きよしこ (新潮文庫)

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著者 : 重松清
  • 新潮社 (2005年6月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349176

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きよしこ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 吃音の悩みを抱える少年の成長の物語。おそらく重松清自身を主人公にしたのだろうと推測する。自分のコンプレクスに真正面から向き合って書くことは、そうとう辛かったろうと思う。平易な言葉で感情を正しく伝える文章に二度三度涙がこぼれそうになった。中でもゲルマの章は対人関係の難しい思春期を見事に描ききっている。抑制の効いた表現で書かれているのは、重松と同様に吃音で悩む子供たちに向けての配慮だろう。愛を感じる小説だった。中学受験の国語の読解問題によく出るというのも納得できる。

  • 15年前に発行された本。既にレビューが膨大な数なのでメモ程度に。
    ・吃音を持つ筆者の自伝的な小説、らしい(Google先生で確認)
    ・最初は、ちょっと凝った設定なのか?実話なのか?、と。
    ・身近に吃音の人がたまたまいなかったので実感が湧かないが、だからこそ "ああ、そうなんだ" と思えた。
    ・吃音という一種の問題点をカバーする為に、別の能力が発達する実例の1つ、とも言えるのかな。
    ・特に何の問題も無く、だからこそボーッと生きていく人生の方が多いのだろうな、と(俺もそうだ)。

  • 重松清の最高の一冊。子どもの頃言葉にできなかった、あの感情はこれだったかと、1つ1つに頷きたくなる。君だけじゃない、って言ってくれてるみたいで救われるお話がいっぱい詰まってます。

  • 本当は障害もの、好きじゃないの。私。
    だから、パラリンピックも実は苦手。
    差別意識と言われればそれまでなんだけど、
    自分の中では逆で地続きで彼らを見ようとしているのに、障害にフォーカスされることで、その地平が揺らぐというか…
    ともかく、あんまり好きなジャンルじゃないんだけど、長男が「良かったよ。これ。」と又貸ししてくれたから、まぁ、1,2話読んどくか…程度のノリだったんだけど、つい最後まで読んじゃった。
    最初と最後の語り掛けがあるから、「障害もの」って感じがしなくて、ちょっとぐっと来た。

  • 吃音症で自分の言いたいことをうまく言えない男の子の物語
    とても静かで優しい雰囲気の小説だった。
    言いたいことをズバズバ口に出してしまう自分としてはもう少し穏やかに生きていこうかなと思った。

  • 吃音持ちの男の子が、大人になっていく話。暖かくて、とても重松清らしい。

  • 吃音のこと、分かっていたようで
    全然分かってなかったんだなあと思いました。
    心が締め付けられて、でと同時に優しくてあったかいお話でした。
    好きだなあ、重松作品。
    さいごのあさのさんの解説もよかった。

  • 柔らかくてあったかい本。
    描かれてない部分はたくさんあると思うけど少年は人から愛される素敵なところがたくさんある人なんだろうな。周りに居る人、みんなが素直で優しくて読んでいてよかったなあと思った。でもそれは少年がそういう視点を持っていたということもあるとおもう。言いたいことをちゃんと伝えられなかったけれど最後は一人で東京に向かう姿は本当にかっこいい。
    人は支えられて、支えてだから生きてこれるんだなあと思いました。
    ちゃんと伝えたい気持ちがあれば、思いは伝わるよ。

  • もっと早く読めばよかった。これはすごい。電車の中で30代のおっさんが3.4回泣いてしまった。

  • 吃音がない人でも、きよし少年が生きていくなかで重ねてきた、「大切なことが言えなかった」後悔には感じ入ることだろう。
    ここで語られるのは、誰しもが経験した「個人的な話」なんだ。

  • 少年とは違うが自分の気持ちを他人に伝えるのがとても苦手。言葉がつっかえるのではなく言葉を選ぶのに時間ばかり掛かってしまい結局何も伝えられなくて‘もういいや’になってしまう。つっかえない言葉を探して選ぶという少年と似ているのかもしれない。両方とも障害なのかはわからないけれど。
    少年は言葉につっかえながらも同じセミナーに通っていた加藤君やおっちゃん、石橋先生、ゲルマ、大野君、ワッチ。理解してくれる人や想い出がたくさん出来た。重松さんにはかけがえのない人や想い出があっていいなと、少年と重松さんを重ねて読みながら思った。今から昔、伝えられなかった言葉を伝えたいとは思わないが。
    物語の前後に書かれていた手紙が好き。

  • どもり(吃音)というハンディキャップを抱えた主人公。多くの人が出来るどもらずに話すことが出来ないのは障害なのか? 人それぞれ特徴の一つ、個性の一つと考えて、誰かに何か言われても、笑われても気にするなよという励ましは、吃音という障害がない人間の奢りなのか?
    どもりのある主人公きよしは、悩み、苦しみ人前で喋ることに苦痛を覚え、どもりの出ない言葉への置き換えをしながら会話する。治療合宿での講話で、辛いでしょう、苦しいでしょう、でも気にする必要はない、笑う奴がいれば放っておけばいいと知った風に励ますお偉いさんに強い憤りを感じてキレるシーンにはっと気付かされた。僕も同じような励ましをしてしまうかも知れないけどそれは上っ面の言葉なんだろう。どもりはどもり、触れないでなく、特別扱いするでもなく、自然に普通に変わらず接すること、ドングリのおっちゃんは、そういう接し方が自然に出来る人だった。だからきよしと心が通じあったのだと思う。そういう接し方が自然に出来るようになれるといいと思う。

