ナイフ (新潮文庫)

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著者 : 重松清
  • 新潮社 (2000年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349138

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ナイフ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「いじめ」をテーマにした短編小説集。

    個人的には「ワニとハブとひょうたん池で」の「ワニはいる。ひょうたん池に、棲んでいる。元気だ。元気にみんなから嫌われながら生きている。うん」というところに何だろう、無意識に今の自分と重なったのか、凄くグッときた。

    自分で言うのもあれだけど、過去にいじめられていた身としては、自分のプライドだとか、親、先生らとの距離感だとか、色々共感出来る箇所が多々あって、正直昔を思い出して泣きそうになった。

    僕はこの小説はどちらかと言うと、いじめにあっている本人より、その周りの大人達、親や先生らに是非読んでもらいたいと思った。

  • 今も昔も人間の本質は変わらない。ハブられる、なんて使わなくなったかもしれないが、今でもきっと目の前でそんな光景は至るところにある。
    みんな弱くて、みんな強い。

  • 桜沢エリカの表紙にひかれ手にとり、何の気なしにレジへ持っていった。「重松清」という人がどんな作品を書くのかなんてまったく知らずに。家に帰って折り返しの著者略歴を読んだ。

    ・・・あちゃー。。。

    「現代の家族を描くことを大きなテーマとし」とあったのだ。「学校」「いじめ」「家族」がキーワードになっている作品はどうも敬遠してしまう。あまりにも予定調和的なイメージがまとわりついていて、読む前から一歩引いてしまうのだ。

    あろうことか、この短編集はそれらのキーワードが三役揃組で登場。むむむ。と思いつつも読み進んでいくにしたがって、「予定調和的」だったのは私の思考回路のほうだったということに気づかされる。

    子供の世界は残酷である。これまた使い古された言い回しだけれど、残酷なのは彼らのやっている行為そのものではなくて、それが「日常」だということ。しかし、その「日常」を生き抜いているのも彼ら自身なわけで。そういった彼らの強さやしたたかさがとてもリアルに描かれている。

    おすすめの一篇は「エビスくん」かなぁ。一人称で語られる関西弁がいい。

  • 10年前に読了。でも今でも十分通用する内容。
    いじめられるということ‥学校へ行けなくなるということ‥
    その当事者に寄せる重松さんの目線がやさしい。
    実際に子ども達と会話を積み重ねてきたんだろうな、
    と感じさせるリアル感。
    立場の弱者に向けられる作者の温かい姿勢に救われます。
    こんな作家がいてもいい。

    坪田譲治文学賞受賞。

  • 友達に借りて読んだのだけれど、すごく心にきました。
    自分の学校は田舎だからこういうことないけれどすごく共感できるところがたくさんあって嗚呼と思いました。
    何でかわからないけれど、えびすくんの途中で泣き出してしましました(´・ω・`)

  • 中学生の頃に読みましたが、テーマが少々重く、その分印象に残っています。

  • あまりに重くて、苦しい。
    でも読む手が止まらなかったです

  • 重松作品の最初の作品。

  • 途中でいじめ描写がきつすぎて読み勧めるのにかおをしかめてしまうところがあった

  • いじめの描写がつらすぎて読んでてとても心が痛みます。やりすぎなのではないかと思えるぐらいです。しかしこれは必要なことだと思います。『エビスくん』は泣きながら読みました。読んだ後不思議な感覚を味わいました。すがすがしいだけじゃない、哀しいだけじゃない、心に残る作品です。

  • 読んでいると自分がいじめられているような気持になって苦しくなります。

  • 初めて読んだ時のことを
    今でも覚えているくらい
    心に残る一冊、、、
    初めて読んだのは中学生の頃。

  • いじめはゲームなのか?
    いじめられる人間のプライドとは何か?

