ビタミンF (新潮文庫)

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著者 : 重松清
  • 新潮社 (2003年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349152

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ビタミンF (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • おすすめしてくださった方曰く、噛みしめて読んで、と。
    噛みしめる前に、深く響いてくる物語。

    この世代のフツーの男性、家庭を持ったお父さんたちの日常の中の心の機微を通じて、家庭って?家族ってとひっきりなしに問いかけられる。
    主人公に移入するのはもちろんだけれど、彼らの子ども、昔の恋人、同僚など十人十色の境遇にも思いを馳せる。
    そして、もちろん配偶者にも・・。その立場だったら・・・想像すると苦しいような楽しいような・・。
    このままでも日々は波風たてずに続いていくけれど、もっと・・・という想いがリンクする。

    果たして家庭は帰るところなんだろうか。
    それともそこを基地として出ていく所なのだろうか。

  • いやぁ〜うまいな。
    最近、人気の女流作家の短編をたて続けて読んだが、短編ではまだまだ重松清や浅田次郎には遠く及ばないのを感じた。
    大きな感動を期待した人には物足りないかもしれないが、子を育て成長させた親の目でみると身につまされる思いががあふれでた。
    特にセッちゃんは秀逸。いじめに対して、小説や映画のようにはスパッと解決することができず無力な自分を感じながらも、たとえ迷信でもそれにすがってでも子供の側に立っていようという親心は泣かせる。親世代のみならず子供世代にもお勧めの一冊。

  • 図書館で借りた本。
    さすが直木賞。さすが重松清さん。
    特に4話目の「セッちゃん」、予感はあったのに、薄々感じていたはずなのに、途中からべそをかきながら読んでしまいました。
    加奈子ちゃんのことも、架空のセッちゃんのことも抱きしめてあげたかった。

  • 父目線でみた7つの家族の話、テーマはFamily Father Friend Fight Fragile Future、セッちゃんは泣ける…泣いた。

  • たった10年まえの小説だけど、古い、あるいは懐かしい、と感じてしまった。10年くらい前は自分も社会も、これらの問題にはこういう感覚で臨んでたよな、という感じ。問題は今もなくなっていないけど、今はこういうアプローチではない気がする。時間が経っただけなのか、きっかけがあったのか。きっかけがあったとすれば、震災かも知れない、と思った。それはこの本が時代の空気をきちんと閉じ込めている証拠でもある。
    この作者の本をたくさん読んでいるわけではないけど、基本的にはテクニックの人なのかな、と思います。ということで、文体や感情表現ではなく筋書きに凝った「なぎさホテルにて」「かさぶたまぶた」が気に入りました。

  • 家族って血が繋がっていても、世代が異なる人間で構成されているだけに、色々な歪みを抱えていることが当たり前なんだと思えた。

  • あと1ヵ月程で37歳になる。
    独身だが。

    重松先生の作品は何冊か読んでいる。
    毎回書店で「次はどれを読もうか」と思案する。
    あらすじを読むと、どれも魅力的だから本当に困る。

    今回も迷った末、
    「直木賞受賞作」というフレーズに「お墨付き」をいただいたような気分になりチョイス。

    7編とも面白く、自分と同世代の「おとうさん」視点で物語が進む。

    個人的に心震わされたのは「セッちゃん」。
    読み手もすぐに「もしかしてセッちゃんて・・・」て気づくのだが、
    そこからがまたもどかしくやりきれない。

    重松作品の真骨頂ともいえる
    結局のところ解決には至らないのだが、希望とまではいかなくとも何らかの「光」は差す
    まさにそんな作品。

    「なぎさホテルにて」
    少しロマンティックな香のする作品。
    主人公が望む結末、読み手が望む結末、書き手が望む結末
    それぞれが違うと思うし、そこに落とし所が見えないスリルがあった。
    結果として読み手(自分)が望む結末ではなかったが、
    これはこれで良かったと思う。
    主人公の妻に対する不満理由がイマイチ弱い(分かり辛い)気がする。

    「母帰る」
    向田邦子のような匂いがした。

    本書は重松作品初心者向けだと思う。
    短編で読みやすいし、不幸はあっても絶望的な不幸ではない。
    そして必ず「光」は差す。

    最初の重松作品にいかが?