  • ズドンと来た。名作。何度も読むだろうし妻や子供にも読ませたい。解説も良い。

  • 良かった
    出会えて良かったと思える文句なし五つ星といいたくなる、わたしの好みにはどんぴしゃの本でした

    なんというか、感動した、なんて簡単な言葉で表現したくないのです
    苦しくて、切なくて、嬉しくて、ひきこまれて、考えて、胸がぎゅーっとなって、足をばたばた、目をきょろきょろそわそわ、涙が堪えられない、でも激しいものではなくじんわり
    そんな感じで電車の中でなんども困りました

    あさのさんも書いてたけどほんとにかっこいい、ほんとにきよしっていう人が堪らなく愛おしい

    印象的なシーンがたくさんある、ほんとに重松さんってすごいんだなって感心したのです

    私もうまく話せるタイプではないのです
    一緒にするのは違うかもしれないけどすごく伝わってきました
    でも本当に伝えたいことは伝わるんだって信じてます私も。ありがとう。

    なんだかんだ少年は周りから好かれてるって思った
    でもそれはきっと闘い続けてるからなんだろうな
    そして辛さを知ってるから本当の意味で優しくて深みのある人間で
    だからそれって伝えなくても伝わってるんですよね
    それは全体を通して感じた
    すごいなぁ
    夢中でした

    私が好きなのはゲルマかな、、
    ゲルマのキャラが好き。でも最後がさみしかった
    この話の中では結構1番くらいさみしい話かなと思う

    交差点だっけ?大野くんの話もすき

    北風ぴゅう太のラストは格別
    先生素敵な人だったなぁ。頬が冷たくなった、泣けるよ、、

    ドングリのおっちゃんも泣ける
    ええやんけだっけ?歌。あー、胸がしめつけられる笑

    吃音セミナーの話もすごく突き刺さった
    少年が怒って机を持ち上げたシーンすごくすごく心がざわざわして、ぐっと拳を握りしめた、そうだよ、本当にそうだよって思った

    はじめのクリスマスの話は辛くてすごい泣いたけどすごい救われたな、、

    最後のはなしは
    とにかくかっこいいんだ

    やっぱりどれかなんて選べない
    ぜんぶ良かった
    ぜんぶ大切でおもしろかった
    ずっと忘れたくないなって思った

    子供ができたら絶対子供に読んでほしいなって思う

  • 作者が吃音だったからこそ、書けた作品 父の仕事の都合で、小学校時代に5回の転校 人格形成に重要な時期に負荷が大きい

  • 実家にあったのを持って帰ってきたもの。

    吃音で転校が多い少年の成長物語。
    転校が多い、っていうだけでも、友達が欲しい、友達と一緒にいたい、という欲求は強いだろうな。
    そのうえ、吃音というハンデを背負っていたら、友達と話したい、遊びたい、でもうまくできない、という気持ちは切ないほど苦しいものだろうな、と思った。

    作り話ではあるけれど、子育て中の身としては、こんなに子どもは周りのことを分かっているのか、と愕然とした。
    子どもの前で無神経に発した一言、ふるまいをこんなにも子どもは低年齢のうちから理解して、苦しんだり悲しんだりしているのか、と親視点で読んで思った。
    言語障害のある子どものサマーキャンプの描写なんかは胸に突き刺さるものがあった。

  • 言葉が思い通りに出ないという経験は、誰しも経験があるだろうけれど、でもほんとうに出したい思いが吐き出せない、つっかえて出てこないというのは吃音の人にしか分からない。ほんとに、そうだと思う。
    この本の主人公は最後、自分の言いたいことを分かってくれる女の子に出会うけれど、それじゃだめだと、言いたいことを誤魔化したままじゃだめだと自分の進みたい道を決める。

    主人公の少年は何度も転校を重ねるけれど、先々のエピソードもとても印象深くてまた読み返したくなった。

  • 吃音の少年が引越や成長と共に、嫌で嫌で仕方ない自分のコンプレックスと向き合っていく。引越の度に少年が出会う人々は少年を卑屈にさせたり楽にさせたり。人と違う個性(コンプレックス)を色眼鏡で見て「障害者」というレッテルを貼ること事態が差別なのでは?吃音であることをなんてことないと接してくれる人が少年を強くしてきたと思う。自分のコンプレックスと戦い続ける人は自分というものがあって、人に優しく出来るのかもしれない。

  • 転勤の多いこどもの設定に、同じ状況だった自分が感情移入して読んだ。現在は親の立場でもあるので、こどもを伸び伸びと育てるためのヒントみたいなものを得られたような気がする

  • 吃音について何も知らなかったけど、この本を読んで興味を持った。
    また支援する人間の身勝手さについても痛いほど学んだ。
    吃音なんかに負けるなっていう大人に限ってすらすら話す。
    戦ったこともない人間が、簡単に「なんか」とか言うな。
    このメッセージだけは一生忘れちゃいけない。

  •  重松清氏の自伝的(?)短篇集です。

     一人の男の子が成長していく様子を、印象的な短篇で切り取り描いています。吃音で話すのが苦手な少年の微妙な心を写した7つの物語がアルバムのように一冊の本に綴られています。

     この物語のストーリーは多分に創作でしょうが、細かな感情の描写は作者の実体験そのものなのかなあと思います。

     あとがきを含め、作者が主人公に向けるまなざしの優しさに心を打たれます。

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きよしこ (新潮文庫)の作品紹介

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっと-。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。

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