小さき者へ (新潮文庫)

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著者 : 重松清
  • 新潮社 (2006年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349183

小さき者へ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 表題作、小さき者へがとくに響いた。
    こういうことあっただろうな。
    私にどれくらいのお金と時間を使ったんだろう。

    そろそろ心配ばっかりかけてないで恩返ししたいんだけどな。

  • オイラはファザコンだ。向こうはオイラのこと、大嫌いだけど。だから、重松清の小説に無条件で弱い。親父と息子の関係に幻想を持っているんだと思う。不器用でカッコ悪くても自分を守ってくれる存在だ。その想いは実の親父には伝わらないけど。反抗期にきちんと済ませておかなかったせいで、もはやきっかけを失っている。
    「団旗はためくもとに」の美奈子が羨ましい。

    「お前、本気で高校やめて美容師になるんだったら、お父さんときっちり喧嘩してからやめろ。いいな。おまえが『やっぱり学校やめないから』って言うまで、お父さん、もう口きかないからな。それでも、どうしてもやめるんだったら、やめろ」

    この言葉、好きだ。まっすぐなんだよな、お父さんも、
    美奈子も。いまになって思うけど、大人になったからといって、強くてたくましくて頼りがいがある人になるわけじゃない。大人だって、負けたり落ち込んだり泣いたりしてる。カッコなんかつけなくても、家族はそんなことはお見通しだ。それが互いに伝え合うことができるかどうかは別だけど。だから「小さき者へ」でお父さんが俊介に出せない手紙をかいているのは切ない。

  • 短編集。「海まで」「フイッチのイッチ」「小さき者へ」「団旗はためくもとに」「青あざのトナカイ」「三月行進曲」。なんともいえないリアリティがあり、読後感は痛い(ただし、悪い意味ではない。)。見たくない現実を突きつけられているように思えるからだろう。特に、父娘関係の描写が…。もし再読するならば、心が凹んでいない時に読みたい。

  • 1つ1つのお話が、小さき者へのエールだと感じた。
    何かが大きく変わるわけでもなく、現状維持の話もあるが、どこにでもいそうな小さき者と大人の話。

    なのにも関わらず、身近に感じるような引き込まれる内容は、さすが重松清だと思う。

    個人的には、引きこもりの少年の話と応援団の父の話は、どこにでもあるような話で、親近感があった。

  • 父親の立場で父親の立場からの小説を読みました。そのため、共感できるところとイライラするところがはっきりとわかりました。男なら少しはこういうところがあるかなと思うところもあったり、これはないわなあ~と思ったり。自分の感情と向き合いつつ読み続けた小説です。
    父親ってこういうものかなと知るのにはいい本だと思います。

  • 重松さんの小説は読みやすい文章で、それでもって身近な話題なのでそれはもう心にぐさりとささったりうぐっとなったり何らかのダメージを受けます。
    なので読むときは、「読むか…!」と挑む感じになります。
    学生のときに読んで、大人になった今読んだらどんな気持ちだったかな。

    お父さんへの教科書(?)みたいだなあ。

    解説、華恵さんというのも素敵でした!

  • 小さき者へ
    ひきこもった息子、そして息子がどんな思いでいるのか理解することが難しい父親の心境。身近で、今のお父さんはこんな心境なのかなと思ったり、子育てってとても大変で良かれと思ったことが良いとは限らないこと、何が起きるかわからないこと、結局、この話ではハッピーエンドでは終わらなかったけど、まだまだ長い人生、少しずつでも向き合っていかなきゃいけないんだなと思った この本を読んでいて思ったのは、やっぱり私は他の人よりも家族。というものに対するコンプレっクス?こだわり?があるんだなと改めて感じた

    団旗はためく下に
    好きなお話。 いきなり高校を辞めると言い出した主人公。しかも、なんとなく。という理由で。最初は幼くて何も周り見えてなくて、今もかもしれないけど、少し前の私を見ているみたいで、苦手な子だった。けど、その子もその子なりにずっと考えていた。お父さんの押忍の心、とても素晴らしいと思った。人生負けたり後悔ばかりだと思うけど、前を向き続けたいな。自分で選んだ自分の道を歩き続けたい。

  • 色々なタイプの「親と子」の形を綴った短編集。どの短編も『子を想う不器用な親』と『不器用な親だとわかりながらもなかなか受け入れられない子』の「複雑な親子関係」のリアルな姿が見事に描写されてます。自分の思春期時代のことを思い出してみると、正にここに出てくる親子の「子」だったなーと、妙な共感が生まれる一方で、自分も2人の子供を持つ親になった現在の立場からしてみると、近い将来この話に出てくるような不器用な親にきっとなるんだろうなーと思ったり。
    までも、どんな不器用な親でも子を想わない親はいないっつうことで、不器用なりに子供には愛情を伝えて行きたいと思うのでした。

