青い鳥 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349268

作品紹介・あらすじ

村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、家庭を知らずに育った生徒-後悔、責任、そして希望。ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 2024.4.2 読了 ☆9.6/10.0



    主人公の村内先生は、中学の非常勤講師。
    先生は、様々な理由で“ひとりぼっち”の心を持つ生徒の前に現れ、教え諭すでもなく、ただそばにいて、生徒たちの気持ちに寄り添ってくれます。
    そして“大切なこと”しか喋りません。


    先生には、“ひとりぼっち”の生徒のそばにいる事という、授業より大切な仕事があるのです。


    登場する生徒たちは、学校で上手くしゃべれない子や、クラスでいじめにあった子、お父さんが自殺をしてしまった子、親に愛されなかった子、そんな背景を抱えた子たちです。


    そのひとりひとりに心を開かせてくれる先生。

    各話、温かい涙が胸の奥にとめどなく溢れてきます。


    村内先生の良さは、言葉では語りつくせない…
    村内先生に会えた子は、幸せです。


    「たいせつなこと」は「そばにいること」
    学校の先生は、みんなの味方でもないし、敵でもない。
    正しいことと、たいせつなことは違う。


    とても良い本に出会えました。
    いつまでも心に留めておきたいことばかりです。

    • 土瓶さん
      わーーーーーさん、こんばんは^^
      阿部寛さん主演で映画にもなりましたよね。
      最終話が一番好きです。涙腺が危険です。
      わーーーーーさん、こんばんは^^
      阿部寛さん主演で映画にもなりましたよね。
      最終話が一番好きです。涙腺が危険です。
      2024/04/02
  • 言葉やない心や〜
    を体現してるな。

    多分、自身も吃音という障害を持っているから、独りぼっちの気持ちが分かるのかもしれんな。
    やっぱり、自身で体験せんと分からんもん。
    何か、色んな学校を渡り歩いて、そこにいる独りの生徒に寄り添う。
    「助けに来たで!」とかいう恩義せがましい言葉やなく「間に合った〜」
    あとがきでは、ヒーローって書いてあったけど、まぁ、そういう名称が合ってるかは微妙やけど、そうかな…
    特命教員みたいなもんなんかな?生徒を救ってくれるけど、先生の事何も分からん。家も家族おるかとか、何にも…
    だからこそヒーローなんかもね。
    ずっと、みんなを救ってあげて〜!



    何故か、村内先生が、コロナウィルスで有名になった京大 M沢准教授とオーバーラップする。

  • 主人公の村内先生は、中学の非常勤講師。
    先生は、様々な理由で“ひとりぼっち”の心を持つ生徒の前に現れる。
    そして“大切なこと”しか喋らない。
    そして先生には、授業より大切な仕事がある。
    それは“ひとりぼっち”の生徒のそばにいる事…

    8編(8人)のストーリーだが、最初の「ハンカチ」は、卒業式絡みのお話で、いきなり涙腺がゆるむ。
    一度緩んだ涙腺は、次の話に進んでも元に戻ることはない(TT)

    最後の「カッコウの卵」だけは、先生の元教え子で22歳の青年のお話。
    今はもう“ひとりぼっち”じゃない。
    そばにいる家族が出来た。
    そう、未来は明るい!

    あとがきで著者が、この作品は“ヒーローを主人公にした物語”と書いている。
    本当に2話目、3話目、と読み進めていくと、村内先生がヒーローに見えてくる。
    ビジュアルはオジサンなんだけどね(^.^;

    この本をオススメしてくれた土瓶さん、ありがとうございます。
    素敵な作品でした。
    そして、完敗。瞬殺でした(笑)
    特に最終話はヤバいです(TT)

