卒業 (新潮文庫)

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著者 : 重松清
  • 新潮社 (2006年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349190

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卒業 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 題名通りに「卒業」を題材にした短編集となります。

    といっても、学校や会社などに限った話ではなく、
    自分を“良くも悪くも”縛るものから、な感じですが。

    何かの転機でもあれば、逃げ出したようなこともある、、
    重松さん、本質的に優しい方なのだろうなと、そう感じます。

    不思議と、同世代の物語が集まっていました。
    そこがまた、グッと引き寄せられた理由かもしれません。

    自分の“こころ”に正直でいる、、どこまで出来ているのかと、悩ましく。

  • 「まゆみのマーチ」と「追伸」で重松ワールドの虜になりました。4作に渡る数々の人生の卒業シーン・・・心温まる物語です。是非読んでもらいたいと思います。

  • 親の大切さ、親と話し合うことの大切さと難しさがよく分かる。ただ、学生の時の読んだ時とくらべて、重松氏の感性は今の自分の生活からは少し離れていってしまっているように感じた。

  • いつまでも親は存在する・・・
    そう思っていたけれど、親もいつかは天に召されるときが来る。


    そんなことを意識しだしたのは、自分が40歳を目前とし、
    新聞などで見かける“痴呆”のコーナーが気になってきだした頃でしょうか。


    この本は、
    親を亡くした、あるいは亡くそうとしている人たちの4つの物語です。


    親にわだかまりを抱えている人たちが、「許し、許され」します。


    私は、親が嫌いだったんです。
    とくに母親からは、「愛されている」と感じたことはなかったです。

    そんな母親であっても、
    子供は愛されたいと、そう思っているものなんですよね。
    だから、
    愛を与えてくれない母親の存在とは、苦しみそのものでした。


    そんな母親との関係から解放されたのは、
    私を愛さない母を許し、愛されない私を許した33歳ころでしょうか。


    それよりも、
    自分を愛し、母を適度な距離をもって愛するよう、心がけました。


    39歳現在、母親との関係はまあまあです。
    母は、
    栗をはじめ、自分が育てた花などを私に分け与えることを喜びとしています。
    昔から、物は与えても、心を通わせようとはしない親で、
    そういうところは相変わらず変わっていませんが、
    それでも少しずつ「不器用なんだなあ」と理解できるようになりました。


    本書の登場人物も、自分を愛し、親を愛し尊重することによって、
    わだかまりから解き放たれていきます。


    まあ、毒親の場合は許す必要はないと思いますが、
    「許す」とは自らの重荷をおろす作業でもあると経験上思います。


    本書は、そんな人たちを温かく見守っています。


    私も、作者の重松さんに
    「それでいいんだよ」と言ってもらえたような気がしました。

  • 一つ一つの話がすごく泣けます。普段はあまり短編は読まないのですが、重松清さんの短編は心地よい感動と適度な長さが、すーっとくる感じで、好きです。

  • 泣かせてくる。特に「あおげば尊し」。死がテーマの短編は過去亡くなった身近な人々を思い出してしまい、必ず涙が出てきてしまう。だから号泣しても平気な自宅で読むのが一番。

  • 目次より
    ・まゆみのマーチ
    ・あおげば尊し
    ・卒業
    ・追伸

    一歩を踏み出すために、とどまっている位置から卒業をする。
    確執のある親の死をきっかけに。
    四編とも話の骨格は同じ。

    じれったいほど妹に甘い母。
    その母の死を看取りながら自分の息子との向き合い方を考える『まゆみのマーチ』

    厳格な教師だった父は、それゆえに生徒たちから慕われることがなかった。
    同じく教師となった息子は、死に向かっていく父の命を使って一人の生徒の死へのこだわりをときほぐす『あおげば尊し』

    自殺した親友の娘が突然訪ねてくる。
    一人の男が生きて死ぬということは、一体何をこの世に残すのか『卒業』

    子どもの頃に亡くなった生母への思い。
    嫌いなわけではないのに上手くいかない継母との関係。
    不器用な二人の思いがすれ違い、そして…『追伸』

    『卒業』以外はどれも大人になった主人公が、子どもの立場で親を見ている話だが、私は親目線で読んでしまう。
    そして、達観できていない自分にがっかりしてしまう。
    まだまだ生臭いのよ、私の人生は。
    そして子供の立場で親を見るとき…やっぱり生臭いんだわ。
    死ぬときはもうちょっとモヤモヤを削ぎ落としてすっきりと逝きたいと思うのだけど。