  • 「成長してきた息子や娘と、老いてゆく親の双方にはさまれ、妻との関係も若い頃のようにはかみあわなくなっている彼らは、とつぜん、自分の居場所はほんとうにここでいいのか、と自問するようになる」
    と、堀江敏幸氏の解説にはある。
    まさに僕自身と重なるところだし、だからこそ、この本全体が自分のことのように思えた。
    話のそれぞれで起きた事件が、スカッと明快に解決するわけではない。ただ、人生にはそういうことの方が多くて、明快に解決しないまま、中途半端な僕たちは、それでも生きていかねばならないのである……。

  • 父親目線の短編小説。どれも話が終わると、いい意味で胸がきゅうってしめつけられる。私のお父さんも、こんな風に思ってたのかなとか、父親って実際は母親よりも強くなくて、不器用だけど一家の柱じゃなきゃいけなくて、苦悩するその生き様がすごく切ないし、私は好き。この小説大好き。

  • 重松さんなので読んでみた作品

    30~40代の父として生きる男性を主人公にした短編集
    思春期の子どもを持つお父さんってこんな感じなのかな…と自分の学生時代を思い出しながら読みました
    多分学生時代に読んでてもあまり響かなかったかも
    親側の気持ちが分かる歳だからじんわり心に響く

  • 私にとって家族とは何だろう?
    父親って何だろう?

    私の『家族』は一般の『家族』とは異なると思っていた。
    他の『家族』が羨ましくって、
    他の『父親』が羨ましくって・・・。
    父親の気持ちなんかこれっぽっちもわからないし、
    身近にいるのが当たり前すぎて、
    ありがたみなんて、ちっともわからないし。

    何かあるたびに、卑屈になって生きてきた。
    だけど、
    この本を読んでわかった。
    父親が亡くなって、
    弟は新たな家庭を持って、
    バラバラになっていく私の『家族』
    当たり前の事が無くなるのは、
    自分の体に流れる血液が、神経が、細胞が、機能しないのと同じくらいの辛さなんだ。
    重いけど、そういう事なんだな。
    そんな、欠如だらけの私の体を潤してくれる、栄養素・・・。
    それが、『ビタミンF』なんだな。

    私を潤してくれて、ありがとう

  • 『四十回のまばたき』の直後に読んだので、そこから8年と考えると、この変遷がオモシロイ。
    駅前にロータリーのあるニュータウン、その舞台をもっとも活かす作家の一人だと思う。

  • ほんとにフィクションなんだろうか。
    過去を取り戻してもくれないし、問題を解決してくれる訳でもない。
    でも、最後にちょっとしたきっかけや希望をくれる。
    ときどき、痛くなる。だからいいのかもしれない。

    中途半端なオヤジの年齢になった頃にまた読みたいと思う。

  • 日曜日に外で楽しそうに過ごしている家族を見ると、幸せそうだなーって思うけど、その笑顔の下には色んな思いがあるんだなあ・・
    子供の頃、大人は何でも知ってるし、何でもできるし最強だと思ってたけど、そんな風に装うのが上手になってしまっただけで、自分に言い聞かせて我慢したり、苦悩したり、後悔したり、何が正しいのか分からなくなったりする。

    子供は「もしも」を楽しく使える。大人は逆だ。「もしも」の後にはろくな言葉がつかない。-この辺の件はグサッときた

  • いろんな家族の話がつまった短編集。

    ここのところ連続で
    重松さんの家族の話を読んでいるせいか、


    子どもがいじめられたら、親としてどうしよう。

    娘が学生で妊娠したら、親としてどうしよう。

    子どもが実は家族にストレスを感じていたら、親としてどうしよう。

    親が熟年離婚とかしたら、子どもとしてどうしよう。


    など
    不安なことばっか想像してしまうw

    幸せな結婚生活を夢見る一方、現実がのしかかるw


    でも、実際こういうことがあるかもしれない。


    -----------------------------------------------


    重松さんの作品は、

    こんな問題が起こったときどうしようっていう
    解決策は書いていない。

    問題と向き合って、必ず解決するわけじゃないんだけど、

    『一歩前に踏み出す』
    っていう、勇気を与えてくれる物語で。


    実際子どもが同じようになって、
    この本がお手本となって。。
    とかは、ない気がする。


    主人公と自分が違う人なのだから、あたりまえ。


    でも、この本のおかげで、希望がもてる。



    そうやって、生きていく日々があるんだ。

    でも、それが家族で、案外幸せなんだ。

    家族を築いてから
    気づかせてくれることが多い作品だろうなぁと感じます。

  • 面白かったです。
    主人公たちと自分の境遇は全く違うんですが、たまに自分が考えていることが文章になったようでした。
    疲れきってる時に読むと、元気になれるか、よりげっそりするかのどっちかな気がしますが、
    元気な時なら年齢も性別もを選ばず楽しめる本だと思います。