    本書は、いじめを題材にした短編集だが、本書中の幾つかの作品でいじめをゲームととらえている。これは当然著者の考えでなく、多くのいじめの現場でそのように表現されてきたのだろう。しかしプレイステーションやDSで敵を倒す感覚で、現実の人間に(見えない)刃を向けたり傷つけるとしたら、狂気の沙汰ではないか。

    いじめられる側は自身のプライドのためにいじめ続けられる。肉体的にも精神的にも性的にもズタズタにいじめぬかれて、それでいて両親や先生に訴えることが出来ないプライドとはなんであろう?
    いじめられる側の心理には、プライドという言葉では片付けられない更に複雑な葛藤があり、その上でいじめ続けられる理由があるように思う。
    いじめる側、いじめられる側の心理を十分に掘り下げないままに、プライドという言葉をゲームの対句に使ってしまっい、それぞれの作品が中途半端に軽くなってしまっているように感じた。

    いじめは重松氏が重点を置くテーマだけに、更に深く掘り下げてほしいと思う。

  • 『わたしはわたしをハブに出来ない。わたしがわたしをハブにしたら、わたしが終わる』

    いじめがテーマの短編集。
    ほんとにリアル。
    悲しくて苦しくて、でもその最後のプライドも理解できる。
    全体的に最後は前向きな感じで終わるので
    まだ救いがあるから読みやすかったけど、
    現実にはハッピーエンドばかりじゃないもんね。

    表題作ではナイフを隠し持っている
    サラリーマンの心理が描かれてたけど妙に納得してしまった。
    本当にこんな気持ちで
    ナイフを隠し持っている人が
    結構いるんじゃないかとまで思ってしまった。

    いじめって本当にばかばかしいけど、ばかにできない。
    心に闇が住み着きそうになったとき、
    読んでみてほしい話です

  • とても心にずしーんと響く本でした。

    5話の短編集なのですが、どれも、いじめなどの話で、
    とても暗い本でした。
    ただ、ラストをバットエンドで終わらさず、
    かといって、ハッピーエンドでもおわらせないところが、
    気に入りました。

  • 5編の物語をおさめたこの一冊。
    最初から読んでいって3作、どんどんと気持ちが重くなる。想像しただけで目を背けたくなるような学校での悲しくて切なくて、子どもだからこその残酷な凄惨ないじめ。これが一昔前の小説の単なる描写ではなく、きっと現代の現実にも、もしかしたらさらに”進化”してしまったいじめが存在するのではないだろうか。そう思いながら読むと、背筋が寒くなるような、そして気持ちが重くずっしりと沈んでいく。
    ただ、「いじめ」を中心に描いているが、それだけではないのが重松。それぞれの物語において「両親」と「子ども」の心情が浮かび上がってくる。特に父親像。自分の子は強い。そう思いたいのが父親のこころだと思うが、現実にはそうばかりはいかない。自分が思うより子は弱いのである。それを受け入れられない父親と、受け入れられず苦しむ子ども。しかし、その両者が少しだけ歩み寄ることができる、その余韻を示すことで、物語の読後感は光射すものとなる。救いようがある。
    前3作は同じパターンで描かれているが、4作目「エビスくん」は異なるベクトルから異なる目標にアプローチしている。それは「友達」。転校生にいじめられながらも、もともとの友達に見捨てられながらも、友情を探って葛藤する。しかしながら舞台設定が田舎なことも相まって、徹底的ないじめというよりはそこに達しきれないやさしさが垣間見えることも事実。その優しさは主人公の生き方からにじみ出るものかもしれないが、それが徐々に波及していくような感覚さえ感じられる。そしていじめっ子だった転校生が転校していくときも、最後はいいやつになって消える。すてきな物語ではないか。良い悪いがあっても、数十年後、笑って思い出して、心底懐かしむことができるような過去になっていれば、それはそれでいい。
    5作目「ビタースウィート・ホーム」はまた異なる。今度は父親と母親と学校の先生。父親と母親の間には仕事と人生を天秤にかけた過去への葛藤、母親と先生の間には(元)同業だからこそ感じる指導への葛藤。物事・人生の選択について、「本当にこれでよかったのか」という思いが、物語を通して投げかけられている。人生にたらればはない。何が正しいか間違っているか、その選択を迫られたときに、間違ってはいない。ただ正しい2つを両方ともとることはできない、ということへの後悔を軸にして、物語が深みを持つ。
    痛々しい中に光を見つける3作は、漆黒の暗闇だからこそ差し込む一筋の光がまばゆいばかりに輝き、たとえそれがか細いひかりでも見つけやすい。一方で4作目は暗かったり光ったりが明滅する中で、重松があとがきで言うように「相棒」の可能性を示唆する一作。5作目はどの家族にもある人生の中の選択、その選択の消化法と、現代で言うと誰もが”モンスターペアレント”になりえる、その出来事を通して子育てと選択してきた人生の肯定化を目指している。
    エビスくんは、わたしにとっても”いっとう好きな”物語である。