    『まゆみのマーチ』が一番好き。
    重松清とは同世代だから、『悟空の大冒険』も知っているし、歌もちゃんと覚えてました。
    絶対的に子どもの味方であり続けることって難しい。
    躾との兼ね合いも、世間の目との戦いも。
    でも、絶対的に子どもの味方でありたいと母は思っているのだよ。

  • ★まゆみのマーチ

    自分が親になったとき、目の前に悩んでる人が現れたとき、
    どういった言葉をかけるのが一番なのか、ちょっと参考にしてみようと思った。

    「頑張れ」という言葉よりも「好きだよ」と言う言葉の方が効果は絶大らしい。
    自分に当てはめてみてもなんか分かる。

    ★あおげば尊し

    一番感動した!
    あるべき教師の姿、本当に生徒のためになる教師ってどんなんだろう、
    って改めて考えるきっかけになった。

    ★卒業

    どうしても結末がしっくりこなかった。
    結末、というか結局どうして自殺したのか、
    その理由の方が気になってしまう。
    ★追伸

    これまた感動!
    最後のページで号泣した。
    読み終わってからも涙が収まらんくてしばらく泣いてた。


    死とはどういうものなのか、
    命の重み、
    どうして命は大切にしなきゃいけないのか、
    こういうことについてよく考えるきっかけとなった。
    そして自分なりの答えも出た。

    良かったです。
    重松清さんの作品をもっとたくさん読みたいと思った。

    20071007

  • 重松さんの本は必ず泣いちゃう。最後の1ページで泣かされることもある。『まゆみのマーチ』が一番良かったかな。あれだけの歌詞だけど、グッとくるね。

  • いまは、分かってもらえないことを分かってる。そして、いつか分かる時が来ることも。

    いつものことではあるけれど号泣。
    それぞれの評価は次の通り。
    まゆみのマーチ★★★★
    あおげば尊し★
    卒業★★★
    追伸★★★★
    表題作の『卒業』は、80年代の大学生活が描かれている時点で個人的に訴えて来るアドバンテージは高いハズなのだが、身重の妻を残して命を絶った理由が語られていないことが仇になり、読者としてはいまひとつストーリーに入れ込めなかった。
    『まゆみのマーチ』と『追伸』は、子を見守る親としての眼差しが優しい。
    子どもの時には決して気がつくことはないのだけれど、子どもを持つ親になって改めて気がつくというところに我が身を振り返って胸が痛くなる。
    読みながら泣きました。ははは。
    『あおげば尊し』は、ゴメン、おれもこの手の先生は好きじゃない。葬式にも行かなかったくらいだし。

  • 重松だから上手いのは当然やし
    と自分の中でハードルあげてもやっぱり上手いもんは上手い。涙防ダムが簡単に決壊しよります。まして俺まさに40代のおっさん、収録されている4作品の主人公と同年代の立場なんだから感情移入をするわ、するわ。

    「まゆみのマーチ」で脳内リピートが鳴り止まなくなってしま~う、かもね…と泣かされ、「仰げば尊し」で、巨人の星的父子の姿に師を職業とした覚悟を見せられて泣かされ、ラストの「追伸」で、予想通りの展開に絶対泣くもんかと思ってたはずが、蓋すらしてない落とし穴的ラストシーンにズボりはまって泣かされ

    唯一泣かなかった表題作「卒業」は駄作だから泣かなかったわけではなく、泣くことすら許されない密度の濃いテーマにうならされた。登場人物たちの選択はあれで良かったのだろうけど、逃げたヤツはそれだけでああいう裁かれ方になるんだなぁという重さが、ずしんと心に残った。時々読まないといけないテーマだけど、収録作品中で一番再読するのにエネルギーを使う力作だと思う。

    俺も卒業して行く親を見送る日が来る、俺も見送られて卒業する日が来る。在校生送辞、卒業生答辞、どっちもせめて相手にできるだけ迷惑かけないように済ませたいものである。

