きよしこ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349176

感想・レビュー・書評

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  • 小学校の頃の同級生を思い出した。
    どうして言葉を発しないんだろうと不思議だった。
    お話したらいいのになと思っていた。

    ああそういうことだったのかもしれないと。今更。
    私は何も知らなかった。

    今どうしているだろう。
    あの頃に戻れたら、
    やり直したいことがたくさんある。

  • 幼い頃に私にも「きよしこ」のような存在が居たことを思い出しました。
    親にも言えない(というか、子どもの語彙力で発散できない)事を共有できる心の拠り所。

    主人公きよしは成長するにつれ、きよしこを頼ることなく自分の力で生きていくことを身につけていきます。

    「ゲルマ」に出てくるゲルマがどうしようもない奴で切なくなりました。

  • 「青い鳥」のあとがきで知った本。作者自身の少年時代の回想録でしょうか。同じ体験はしていないのに、なぜだか懐かしく切なくなりました。「本当に伝えたいことなら伝わるよ、きっと」きよしこも、青い鳥の村内先生も言ってましたね。きよしの場合は吃音で伝えづらさがありましたが、吃音があってもなくても本当に伝えたいことを伝えるのは大変ですよね。なんだかうまくまとまりませんが、行ったことのない地方を懐かしく感じました。

  • 重松 清 著
    プロローグが物語に入りやすく興味を引く文章から始まり
    それは 吃音で悩む小学校時代のきよし少年の お話に展開してゆく…。カ行が上手く喋れず 名前も上手く言える自信がなく転校の多い少年にとって 最初の紹介からキツく辛い気持ちが分かった。 小学校時代は悪気なく 吃音だけでなくても 何かヘマをしたか 体型や顔や事あるごとにイジメの対象にされいびられる 小学生によくあるような「イチビリ」って奴が結構いたような…まだまだ 意地悪する子供って小心者なんだなぁと今なら思えるけど、イジメられる立場にある子供にとっては純粋な思春期だからこそ辛く堪えているしかなく しかも…
    大人になっても 苛められた子供にはその影がまとわりついてるのに 意外と苛めた子は忘れてる事が多いのに 本当に驚く瞬間があった。(私自身は小学生時代は正義感に溢れ強かったから 意地悪や苛めをする子供に堂々と闘ってたが、中学校になり 静かになってしまった)中学校時代になると苛めが暗い形で表れる気がする 苛め自体を無視して見てても見なかったような…苛められている子供だけが心身ともに傷つく。私は「悪気はない」って言葉が嫌いだ !小学生時代ならまだしも許される言葉でも(小学生が使ってたらまた問題だが…)大人になって 相手に酷いことをしても「悪気はなかった」って言葉で済まそうとするなら まだ、悪気があってやってしまって心から反省して謝る方がマシだって気がするほどだ。悪気はなかったんだって言葉で許されない事もある。話は外れてしまったが…小さな事でも恥ずかしく感じたり傷つきやすい時代を大人になると その感情すら忘れてしまいがちだが いつの時代になっても問題はあり 傷つきながらも自分で越えなけれいけない壁があると思う。大切なことは伝えたい思いがしっかりあれば伝わることも きっとあると思う。プロローグ「それがほんとうに伝えたいことだったら…伝わるよ、きっと」
    ゆっくりと話してくれればいい。君の話す最初の言葉がどんなにつっかえても、ぼくはそれを、「ぼくの心の扉を叩くノックの音だと思って、君のお話が始まるのをじっと待つことにするから」 私自身 本当にそんな人間でいれたらいいなぁと痛感しました。

  • 吃音の少年のお話。少し苦しくてとってもあったかい。重松さん、子どもの心情を描くの本当に上手。あの頃わからないなりに考えてた世の中の難しさとか、わだかまりとか、やりきれなさ悔しさ嬉しさ、全部思い出しちゃう。
    きよしの周りは優しい人が多かったけど、現実は優しいばかりではなくて、それでもきよしの根が優しいから、苦しさをたくさん体験してる分優しいから、いろんなこと諦めてきたから優しいのか、わかんないけど、きよしの視点が優しいから全編通してあったかかった。
    「乗り換え案内」が一番好き。

  • 思ってた内容と違いました。
    主人公は吃音に悩まされ成長していきますが、もう全然、誰とも関われずに生きていて最後に…ってゆう内容だと勝手に思い込んでいたので、主人公は何だかんだ成長とともに上手に人間関係も作れていたので、私の感動が減ってしまいました。

  • 吃音の少年を主人公にしており、期待して本を手に取った。読んでみると、重松清の他の作品ほどの感動はなかった。吃音というが不思議な病気で、言いたい言葉を口に出せない辛さが伝わってくるが、もう少し話に緩急があればよかった。しかし、吃音を知るきっかけとなったのでこの本に感謝したい。

  • きよしの少年時代のお話。吃音や5回の転校、いろんな環境に揉まれながら成長していく話。
    吃音のない人間は、「吃音なんかに負けないで」「間違えたっていいじゃない」「恥ずかしくなんてないよ、笑われたっていいんだ」と励ますつもりで言ってしまいそうになる。分かったつもりで、分かってなかったなぁ。と反省。

  • 中学校に入学したてのときに先生に勧められて読んだ本。
    表現とかは分かりやすかったけど、正直主人公の気持ちは私にははかりしれなかった。
    今読んだらまた読後の気持ちも変わるかも。

  • 吃音の少年。転校のたびに自己紹介できよしのキに悩まされる。言いたい言葉を言える言葉に変える毎日。言いたいことを伝えられないもどかしさ。

著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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