  • 父ではない私。父の気持ちを理解したい私。いろんなケースが短編小説になっているので面白い。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    お父さんが初めてビートルズを聴いたのは、今のおまえと同じ歳―十四歳、中学二年生の時だった。いつも爪を噛み、顔はにきびだらけで、わかったふりをするおとなが許せなかった。どうしてそれを忘れていたのだろう。お父さんがやるべきこと、やってはならないことの答えは、こんなに身近にあったのに…心を閉ざした息子に語りかける表題作ほか、「家族」と「父親」を問う全六篇。

    【キーワード】
    文庫・短編集・家族・父親


    ++1

  • 20150426
    団旗はためくもとに
    三月行進曲
    が、いい。

  • 子供の頃は大人は何故分かってくれないと思い、大人になって子供は何故分かってくれないと思う。
    それがいつの間に切り替わるのか、はっと気づいた時にだって仕方ないよなと思う自分にまた大人になったと気づかされる。

  • 六編の小説の中でも団旗を持つコワモテお父さんの話、ビートルズを初めて聴いた14歳の息子とお父さんの話が特に良かった。リボルバーはわたしも大好きなアルバムでますます身近に感じられたのかも。

  • 生きる上で遭遇するかもしれない、「人生の坂道」を描いた作品。

    両親が離婚した子ども。
    引きこもりの息子を抱えるお父さん。
    古い考えを持つお父さんと合わない娘。
    経営が上手くいかなかったお父さん。
    ホントは息子が欲しかったお父さん。


    皆それぞれに思い悩み、坂道の途中で足を止めてしまうことがあると思う。

    大人には大人の苦しみ、子どもには子どもの苦しみがある。理解したくっても、お互いに相手の苦しみを分かち合うことはなかなかできない。

    何ができるだろうと思った。私に何ができるのかな。
    そんな中、心に残った台詞が一つ。

    「応援するって言うのは『がんばれ、がんばれ』って言うことだけじゃないの。『ここにオレたちがいるぞ、おまえは一人ぼっちじゃないぞ』って教えてあげることなの。…」


    「大丈夫」「そばにいるから」。
    坂道の途中で躓いて転んだときには、そんな風に見守ってやれる大人になりたい。
    そして、苦しみながらも出した次の一歩は、下るにせよ上るにせよ、その先の道へ続くと信じたい。

  • フイッチのイッチ等父と子、家族の話

  • 配置場所:広呉文庫本
    資料ID:93066098
    請求記号:080||SH||S

  • 重松作品にハズレなし。

  • 基本は父と家族の物語の短編集ですが、この人はほんとに心理描写がうまい。あるあるこういうことっていう記述が多いです。

  • やっぱり間違いなく重松清が好きです。

    フイッチのイッチ
    を泣きながら読んだ。

    私が重松作品を好きな理由の一つは、両親が離婚した家の子供の気持ちを本当に上手に書くからなんやな。

  • 「団旗はためくもとに」が素晴らしい。



    「親は、どんなときにもベスト盤を子どものために、よかれと思って選んでしまうものなんだな。そして、子どものほんとうに聴きたい曲にかぎってベスト盤には入ってないんだな」

    「逃げながら耐えてるんじゃない。押してるんだ、引いてるんじゃなくて。口に出してああだこうだ言うんじゃなくて、黙って、忍んで、でも負けてない。それが『押忍』の心なんだ」

    「人生には押して忍ばなきゃいけない場面がたくさんあるけど、いちばんたいせつなのは、なにかに後悔しそうになった時なんだ。後悔をグッと呑み込んで、自分の決めた道を黙々と進む、それが『押忍』なんだ、人生なんだ。」

    「応援してもらえないひとには、応援するひとの気持ちなんてぜったいにわからないのよ」
    「応援するっていうのは『がんばれ、がんばれ』って言うことだけじゃないの。『ここにオレたちがいるぞ、おまえは一人ぼっちじゃないぞ』って教えてあげることなの。応援団はぜったいにグラウンドには出られないの。野球でもサッカーでもいいけど、グラウンドは選手のものなの。そこにずかずか踏み込むことはできないけど、その代わりスタンドから思いっきり大きな声を出して、太鼓を叩いて、選手に教えてあげるの。『ここにオレたちがいるんだぞーっ、おまえは一人ぼっちじゃないんだぞーっ』ってね」

    「怒られるより悲しまれることのほうがつらくて、なんとなく嬉しいものなんだ、と初めて知った」

  • 不器用な兄と屈託のない弟の話「海まで」がよい。

    オチも何もないが、性格というか性質の違う兄弟を親から見たはがゆさ、損得では割り切れないこと、年老いた母親との関係がよく描かれていた。本音と言葉、すれちがい、がうまい。
    星3.5。

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