    「人様に迷惑をかけるのがそんなにいけないことですかねぇ」と言うてくれる人がおっても、やっぱり人様に迷惑かけるのは最小限にしたいなぁと思うのである。

  • 年またぎしてしまった・・(笑)4編からなる短編。相変わらずの重松さんらしい作品。いろんな題材があってもこんな切り口でこんなに豊かに表現できるというのは凄い。追伸がよかった。血のつながった親子でもその関係は難しいのだけど・・・。子を持つ親になってどちらの立場も理解ができるだけに・・・。最後の場面がほんのりほどけていくようで印象深い。

  • 表題作、「卒業」は舞姫通信に重なる部分があった。「仰げば尊し」「追伸」「まゆみのマーチ」と、どれも何か心に訴えかけられるものがあるが、中でも「追伸」と「まゆみのマーチ」には思わず涙せずにはいられない。重松さんの作品は面白いとか、ワクワクして読むようなものではなく、簡単で単純でだからこそ難しい問いかけにいつも、真正面から向き合っていける、貴重な体験ができる。

  • 卒業 4編集。
    涙が浮かぶくらい素敵な話。

  • 「まゆみのマーチ」:母性あふれる母親。理想的です。
    「あおげば尊し」:死にざま。について考えさせられます。良かった。
    「卒業」:相棒がいい味出してる。
    「追伸」
    の4編。

  • •命の尊さや親子の繋がり。短編のストーリーのそれぞれにテーマがあり、考えさせられることが多く、また感動である。読む人、また何歳で読むかによっても、感じ方は様々に変化するだろうと思う。言葉では言い表せない感動。必ず読み直したい一冊。

  • 「まゆみのマーチ」「追伸」がよかったです。
    母親の温かさやたくましさを感じます。

  • 4つの話で構成されている短編集で、誰でも、どれか1つは涙を流すであろう話だと思います。
    どれも良い話ですが、個人的に「追伸」で涙が止まりませんでした。

    登場人物が、ささいな仕草や言動で100ページ弱の短編の本当に最後の1ページで泣かせてくる。
    この作品で重松さんが、とても好きになりました。

  • 「親子」「家族」「生死」を書いた短編集。
    重松さんのこの手の話には泣かされる。号泣まではないがじんわりと
    心にしみる。中でも「追伸」がよかた

  • 著者本人が40代の原点になるかもみたいなことを書いてた通り、いかにも重松清という作品です。

    様々な視点から死に迫ってます。

    元々興味を持ったのは、この方が尾崎豊を結構好きだったみたいで、卒業という言葉には何か大きな思いがこもってるんじゃないかと思ったからです。

    4作品をまとめた短編集という形ですが、濃いと思います。その日を前にという作品と似てると思いましたが、これがその原点だったようです。

    まあ、泣けますよそりゃ。

  • 身内が亡くなるとき、ああすればよかった、こうすればよかったといったとやっぱりおもうのだろうか。きっと思うんだと思う。
    この本を読んだらなおさらそう思うに違いない。
    そう思ったら、今すぐにでも親孝行、家族孝行すべきなんだろう。
    優しくしつくしただろうか?これ以上ないくらい真剣に接しただろうか?会社人間の私にこんなこと言う資格はまったくないんだろうな。

    本書のお母さんや新しいパパはやりつくしている、素晴らしい、羨ましい...

  • ★4.0
    誰もが経験する学校の卒業ではなく、人生を一歩前に進めるための様々な出来事からの卒業を描いた短編集。全4編に共通しているのは、親子の関係と死が絡むということ。そして、ただ悲しいだけではなく、ほっこりと温かく優しいということ。と同時に、自分がどちらの立場であったとしても、いつか訪れる大切な人との別れの時に、少しでも後悔が少なくなるように生きていきたい、としみじみ思った。全てが心に迫る内容だったけれど、個人的には「追伸」が一番ぐっと来た。でも、「まゆみのマーチ」も良かったな。母親が絡むものに弱い。

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卒業 (新潮文庫)の作品紹介

「わたしの父親ってどんなひとだったんですか」ある日突然、十四年前に自ら命を絶った親友の娘が僕を訪ねてきた。中学生の彼女もまた、生と死を巡る深刻な悩みを抱えていた。僕は彼女を死から引き離そうと、亡き親友との青春時代の思い出を語り始めたのだが-。悲しみを乗り越え、新たな旅立ちを迎えるために、それぞれの「卒業」を経験する家族を描いた四編。著者の新たなる原点。

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