卒業 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349190

感想・レビュー・書評

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  • これは、いかんよ。
    電車の中などで読んでると泣けて来て、恥ずかしい思いをします。
    こっそりティッシュ片手に読む事をお勧めします。

    4編からなる短編集なんだけど、ビタミンFみたいなもんですね。
    どれも良い。
    彼の短編作品は、なんとなくパターンがあるようで・・・
    いじめ、自殺、リストラ、学校、痴呆症、介護・・・
    こんなのがテーマになってるのが多いです。
    泣けてくるのは悲しいんじゃなくて、「よかったね、よかったね」と暖かい気持ちにさせてくれるから。
    人にやさしくなれます。

  • 死と生をテーマにした作品。死にゆく人は何をこの世界に
    残すのだろ、そして残された人はどう生きていくのだろうか?考えさせる作品だった。
    追伸のパートは、特によかった

  • 誰かの死を前にしての変化。
    短編集。
    どの話も最後は希望がある。
    死をテーマにしてるけど、きちんと救われる一冊。

  • 本当の親子関係はもっと複雑だし、人の命はとてつもなく重い。ここに書いてあることはある意味おとぎ話。現実は冷徹で厳しい。だからこそ最後に救いがあるおとぎ話には救われる気がする。

  • 2004年の本、たまに重松清さんを読みたくなる。この短編4編も相も変わらず重松さんらしい作品が盛られていた。様々な意味合いの卒業が書かれていて いつものように要所要所で読者の涙腺を緩ませてくれる。父との死別 母との死別 親友との死別をキーにしての各章の語り手たちのそれぞれの卒業が意味深い。

  • 目次より
    ・まゆみのマーチ
    ・あおげば尊し
    ・卒業
    ・追伸

    一歩を踏み出すために、とどまっている位置から卒業をする。
    確執のある親の死をきっかけに。
    四編とも話の骨格は同じ。

    じれったいほど妹に甘い母。
    その母の死を看取りながら自分の息子との向き合い方を考える『まゆみのマーチ』

    厳格な教師だった父は、それゆえに生徒たちから慕われることがなかった。
    同じく教師となった息子は、死に向かっていく父の命を使って一人の生徒の死へのこだわりをときほぐす『あおげば尊し』

    自殺した親友の娘が突然訪ねてくる。
    一人の男が生きて死ぬということは、一体何をこの世に残すのか『卒業』

    子どもの頃に亡くなった生母への思い。
    嫌いなわけではないのに上手くいかない継母との関係。
    不器用な二人の思いがすれ違い、そして…『追伸』

    『卒業』以外はどれも大人になった主人公が、子どもの立場で親を見ている話だが、私は親目線で読んでしまう。
    そして、達観できていない自分にがっかりしてしまう。
    まだまだ生臭いのよ、私の人生は。
    そして子供の立場で親を見るとき…やっぱり生臭いんだわ。
    死ぬときはもうちょっとモヤモヤを削ぎ落としてすっきりと逝きたいと思うのだけど。

    『まゆみのマーチ』が一番好き。
    重松清とは同世代だから、『悟空の大冒険』も知っているし、歌もちゃんと覚えてました。
    絶対的に子どもの味方であり続けることって難しい。
    躾との兼ね合いも、世間の目との戦いも。
    でも、絶対的に子どもの味方でありたいと母は思っているのだよ。

  • 「まゆみのマーチ」と「追伸」で重松ワールドの虜になりました。4作に渡る数々の人生の卒業シーン・・・心温まる物語です。是非読んでもらいたいと思います。

  • 親の大切さ、親と話し合うことの大切さと難しさがよく分かる。ただ、学生の時の読んだ時とくらべて、重松氏の感性は今の自分の生活からは少し離れていってしまっているように感じた。

  • 一つ一つの話がすごく泣けます。普段はあまり短編は読まないのですが、重松清さんの短編は心地よい感動と適度な長さが、すーっとくる感じで、好きです。

  • 短編4つ。
    登場人物各々の気持ち、生き方や境遇の違いからすれ違いが起きる。30~40年を経てやっとお互いをゆるし合える事ができたお話し。
    それから、娘が幼い頃に自殺した父親。高校生になって娘はイジメにあい、死ぬ前に父親の友人を尋ねて、記憶には残っていない父親の姿を形作ってから自殺を選ぶ...?
    いじめ、母性、友情、家族、自殺、ある障害を抱えた妹と兄のお話し。

    5年ほど前に一度読んだ事を忘れてまた買って読んじゃいました。テンポ良く物語は進んでいくので読みやすい小説でした。
    筆者の作品は色々好きです。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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