青い鳥 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 634
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  • Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349268

感想・レビュー・書評

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  • 言葉やない心や〜
    を体現してるな。

    多分、自身も吃音という障害を持っているから、独りぼっちの気持ちが分かるのかもしれんな。
    やっぱり、自身で体験せんと分からんもん。
    何か、色んな学校を渡り歩いて、そこにいる独りの生徒に寄り添う。
    「助けに来たで!」とかいう恩義せがましい言葉やなく「間に合った〜」
    あとがきでは、ヒーローって書いてあったけど、まぁ、そういう名称が合ってるかは微妙やけど、そうかな…
    特命教員みたいなもんなんかな?生徒を救ってくれるけど、先生の事何も分からん。家も家族おるかとか、何にも…
    だからこそヒーローなんかもね。
    ずっと、みんなを救ってあげて〜!



    何故か、村内先生が、コロナウィルスで有名になった京大 M沢准教授とオーバーラップする。

  • 主人公の村内先生は、中学の非常勤講師。
    先生は、様々な理由で“ひとりぼっち”の心を持つ生徒の前に現れる。
    そして“大切なこと”しか喋らない。
    そして先生には、授業より大切な仕事がある。
    それは“ひとりぼっち”の生徒のそばにいる事…

    8編(8人)のストーリーだが、最初の「ハンカチ」は、卒業式絡みのお話で、いきなり涙腺がゆるむ。
    一度緩んだ涙腺は、次の話に進んでも元に戻ることはない(TT)

    最後の「カッコウの卵」だけは、先生の元教え子で22歳の青年のお話。
    今はもう“ひとりぼっち”じゃない。
    そばにいる家族が出来た。
    そう、未来は明るい!

    あとがきで著者が、この作品は“ヒーローを主人公にした物語”と書いている。
    本当に2話目、3話目、と読み進めていくと、村内先生がヒーローに見えてくる。
    ビジュアルはオジサンなんだけどね(^.^;

    この本をオススメしてくれた土瓶さん、ありがとうございます。
    素敵な作品でした。
    そして、完敗。瞬殺でした(笑)
    特に最終話はヤバいです(TT)

    • いるかさん
      aoi-soraさん 松子さん

      ありがとうございます。
      愛称 お任せしますよ~

      ブクログでつながっていくのが楽しいですね。。
      aoi-soraさん 松子さん

      ありがとうございます。
      愛称 お任せしますよ~

      ブクログでつながっていくのが楽しいですね。。
      2022/06/17
    • aoi-soraさん
      ひろさん、読みたい本が山積み♪
      私も同じく(笑)
      「青い鳥」、ひろさんも好きなやつですよ。きっと(^^)
      でも慌てず、読みたい本から順...
      ひろさん、読みたい本が山積み♪
      私も同じく(笑)
      「青い鳥」、ひろさんも好きなやつですよ。きっと(^^)
      でも慌てず、読みたい本から順に読んでいこうね(^^)
      2022/06/17
    • 松子さん
      こんばんは(^^)
      ふふ、いるかのいっちゃん♪ かわいいです。
      いっちゃん、ありがとうございます♡
      これからもどうぞお願いいたします。

      あ...
      こんばんは(^^)
      ふふ、いるかのいっちゃん♪ かわいいです。
      いっちゃん、ありがとうございます♡
      これからもどうぞお願いいたします。

      あおちゃん、コメント欄お借りしてごめんなさい。失礼しました(´ω`)
      2022/06/17
  • 青い鳥を探す少年少女達を 一人の臨時国語教師が彼らに寄り添い、歪んだ心の形をそっと治そうとするオムニバス。8編・8人・8様の悩みと葛藤。
    村内先生は、突然、必然に現れる。吃音の為多くを語らず、大切な事は何かを教えてくれる。

    中学生くらいの人間関係は、本当に難しい。誰もが触れ方を間違えると、壊れてしまいそうな危ういバランスを保ちながら、教室に留まる。作者は、この息苦しさを描くのが本当に上手い。まるで、その教室に座っているかの様な、思春期の想い出をえぐられる様な気持ちになる。今、当事者である年代には、共感よりも辛い作品かもしれない。

    幾つになっても青い鳥を探して、何処へ行っても隣の芝生は青い。隣の花は赤いし、隣の糠味噌はなんとか。

    最後の「かっこうの卵」は、村内先生が「間に合って良かった。」教え子の未来像。自らの境遇を受け入れ、守るべきものを見つけ、自分の家を作った青年のお話。
    aoi-soraさん、一敗です。
    涙腺は辛い話よりも、最後のこんな幸福論に弱かったです。

    • おびのりさん
      お疲れ様です。薔薇の名前。

      そうです。最終話でやられました。
      涙腺緩んで良かったです。

      薔薇の名前は、映画を見ました。重っっもいですよね...
      お疲れ様です。薔薇の名前。

      そうです。最終話でやられました。
      涙腺緩んで良かったです。

      薔薇の名前は、映画を見ました。重っっもいですよね。上の娘が、何かの授業の課題が、映画視聴で、付き合いました。
      よくぞ、お読みになりました。
      2022/06/05
    • aoi-soraさん
      おびさん、土瓶さん、こんばんは。
      やっぱり“青い鳥”は泣けるんですね。
      おびさんの涙腺は、北風と太陽で言うと太陽の方でしょうか?

      ...
      おびさん、土瓶さん、こんばんは。
      やっぱり“青い鳥”は泣けるんですね。
      おびさんの涙腺は、北風と太陽で言うと太陽の方でしょうか?

