小さき者へ (新潮文庫)

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著者 : 重松清
  • 新潮社 (2006年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349183

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小さき者へ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 表題作、小さき者へがとくに響いた。
    こういうことあっただろうな。
    私にどれくらいのお金と時間を使ったんだろう。

    そろそろ心配ばっかりかけてないで恩返ししたいんだけどな。

  • 六編の小説の中でも団旗を持つコワモテお父さんの話、ビートルズを初めて聴いた14歳の息子とお父さんの話が特に良かった。リボルバーはわたしも大好きなアルバムでますます身近に感じられたのかも。

  • この人はどうしてこんなにも家族や父親を書くのがうまいんだろう。うまく言葉にできない人の弱いところを書くのがうまいんだろう。胸がきゅぅと締め付けられて切なくなる。久々に読むとやっぱり重松清の小説はいいなと思った。2011/407

  • 父親目線で子どもと、そして家族に向き合う短編6作。

    「海まで」家族で故郷の母の元に一泊の帰省する。屈託のない次男と感情表現が不器用な長男。
    「フイッチのイッチ」転校生の山野朋美。両親の離婚で苗字が変ったばかり。片親ベテランの僕は今でも時々父に会うのだが。
    「小さき者へ」部屋に引き篭もりを始めた息子がビートルズのアルバムを買ってきた。父は宛てのない手紙を書き綴る。自分のビートルズの思い出とともに。
    「団旗はためくもとに」お父さんは応援団長。一所懸命頑張ってる者にしかエールは送らない。私は学校を辞めてどうしたいのだろう。
    「青あざのトナカイ」脱サラして商店街にピザ屋をオープンしたが、経営が行き詰まり閉店に。心が閉店するまでどれくらいかかるだろうか。
    「三月行進曲」少年野球の監督の僕が、卒業を目の前にした3人の子どもと甲子園へ向かう。

    結局結論の出ていない話が多いのだが、人生の実際はたいてい結論はでなくて区切りがあるだけ。抱えている問題が多ければ多いほど。
    またいつか読み返したい、そんな作品です。

  • 大人と小人、親と子供。子供は親の気持ちが分からない(分かっていたとしても素直にはなれない)、親も子供の気持ちを分かってあげられない。誰でも昔は子供だったのに。
    坂道のように不安定な人生が、そのまま語られている。答えを示さないところが、この小説のいいところかも。

  • 図書館では本を返して、それと交換のように予約本を借りることが多いけれど、本の確保や回送のタイミングで、本を返しても出てくる本がなく、貸出カードにちょっとスキマができるときがある。

    月曜も、あると思った本がなかったので、ちょっと本棚をぶらぶらした。なんか小説を借りよっかなーと、小説の棚へ行き、重松清の単行本はたくさんあったものの、やたら厚い本が多かったので(重そう…)と敬遠し、文庫棚を見ていると、この『小さき者へ』があった。抜いて、裏表紙の紹介をちらっと見ると「お父さんが…「家族」と「父親」を問う全六篇」とあり、『かあちゃん』読んだとこやしなー、父ちゃんを読んでみるかなと借りてきた。

    表題作で、息子に出せない(出さない?)手紙を夜な夜な書き続ける父親は「来年四十歳になる」。三九歳で十四の中二の息子がいる、それは十分ありうることだと頭ではよくわかるが、すでに不惑を迎えている自分は(うわあ)とちょっとびっくりする。

    もう20年くらい前、ご年輩の女性たちに話を伺う仕事をしていた頃に聞いた話の断片を今もときどき思い出す。ある女性は、子どもをもつことで、親はいつか、子どもに頭を下げるのだと言っていた。子どもに頭を下げるために子どもをもつわけではないだろうが、親は子どもに教えられて、誤りを認めるときがくる、というような話だった。

    20代の半ばころからだったか、ずっと、うっとうしいほどだった親が、小さく感じられるようになった。親のようにはなりたくない、と頑固なほどに思っていたのは、それとともに少しずつほどけ、なんやかや言っても親に似ている部分を自分のなかにみつけて、そうはなりたくなかったような、しかたないかと思うような気持ちを感じるようになった。

