドヨ~ンと沈んでしまい、続けて次の物語を読む気力が削がれてしまったからだ。特に文庫本の最初の三篇は、胸が悪くなるようなイジメの描写だ。こんな内容のものを読んだら、続けて次の短編を読む気力が...。作者の重松さんとは同世代だけど、子供の心理、親の気持ち、痛いぐらいに描ききってるなぁ。

    自分が中高生の頃もイジメはあったけど、今時のイジメって、何なんだ?こんなに陰湿なん?
    自分らの頃と比べて、あまりの違いに憤りさえ憶える描写だ。

    ・ワニとハブとひょうたん池で
    私立の女子中学でのお話。ハブと言うのは、村八分から転じた言葉だ。周りから徹底的に無視されることなんだが、無視だけならまだしも執拗な嫌がらせ...。両親の前で健気に振舞う主人公と親の苦悩。読んでいて辛かったなぁ。独身の自分でさえこうなんだから、同じ年代の子供を持つ人が読んだら耐えられないんじゃないか...。

    ・ナイフ
    気の小さい男子中学生と臆病な父親。こちらもイジメの描写はキツかった。子供を守るために小さなナイフを握りしめる父親。自分だったら、相手を切り刻んでやるところだが...。この物語でも少年はイジメのことをハッキリと親に言わず、助けを求めていない。少年のこの時期に特有の「親が出てくるのことは何よりも恥ずかしいこと」という心理、よく分かる。分かるだけに読んでいて辛いのだが...。

    ・キャッチボール日和
    本書の中で一番のお気に入り。中学でイジめられているダイスケ。とうとう不登校になってしまう。だけど逃げる事を良しとしない父親。両方の気持ちが分かるんだよなぁ。ここに描かれているような超陰湿なイジメなんかされたら、誰だって不登校になるだろ。だけど、自分の息子には強くあって欲しいという父親の気持ち...。
    子供のためを思って教室に乗り込む父親、その前で嘔吐してしまうダイスケ...。幼馴染みの女子中学生の視点で語られていて、イジメを見ても傍観者で居ることに悩んでる心情もよく分かる。最後、この幼馴染みの行動は、エライ!って拍手したくなったな。

    ・エビスくん
    こちらは男子の小学生、ひろしのお話。ある日、エビス君が転校してきたが、理由もなくエビス君にイジメられるようになってしまう。しかし、ひろしは重い病気で入院している妹のために、ひたすら耐える。自分が耐えることで神様にご褒美がもらえると信じて...。五編の中で唯一のハッピーエンドと言える結末。

    ・ビタースィート・ホーム
    こちらは父親の目線でのお話。元高校教師の妻と小学生の娘、幼稚園に通う息子の四人家族。この物語の特徴は、教師VS保護者の構図だ。教育熱心な小学校の担任と、それに反発する母親たち。ここで出てくるような担任ってのは自分の時代にも居たし、教育熱心なのは分かるけど、評価は難しいよなぁ。ここに出てくるような母親たちも、まわりの同級生の母親連中の中に居たしなぁ。担任の言葉でこういうのがあった。
    「はっきり言って、親のエゴに振り回されるのって、もううんざりですよ。こんなの、いじめと同じじゃないですか」
    学校の先生も大変なんだな...。

    子供の居ない自分だけど、「へ~、そういうものなのかな?」って思った台詞。
    「息子の生まれた父親って、キャッチボールするのが夢だってよく言うだろ。俺みたいに昔野球をやってた奴じゃなくても、ぜったいにキャッチボールなんだよ。それ、なんでだと思う?」
    「さあ・・・」
    「キャッチボールは、向き合えるからだよ。そういうときでもないと、父親が息子の... 続きを読む

  • いじめ描写がキツイ。子を持つ親として色々考える。

  • 重松氏自身が「『エイジ』の片われ」のようなことを書いてたので、気になって読んでみた。
    いじめが題材の話が並ぶ短編集。理不尽で見ていられないような、けどリアルないじめの数々…。そう、いじめる側はいじめてる奴に死なれたりすることが怖いのですよ。
    どれも登場人物に共感できて良かった。特に表題作の「ナイフ」は、電車の中で読んで泣きそうやった。子を思う親心が…。子どもをいじめてる人間への対応って、ホント難しそうよね…。

  • どの話も各々の問題があって
    しかし実際どこかで誰かに起こっている現状で、
    痛々しい…というのはあまりにも
    第3者の無責任な言葉でしかなくて
    情けないやらなんやら

    当たり前だけれど
    答えは載っていなくて
    こうしたらいい、ああしたらいい、
    書いてあったらどんなにらくちんかー
    でも答えなんてなくて

    救われることもあるし、
    はたまたなんだか
    自分がその年齢で降り掛かっている問題だったら
    心の行き場がわけがわからなくて
    破りたくなってしまうことも
    あるんじゃないかなと思ったり

    もんやり…!

