- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101349176
感想・レビュー・書評
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2023.6.9 読了 ☆8.2/10.0
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著者の作品は結構たくさん読んでいます。最近読んだのは「疾走」です。私の持っている著者の作品のイメージと全く違う作品でした。「きよしこ」は、これぞ重松清と言う作品です。毎回思うことですが、著者は、どうしてこんなに少年少女の気持ちを巧みに表現できるのでしょうか。この作品は、著者の経験も含まれてるのかなあと思ったりします。同時にNHKでドラマ化されたものも観ました。これも素晴らしい。千原せいじさんの演技、よかったなあ。
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yhyby940さん、はじめまして。
いいねをありがとうございます!
私もドラマ観ましたよ。千原せいじさん、とても良かった!同感です!
重松...yhyby940さん、はじめまして。
いいねをありがとうございます!
私もドラマ観ましたよ。千原せいじさん、とても良かった!同感です!
重松清さん、本当に少年少女たちの気持ちを巧みに表現しますよね。
ノスタルジックな気持ちになって切なくなってしまいます。
今の子どもたちにもたくさん読んでもらいたいです。
これからもよろしくお願いします。2021/09/23 -
コメント、ありがとうございます。本当に読んで欲しいですね。子供たちやお父さん・お母さん・教職の皆さん。よろしくお願いします。コメント、ありがとうございます。本当に読んで欲しいですね。子供たちやお父さん・お母さん・教職の皆さん。よろしくお願いします。2021/09/23
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牧師にオススメされて購入。
(一緒に青い鳥も)
初めの方を読むだけで私の情緒に触れるからなかなか読めずにいたけれど、半年たってようやく決意。
一気に読んだ。
重松清さんにどハマり。
私の感情が全てストーリーの中に持っていかれて、私は少年を見ていた。今の自分と照らし合わせて。また、少し個性の強い息子の子育てを思い出して。
少年と一緒に泣いて怒った。
その少年がある少年を心から応援する。
正直に。
世間は厳しい。子どもは残酷。
大人は何も分かってないけどね。 -
子供に重松清さんの本をすすめようかと思い、まずは自分で読んでみた。吃音の少年。表現としては出ていなくても、頭の中ではいろんなことを考えている。言葉が出ないとはどういうことなのか。どんな風に考えて言葉を飲み込んでしまうのか。子育て中の今読んでよかった。
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「きよしこ」
吃音の少年が青年から大人の入口まで成長していく様子を描いた作品
物語は淡々と日常を等身大のままに、飾らずストレートに描写している。
タイトルにもなっている「きよしこ」
でも作中、きよしこは殆ど現れない…
それはきよしこがいなくても、少しずつ自分で考えて、自分の気持ちと向き合って、人とどう関わるかを模索出来るようになったから…
「抱きついたり手をつないだりしてれば、伝えることはできるんだ。それが、君のほんとうに伝えたいことだったら…伝わるよ、きっと」
「ひとりぼっちのひとなんて、世の中に誰もいない。抱きつきたい相手や手をつなぎたい相手はどこかに必ずいるし、抱きしめてくれるひとや手をつなぎ返してくれるひとも、この世界のどこかに、絶対にいるんだ」
きよしこの言葉を胸に少年が少しずつ大人になっていく。
吃音と度重なる転校を経験した分、人の傷みにも敏感に気付けるし、不器用でも真っ直ぐに伝えたいことを伝えられる。
ピュアで傷付きやすいのに思いやりがあって、少しずつ成長して生きて行く様が、なんだか切なくて嬉しくて…
飾り気もなくて、派手さもない。
でもただただ、温かい血の通った作品で感動した。
やっぱり重松清さんの作品は深い。
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吃音で転勤族の少年きよしのお話。
小学校から高3まで。
吃音の人が身の回りにいないので知らなかったけど、苦手な行が同じ吃音の人同士でも違ったり、同じ言葉でも状況により言いやすかったり言いにくかったりするのだな。
小学校あたりでは特に珍しがられて、悪意のないからかいの対象になってしまうだろうなと容易に想像できる。
自己紹介が苦手なのに転校続きで気の毒…と思いつつも、当の本人は「かわいそう」と思われることが一番嫌な様子。私も無自覚にナルチョのようにしてしまいそう。
少年が徐々に変わってくるのは「どんぐりのココロ」で出てくるおっちゃんに出会えた辺りだと思う。
クラスに馴染めなくて、放課後学校で野球をしてくると嘘をついて出かけた先の神社で出会った酔っぱらいのおっちゃん。どもっても「ええやんけ」と軽く言ってくれる存在。私も何かあったら「ええやんけぇは、ええやんけぇ、えーやんけーぇっ」と歌いたい。笑
作文の得意な少年が、小6で担任の先生からクラス劇の台本作成を任されて、最後には無事に先生を巻き込んで終えられたシーンが一番良かったな。
元々できている集団の中に一人だけ新しく加わるというのは、大人でもとても心もとない思いをするもの。それだけに、自分がされたようにするのではなく、大野くんに優しくしてあげた成長したきよしに天晴れと言いたくなった。 -
娘が読んでいたので懐かしく再読。子どもを育ててるタイミングだからか、子どもの視点だけではなく大人の視点と交互で読んでしまった。「あの時の自分」を思い出しながら子育てしないといけないな、と気が付かされる。
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吃音と共に育った作者の少年時代を描いた自叙伝と言っても良い作品。主人公の少年の辛さが痛いほど伝わってくるが、一方ではどうしてそこで勇気が出せないのかと思わず言ってしまいそうなもどかしい気持ちにさせられる。引っ込み思案の少年だが、周りの助けてくれる友人たちや先生、親からの支えにより段々と逞しくなっていく姿が嬉しい。
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吃音に関しては子供の頃、当時TVドラマを放映していた「裸の大将」の物まねをすると、親からやめなさいと結構きつく怒られたのを憶えています。
赤面や吃音は自分ではどうしようも無いのに、色々人から言われたら居たたまれないと思います。
主人公「きよし」くんは吃音に悩む小学生。転校も多くて毎回毎回人間関係に振り回されています。人と話すのが苦手でつっかえると分かっている言葉を避けて、本当の気持ちを口から出すことが出来ない。しかし文章は大の得意で毎回作文で賞を取っています。
重松清本人を投影した男の子で、決して強い子ではないのだけれど、自分の心と向き合う勇気を少しづつ獲得していく姿にジンとします。
小学生低学年から高校卒業までを連作で書いていき、少しづつ親との関係性や吃音との付き合い方にも変化が出てきます。子どものころはからかいの対象だったのが、大きくなるにつれ憐みの対象になって、表立った突っ込みを受けなくなるところは非常によく描かれています。子どもの頃の残酷さと、大人になってからの無言の視線。どちらも嫌なものであります。
やはり重松清さんは心の柔らかい所を的確に突いてきます。教科書に頻繁に乗るくらい誰からも支持されるがゆえに、わざわざ手に取らない方向になってしまいそうですが、読むと毎回毎回感動させられてしまいます。