    親のほうはどうだろうかと思う。
    母にはもう訊けないが、子どもという自分とは別の人間を、どこかで自分の思うようにしたかったのではないかと、今も父の中にはたまに感じて、それをたたきのめしたいほどの気持ちに駆られる自分もいる。

    文庫の巻末には、華恵が書いた「小さき者から」という解説が収められている。「徹底的に壊れた女の子の姿を、いつか描いて欲しい」と三年前の日付で華恵が書いている。

    重松清がいつかそういう話を書いたら、それはぜひ読んでみたい。

  • オイラはファザコンだ。向こうはオイラのこと、大嫌いだけど。だから、重松清の小説に無条件で弱い。親父と息子の関係に幻想を持っているんだと思う。不器用でカッコ悪くても自分を守ってくれる存在だ。その想いは実の親父には伝わらないけど。反抗期にきちんと済ませておかなかったせいで、もはやきっかけを失っている。
    「団旗はためくもとに」の美奈子が羨ましい。

    「お前、本気で高校やめて美容師になるんだったら、お父さんときっちり喧嘩してからやめろ。いいな。おまえが『やっぱり学校やめないから』って言うまで、お父さん、もう口きかないからな。それでも、どうしてもやめるんだったら、やめろ」

    この言葉、好きだ。まっすぐなんだよな、お父さんも、
    美奈子も。いまになって思うけど、大人になったからといって、強くてたくましくて頼りがいがある人になるわけじゃない。大人だって、負けたり落ち込んだり泣いたりしてる。カッコなんかつけなくても、家族はそんなことはお見通しだ。それが互いに伝え合うことができるかどうかは別だけど。だから「小さき者へ」でお父さんが俊介に出せない手紙をかいているのは切ない。

  • 短編集。「海まで」「フイッチのイッチ」「小さき者へ」「団旗はためくもとに」「青あざのトナカイ」「三月行進曲」。なんともいえないリアリティがあり、読後感は痛い(ただし、悪い意味ではない。)。見たくない現実を突きつけられているように思えるからだろう。特に、父娘関係の描写が…。もし再読するならば、心が凹んでいない時に読みたい。

  • 1つ1つのお話が、小さき者へのエールだと感じた。
    何かが大きく変わるわけでもなく、現状維持の話もあるが、どこにでもいそうな小さき者と大人の話。

    なのにも関わらず、身近に感じるような引き込まれる内容は、さすが重松清だと思う。

    個人的には、引きこもりの少年の話と応援団の父の話は、どこにでもあるような話で、親近感があった。

  • 父親の立場で父親の立場からの小説を読みました。そのため、共感できるところとイライラするところがはっきりとわかりました。男なら少しはこういうところがあるかなと思うところもあったり、これはないわなあ~と思ったり。自分の感情と向き合いつつ読み続けた小説です。
    父親ってこういうものかなと知るのにはいい本だと思います。

  • 重松さんの小説は読みやすい文章で、それでもって身近な話題なのでそれはもう心にぐさりとささったりうぐっとなったり何らかのダメージを受けます。
    なので読むときは、「読むか…!」と挑む感じになります。
    学生のときに読んで、大人になった今読んだらどんな気持ちだったかな。

    お父さんへの教科書(?)みたいだなあ。

    解説、華恵さんというのも素敵でした!

  • 小さき者へ
    ひきこもった息子、そして息子がどんな思いでいるのか理解することが難しい父親の心境。身近で、今のお父さんはこんな心境なのかなと思ったり、子育てってとても大変で良かれと思ったことが良いとは限らないこと、何が起きるかわからないこと、結局、この話ではハッピーエンドでは終わらなかったけど、まだまだ長い人生、少しずつでも向き合っていかなきゃいけないんだなと思った この本を読んでいて思ったのは、やっぱり私は他の人よりも家族。というものに対するコンプレっクス?こだわり?があるんだなと改めて感じた