      私の次回涙活は“ライオンのおやつ”か“青い鳥”にしようかと考えてます。

      阿部寛さん、ズルいですよね。
      大好きな俳優さんの一人です^_^
      2022/06/05
    • おびのりさん
      aoi-sora さん

      おはようございます。
      さすが、上手いことおっしゃいます。
      はい、そうでした。お日様に弱そうです。
      振り返ると、お日...
      aoi-sora さん

      おはようございます。
      さすが、上手いことおっしゃいます。
      はい、そうでした。お日様に弱そうです。
      振り返ると、お日様系読んでいないかもしれません。ありがとうございました。
      次は、椿山課長読んでます。
      2022/06/06
  • 非常勤で吃音の村内先生は上手く話すことができない。でも先生には授業よりも、もっともっと大切な仕事がある。ひとりぼっちの心にそっと寄り添いそばにいてくれる。温かな物語。

    最後の『カッコウの卵』は一緒になって万歳してしまうほど感動しました。

    人として正しいことよりも、人として大切なことを教えてくれる物語です。

  • 私にとって、初の重松清さん。
    前々から読んでみたいとは思っていた作家さんですが、子供が出てくる話が苦手で、家族小説が苦手で、つい敬遠していました。
    でも、いつか見た映画を、ふと思い出しました。
    たしか阿部寛さんが主演で、吃音の先生が出てくる話だったと記憶しています。あれはおもしろかった。
    「あれならいいか」と、手に取りました。
    良かったです。
    加害者の側になってしまって孤立する生徒のそばに寄り添い、癒してくれる村内先生。
    初対面なのに懐かしそうに笑う、阿部寛さん演じる村内先生が目に浮かびます。
    小説ではもっとオジサンくさそうですが。
    八篇の短編集です。
    うち二編でうるっときたのは秘密です。
    ずるいよな~。

  • 誰も助けない。何もしない。ただそばにいてあげるだけ。でもそんな事が一番必要な子供達がいる。
    またやられてしまった、重松清には。
    悩める人の心のヒダを丁寧にゆっくりと開いていく、彼の筆力は唯一無二。
    参りました。また読みます。それまでお元気で!

    • りまのさん
      kakaneさん
      フォローありがとうございます!
      重松清さんは、気になる作家さんなのですが、まだ読んだ事がありません。いずれかに、読みたいで...
      kakaneさん
      フォローありがとうございます!
      重松清さんは、気になる作家さんなのですが、まだ読んだ事がありません。いずれかに、読みたいです。
      どうぞよろしくお願いいたします。  りまの
      2021/01/27
    • kakaneさん
      りまのさん

      コメントありがとうございます。
      重松さんはハズレがあまりない作家です。
      特に親子の絆を表現させたら右に出る者はないと思っていま...
      りまのさん

      コメントありがとうございます。
      重松さんはハズレがあまりない作家です。
      特に親子の絆を表現させたら右に出る者はないと思っています。新たな作家にチャレンジして充実した読書をお楽しみください♪
      2021/01/27
  • ひどい吃音で上手く喋れない、そのため大切なことだけを一生懸命に喋る異色の臨時国語教員、村内先生。学校に溶け込めず、孤立し、問題行動を起こしている生徒の下に現れ、数週間その生徒に言葉少なに寄り添って心を解きほぐしては去っていく。不恰好だが圧倒的な魅力を放つヒーロー教師もの。

    「ハンカチ」(場面緘黙症女子の卒業式への参加)、「ひむりーる独唱」(傷害癖(?)のある男子の孤独)、「おまもり」(父親の交通事故の償いと家族の絆)、「青い鳥」(自殺未遂へと追い詰めた加害生徒の気づき)、「静かな楽隊」(イジメ女子の攻撃性に潜む劣等感)、「拝啓ねずみ大王さま」(悲しいトラウマを抱えた転校生の融和)、「進路は北へ」(閉塞感を嫌悪して内部進学を蹴る女子の気持ち)、「カッコウの卵」(かつての教え子の成長)の8篇収録。

    各篇で描かれている思春期の子供の不安定さ、ナイーブさ、残酷さ、狂暴さ。子供達への深い理解がないとここまで描き込めないよな。凄い!

    この8篇の中では、報われ感のある「おまもり」が特に好き。一方、「ひむりーる独唱」の他人や生き物の痛みが理解できない主人公は怖かった。一歩間違えばサイコパズルだよな。

    村内先生のような救世主が現実にいれば、道を踏み外すことなく救われる子供も多いのかな。著者あとがきに、「教員免許を取得しながら、じつを言うと吃音のコンプレックスに押しつぶされた格好で教師になることをあきらめた僕の、ありえたかもしれないもう一つの人生を、村内先生に託したかった」とあるのが胸に響いた。

  • 読みたい本に登録していたところに、フォローしている方の感想を読んで、今月の購入本にしました。

    いろんなことで苦しんでいる中学生の元へやってきて、寄り添ってくれる非常勤の村内先生のお話です。

    吃音の村内先生の言葉に何度も泣かされました。
    はい!外では読めないやつです。

    カッコウの卵がわたしは一番良かった!

  • 吃音がある国語教師である村内先生と様々な問題を抱える中学生たちの話。先生の使命は生徒たちの側にいてあげること、ひとりぼっちにはしないこと、という村内先生の信念には心を打たれる。決して全てのケースがうまくいくわけではないところも現実感があり共感できた。悩んでいる中学生に是非読んでもらいたい作品である。

  • 授業より大切なこと、それを一生懸命に話す村内先生を想像して感動した。
    複雑な問題を抱える中学生が悩んでる時に、いいタイミングで現れる村内先生、そんな生徒に優しく寄り添うシーンで、自分自身の中学時代の悩みとかも思い出した。
    もし村内先生に出会っていたらどう変わっていたかと考えてしまった。

著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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