小さき者へ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349183

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  • 親の自分勝手な行動、親のモノサシ、親の勝手な思い込み、親からの押し付け。そういったものを、親や子供の視線で描いている。
    特に表題作でもある「小さき者へ」は、その骨頂。
    こんなの、親の勝手な思い込みだし、そんな話をされても子供として受け取らないのではないか。息子はあくまでも自我を持った息子である。自分の所有物ではない。
    陰ながら応援している、という自己満足と逃避。
    私も父親の一員なのだが、どうしてもその感覚から抜けきれなく、読了。
    華恵さんの解説を読んで、見方が少し変わった。
    不思議な本。

  • 親子、家族の話

  • やっぱり間違いなく重松清が好きです。

    フイッチのイッチ
    を泣きながら読んだ。

    私が重松作品を好きな理由の一つは、両親が離婚した家の子供の気持ちを本当に上手に書くからなんやな。

  • 「団旗はためくもとに」が素晴らしい。



    「親は、どんなときにもベスト盤を子どものために、よかれと思って選んでしまうものなんだな。そして、子どものほんとうに聴きたい曲にかぎってベスト盤には入ってないんだな」

    「逃げながら耐えてるんじゃない。押してるんだ、引いてるんじゃなくて。口に出してああだこうだ言うんじゃなくて、黙って、忍んで、でも負けてない。それが『押忍』の心なんだ」

    「人生には押して忍ばなきゃいけない場面がたくさんあるけど、いちばんたいせつなのは、なにかに後悔しそうになった時なんだ。後悔をグッと呑み込んで、自分の決めた道を黙々と進む、それが『押忍』なんだ、人生なんだ。」

    「応援してもらえないひとには、応援するひとの気持ちなんてぜったいにわからないのよ」
    「応援するっていうのは『がんばれ、がんばれ』って言うことだけじゃないの。『ここにオレたちがいるぞ、おまえは一人ぼっちじゃないぞ』って教えてあげることなの。応援団はぜったいにグラウンドには出られないの。野球でもサッカーでもいいけど、グラウンドは選手のものなの。そこにずかずか踏み込むことはできないけど、その代わりスタンドから思いっきり大きな声を出して、太鼓を叩いて、選手に教えてあげるの。『ここにオレたちがいるんだぞーっ、おまえは一人ぼっちじゃないんだぞーっ』ってね」

    「怒られるより悲しまれることのほうがつらくて、なんとなく嬉しいものなんだ、と初めて知った」

  • 不器用な兄と屈託のない弟の話「海まで」がよい。

    オチも何もないが、性格というか性質の違う兄弟を親から見たはがゆさ、損得では割り切れないこと、年老いた母親との関係がよく描かれていた。本音と言葉、すれちがい、がうまい。
    星3.5。

  • どの話も父親として共感出来た。
    中でも
    『団旗はためくもとに』
    『青アザのトナカイ』
    が良かった。

    でも、泣けはしなかったなぁ。

  • 親子や父親の短編集。絶対泣かせるな、とわかってるのにジーンときます。小学生ってこうだった、大人が思っているよりずっと色々考えてるしわかっていること忘れないようにしよう。
    「海まで」「団旗はためくもとに」が好きです。この本借りて読んだけど多分買います。

  • 短篇集。星五つは最初の「海まで」に対して。どれも家族をテーマにした作品だけど,これはほんと泣けた(T_T)
    妻の薦めで読んだけど,すべての親にオススメ。

  • 家族・親子の関係を綴った全6編の短編集。
    読者の立場によって、思い入れは異なるであろうが、
    どれも、色々と考えさせられ、自分の生き方を見直したくなる作品。

    もっと続きを読みたくなるものばかりで、やや消化不良もあるが、
    たまには、こんな作品も良いと思う。

  • 父親に正解なんてないかもしれないと考えさせられた

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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