  • 中学生のころの推薦図書。
    いじめに関する短編集だけど、暴力シーンなどが苦手なほうなので、ややトラウマ

  • 子どものいじめ問題を取り上げた短編 半世紀前に遡ってみるといじめそのものは存在していたが、命に係わるような事態はなかったと思う 自分の子どもたち世代にも多少マスコミが取り上げていた記憶がある 3年もすれば、孫世代が当事者になる可能性がある(いじめる側かいじめられる側)子どもが親としてどう立ち向かうのか気になるところ

  • いじめの正しい解決方法はきっとないんじゃないかと思う。いじめられる側、親、友達、先生、あらゆる視点からいじめをみるが、やはり、子どもと大人の壁を感じる。そうじゃないんだよな、と思う気持ちも共感できる。しかし、もし自分の子どもがいじめを受けていたら自分はどうやって向き合うべきなのか、今はまだわからない。

  • ワニとハブとひょうたん池で
    ナイフ
    キャッチボール日和
    エビスくん
    ビタースイートホーム

  • 涙が止まらなかった。子供たちのイジメの話。でも、どうしても親目線で読んでしまう。親として、どう対応してあげられるのか。
    最後の、ビタースイートホームにも泣けた。
    後悔、葛藤。とても共感できた。もどかしくて涙が止まらなかった。

  • 読後の重苦しさとやりきれなさ。心情に理解できないことも多かった。読んで後悔。

  • 2015.12.20
    親として、教師として読んだ。描写がリアルすぎて目を背けたくなる事もあった。
    「ビタースイートホーム」の妻の言葉に救われた。

  • 第1話と3話が面白かったけど表題作が一番つまらなかった…第4話の先生は私の担任みたいです。

  • いじめを題材にした短編集。最初から4作目までは、いじめられているのは子供達で、その状況を、いじめられる当事者の視点、いじめにあっている子の父親の視点、幼馴染の視点、と切り替えて描かれる。最終話のみ、少し毛色の違う話。パッと見いじめと関係ないように思えるが、ある意味、登場人物の女性教師が生徒や親から不当に扱われて(いじめられて)いると本人は受け止めている、また子育てで妻が離職した夫婦のその後の葛藤する気持ちを描いており、いろいろと想像を膨らませられる作品。面白かった。

  • とってもおもーーーーーーい。
    でもこれは、どこにでもあることなんだろうな。
    わたしたちが見て見ぬふりしているだけで。

    わたしは、いじめの現場に遭遇しても、それがいじめだと認めて、一歩踏み出す勇気なんか、きっとない。きっと、わたしだってギャラリーだろう。無責任に同情するつもりもないし。そもそもいじめられている人の気持ちには、「つらい」「悲しい」「悔しい」…それ以上はどうやっても踏み込めない。
    そんな気持ちがわかるほど、わたしは強くないし経験値もない。
    こんなことはいじめが無くならないとやっぱり解決できないのかな、せめて好美ちゃんくらいのことができる人間ではありたいと思う。

  • いじめをテーマにした短編集。読んでいてとても不快でした。

  • 「いじめ」をテーマにした短編小説集。

    個人的には「ワニとハブとひょうたん池で」の「ワニはいる。ひょうたん池に、棲んでいる。元気だ。元気にみんなから嫌われながら生きている。うん」というところに何だろう、無意識に今の自分と重なったのか、凄くグッときた。

    自分で言うのもあれだけど、過去にいじめられていた身としては、自分のプライドだとか、親、先生らとの距離感だとか、色々共感出来る箇所が多々あって、正直昔を思い出して泣きそうになった。

    僕はこの小説はどちらかと言うと、いじめにあっている本人より、その周りの大人達、親や先生らに是非読んでもらいたいと思った。

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