  • 最近いじめ問題がまた取り上げられはじめました。意図せず買ったのですが、いじめに関連する短編集でした。ただ、やっぱり重松作品、暗く陰湿な物語ではなく、弱いなかにもある隠れた強さが引きだだれる物語など読んでて心が温かくなる物語がイッパイです。いいおっさんが電車で号泣しそうになった(汗)

  • 初版は今から十年以上前。
    なのに、まるで未来予想図と言わんばかりの現在の状況は何だ。
    重松作品には、恐ろしいまでのリアリティがある。
    いじめを題材にした五つの短編。
    いじめを題材にしているけれど、その根にあるテーマは、家族。
    12年前、親になる以前の私なら、どう読んだかな。さらに12年前、登場人物達と同世代だった私なら、どう感じたかな。
    現在の私には、ひたすらに重く、目を背けたくなるような描写もあった。
    もし、これが自分の子供達に起こったら…。
    恐ろしくて、恐ろしくて、想像しただけで体調を崩しそうな、救いのないいじめ描写は流石です。
    ハッピーエンドなんて、いじめには存在しない。
    都合の良い結末など、期待するほうが間違ってるのかも知れません。

  • 予備校生のときに初めて読んだ重松清。
    表紙を見てなんとなく手に取ったが、その内容に衝撃を受けた。人生観が変わったといっても大袈裟ではないくらいに。
    救いの無いような絶望的な状況の中にも、最後はほんの少し光を見せてくれる。
    そんな重松さんの優しさに惹かれます。

  • 読めば読むほどブルーになる。
    元気な時にしか読んだらだめねー

  • 「エイジ」の次に読もうと思ったものの、なかなか読み進められなかった。胸がむかむかしてくるというか・・・気分が乗らなくなり、長く読めないのだ。娘から「じゃぁ、読まなきゃいいじゃん!」と言われたけれど、「もしかしたら次はこうじゃないかも」と淡い期待を抱きつつ、読む、そしてやはり落ち込む。
    本当にこういうことって起こっているの?でも起こっているのかもしれない、と自問自答が続く。誰か知ってたら教えてください。こういうことなの、子どものイジメって。
    作者のあとがきを読んだら、少しだけ救われた。長く生きているとそういうこと、ありますよねと、うなずきたくなったから。私も「エビスくん」が好きだ。ちょっと切なすぎて悲しいけれど、大人になってこういう話ができるって、いいんだもん。
    心の中がジメジメして悲しすぎたけれど、また、重松作品を読んでいる。

  • 苦しくて最後まで読めず

    いつかは最後まで読む。

  • 「イジメ」を題材にした短編集。

    第三者からみてイジメとひとくくりにされる事でも
    こんなにも状況も感情も違う。
    それぞれをリアルに描ききられている。

    特に「ワニとハブとひょうたん池で」には感服した。
    私立中学の女子校で“何となく”ハブはが行われる。
    鬱鬱する日常・怠惰に対する怒りをぶつけれる為、
    きっかけが掴めれば対象は誰でもいい。
    飽きたらまた次の標的に簡単に変り、
    ハブはいつもの友達に戻る。

    これ、そのまんま私の中学時代と同じだった。
    学校の設定やハブる側・ハブられる側の心内まで
    当時の私と少しもブレていない。

    「思春期の女子のみ」という特異な場所での
    暴力や金銭強請とはまた違うイジメに対して
    年代・性別も違う作者がここまで”勘違い”の無い描き方を
    出来てしまうのかとその想像力や調査に驚かされる。

    その他も、『学校』から離れて数年の私ですら恐怖を感じたし、
    読むのを中断してしまいたい位の苦しい展開もあったけれど
    最後にふっと沸く救いを信じて読み進めました。

    「エビス」に登場する戎くんが、
    暴力や無茶を許される事で友情を図る様な、
    そんな行為も端からは「イジメ」に見える。

    線引きは曖昧そう、でも結局は
    受ける方の捕らえ方で引くべき境界線なんだろうな・・・。

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