  • ビタミンにFなんてあったっけと思いながら、重松清の直木賞作ということで読んでみました。
    リアルです。親父たちの心境が怖いくらいリアルです。この弱さや情けなさ、わずかに見える男らしさがまさにオヤジって感じです。自分は妻も子もいませんが、妙に共感できます。現実の問題や鬱憤から過去を振り返って、溜息まじりに四苦八苦するような話が多いです。ここに出てくるオヤジたちは決して褒められた人間とは言えないかもしれないけれど、彼らもなりたくてそうなったわけではないということが、今の自分にはよくわかります。
    家族について悩んだり、真剣に考えたことがある人にとってはまさにビタミン剤になりうる話だと思います。
    どの話も続きを残していますが、エレファントカシマシの歌詞じゃないけど、「さあがんばろうぜ」というようなメッセージが溢れている。わかりやすくて凄く素直に伝わってきました。

    重松作品は読みだすと止まりませんね。

  • ビタミンA,B,C,D,Eとは異なる、体ではなく心に効くビタミンF。
    今まで、読んだ重松さんの作品の中で1番に面白かった。
    重松さんが得意とする父と子のテーマにした作品。

    7つの短編で、それぞれ1つのちょっと歯車の狂った家族について書かれています。
    どの作品も読み進めるにつれて暗い気持ちになり、結局最後の最後でも狂った歯車は治されない。でも、ちょっとだけ、ほんの少しだけ治る気配が感じられ、解決されないのに不思議とちょっと心温まる。

  • 直木賞受賞作


    全7編の短編集。
    「セッちゃん」が特に好き。

    基本的に暗い。だがそこが良い。
    天気の良い朝、昼は読みたくない。

    これぞ重松清!
    といった本なので、まだ重松作品を読んだことがない人はこの本を読んでみると良いかも。

    個人的には「きよしこ」という本が重松作品の中で一番好き。

    5月12日 読了

  • みんな頑張ってるんだな・・・って素直に励まされる話。反抗期の自分がお父さんを悩ませただろうと思う。大人がこんなことで悩んだりくじけたりしていること、若い時は気づかないけど、今なら少し先の自分の姿を具体的に想像できる。あと5年後に読んだらもっと心にしみる本かもしれない。

  • 30代〜40代の人を主人公に、その人の日常を描いた短編集。

    家庭への欲求や教育への興味が強いので、
    10〜20年後の自分や自分の親などと重ね合わせながら読んでいた。

    4作目に収録されている「セッちゃん」は特にインパクト大。
    子どものことをちゃんと理解できるのか、そしてちゃんと子どもと向き合って育てていけるのかを改めて考えさせられるような作品。
    でもどれだけ子どものことを理解するのが難しくても、「家庭」という場所がちゃんと子どもにとって安心していられるような場であるように、
    そんな「家庭」を築ける人間になりたいなとは思う。

    重松清はこれが初めての作品だったが、日常生活における人々の心理描写のうまさに感心。
    あまり普段表現できない(しない)ような人の内面や性格を言葉巧みに表現していて、
    それが自分とあてはまったりすると、思わず苦笑してしまう。

    短編であそこまでの読後感を出せるのは本当にすごい作家だと思う。

  • 考えさせられる内容。
    う〜む。

    もう少し年齢重ねてから読むともっと実感があるかも。

  • 家族の良さを感じさせてくれる本。

  • 「流しても、いじめ、止まんないよ?そんなに現実、甘くないもん」

    重松本は途中でホントに苦しくなるから読みたくない。
    でも、yomyomに載ってたのは1編だけだったから読んでこれた。
    でも、せっかく持ってるんだから読みたいな。と思い直してやっと読んだ1冊。
    読み出したら止まらない、苦しくて辛いけれどそれでも暖かな光を射してくれる短編集。
    「セッちゃん」は涙が落ちたし、「渚ホテル」はなんだかやきもきした。「ゲンコツ」では少し笑わせてくれて「母帰る」では家族って何だろうって考えた。
    そんなたくさんの気持ちを抱かせてくれる1冊。こういう気持ちを持たせてくれるって分かってるから、また果敢に重松本に挑戦していこう!

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