    団旗はためく下に
    好きなお話。 いきなり高校を辞めると言い出した主人公。しかも、なんとなく。という理由で。最初は幼くて何も周り見えてなくて、今もかもしれないけど、少し前の私を見ているみたいで、苦手な子だった。けど、その子もその子なりにずっと考えていた。お父さんの押忍の心、とても素晴らしいと思った。人生負けたり後悔ばかりだと思うけど、前を向き続けたいな。自分で選んだ自分の道を歩き続けたい。

  • 色々なタイプの「親と子」の形を綴った短編集。どの短編も『子を想う不器用な親』と『不器用な親だとわかりながらもなかなか受け入れられない子』の「複雑な親子関係」のリアルな姿が見事に描写されてます。自分の思春期時代のことを思い出してみると、正にここに出てくる親子の「子」だったなーと、妙な共感が生まれる一方で、自分も2人の子供を持つ親になった現在の立場からしてみると、近い将来この話に出てくるような不器用な親にきっとなるんだろうなーと思ったり。
    までも、どんな不器用な親でも子を想わない親はいないっつうことで、不器用なりに子供には愛情を伝えて行きたいと思うのでした。

  • 父ではない私。父の気持ちを理解したい私。いろんなケースが短編小説になっているので面白い。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    お父さんが初めてビートルズを聴いたのは、今のおまえと同じ歳―十四歳、中学二年生の時だった。いつも爪を噛み、顔はにきびだらけで、わかったふりをするおとなが許せなかった。どうしてそれを忘れていたのだろう。お父さんがやるべきこと、やってはならないことの答えは、こんなに身近にあったのに…心を閉ざした息子に語りかける表題作ほか、「家族」と「父親」を問う全六篇。

    【キーワード】
    文庫・短編集・家族・父親


    ++1

  • 20150426
    団旗はためくもとに
    三月行進曲
    が、いい。

  • 子供の頃は大人は何故分かってくれないと思い、大人になって子供は何故分かってくれないと思う。
    それがいつの間に切り替わるのか、はっと気づいた時にだって仕方ないよなと思う自分にまた大人になったと気づかされる。

  • 生きる上で遭遇するかもしれない、「人生の坂道」を描いた作品。

    両親が離婚した子ども。
    引きこもりの息子を抱えるお父さん。
    古い考えを持つお父さんと合わない娘。
    経営が上手くいかなかったお父さん。
    ホントは息子が欲しかったお父さん。


    皆それぞれに思い悩み、坂道の途中で足を止めてしまうことがあると思う。

    大人には大人の苦しみ、子どもには子どもの苦しみがある。理解したくっても、お互いに相手の苦しみを分かち合うことはなかなかできない。

    何ができるだろうと思った。私に何ができるのかな。
    そんな中、心に残った台詞が一つ。

    「応援するって言うのは『がんばれ、がんばれ』って言うことだけじゃないの。『ここにオレたちがいるぞ、おまえは一人ぼっちじゃないぞ』って教えてあげることなの。…」


    「大丈夫」「そばにいるから」。
    坂道の途中で躓いて転んだときには、そんな風に見守ってやれる大人になりたい。
    そして、苦しみながらも出した次の一歩は、下るにせよ上るにせよ、その先の道へ続くと信じたい。

  • 「父親と子」「父親と家族」を描いた短編集。

    家族なのに、親子なのに、なぜか真っ直ぐぶつかり合えないもどかしさが描かれています。

    一番印象的なのは『海まで』

    大人しくて内気な長男と、自由奔放な次男。
    僕だって、まだまだちっちゃな子供でいたいのに、もっともっと無邪気でいたいのに、弟が生まれたからって、勝手にお兄ちゃんにされて、みんな弟をかわいがって。という、そんな文章はどこにもないけど、でも、長男君の気持ちが身に沁みてよく分かる。そんな気がします。

    「親」という立場で読んでも「子」という立場で読んでも、どこかしら何か必ず共感できる思いが、この物語の中には綴ってあるような、そんな内容の一冊です。

  • フイッチのイッチ等父と子、家族の話

  • 配置場所:広呉文庫本
    資料ID:93066098
    請求記号:080||SH||S

  • 重松作品にハズレなし。

  • 基本は父と家族の物語の短編集ですが、この人はほんとに心理描写がうまい。あるあるこういうことっていう記述が多いです。

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