    • いるかさん
      aoi-soraさん 松子さん

      ありがとうございます。
      愛称 お任せしますよ~

      ブクログでつながっていくのが楽しいですね。。
      aoi-soraさん 松子さん

      ありがとうございます。
      愛称 お任せしますよ~

      ブクログでつながっていくのが楽しいですね。。
      2022/06/17
    • aoi-soraさん
      ひろさん、読みたい本が山積み♪
      私も同じく(笑)
      「青い鳥」、ひろさんも好きなやつですよ。きっと(^^)
      でも慌てず、読みたい本から順...
      ひろさん、読みたい本が山積み♪
      私も同じく(笑)
      「青い鳥」、ひろさんも好きなやつですよ。きっと(^^)
      でも慌てず、読みたい本から順に読んでいこうね(^^)
      2022/06/17
    • 松子さん
      こんばんは(^^)
      ふふ、いるかのいっちゃん♪ かわいいです。
      いっちゃん、ありがとうございます♡
      これからもどうぞお願いいたします。

      あ...
      こんばんは(^^)
      ふふ、いるかのいっちゃん♪ かわいいです。
      いっちゃん、ありがとうございます♡
      これからもどうぞお願いいたします。

      あおちゃん、コメント欄お借りしてごめんなさい。失礼しました(´ω`)
      2022/06/17
  • 中学の非常勤講師、村内先生は、うまくしゃべれないけれど、一所懸命生徒に寄り添ってくれる。
    学校でしゃべれない子や、クラスでいじめにあった子、お父さんが自殺をしてしまった子、親に愛されなかった子、そんなひとりひとりに心を開かせてくれる先生。
    温かい涙が胸の奥にとめどなく溢れてきます。
    草野心平の詩に、泣いてしまった。
    村内先生の良さは、言葉では語りつくせない。
    村内先生に会えた子は、幸せだ。

    「たいせつなこと」は「そばにいること」
    学校の先生は、みんなの味方でもないし、敵でもない。
    正しいことと、たいせつなことは違う。

    とても良い本に出会えました。
    いつまでも心に留めておきたいことばかりです。

  • 青い鳥を探す少年少女達を 一人の臨時国語教師が彼らに寄り添い、歪んだ心の形をそっと治そうとするオムニバス。8編・8人・8様の悩みと葛藤。
    村内先生は、突然、必然に現れる。吃音の為多くを語らず、大切な事は何かを教えてくれる。

    中学生くらいの人間関係は、本当に難しい。誰もが触れ方を間違えると、壊れてしまいそうな危ういバランスを保ちながら、教室に留まる。作者は、この息苦しさを描くのが本当に上手い。まるで、その教室に座っているかの様な、思春期の想い出をえぐられる様な気持ちになる。今、当事者である年代には、共感よりも辛い作品かもしれない。

    幾つになっても青い鳥を探して、何処へ行っても隣の芝生は青い。隣の花は赤いし、隣の糠味噌はなんとか。

    最後の「かっこうの卵」は、村内先生が「間に合って良かった。」教え子の未来像。自らの境遇を受け入れ、守るべきものを見つけ、自分の家を作った青年のお話。
    aoi-soraさん、一敗です。
    涙腺は辛い話よりも、最後のこんな幸福論に弱かったです。

    • おびのりさん
      お疲れ様です。薔薇の名前。

      そうです。最終話でやられました。
      涙腺緩んで良かったです。

      薔薇の名前は、映画を見ました。重っっもいですよね...
      お疲れ様です。薔薇の名前。

      そうです。最終話でやられました。
      涙腺緩んで良かったです。

      薔薇の名前は、映画を見ました。重っっもいですよね。上の娘が、何かの授業の課題が、映画視聴で、付き合いました。
      よくぞ、お読みになりました。
      2022/06/05
    • aoi-soraさん
      おびさん、土瓶さん、こんばんは。
      やっぱり“青い鳥”は泣けるんですね。
      おびさんの涙腺は、北風と太陽で言うと太陽の方でしょうか?

      ...
      おびさん、土瓶さん、こんばんは。
      やっぱり“青い鳥”は泣けるんですね。
      おびさんの涙腺は、北風と太陽で言うと太陽の方でしょうか?

      私の次回涙活は“ライオンのおやつ”か“青い鳥”にしようかと考えてます。

      阿部寛さん、ズルいですよね。
      大好きな俳優さんの一人です^_^
      2022/06/05
    • おびのりさん
      aoi-sora さん

      おはようございます。
      さすが、上手いことおっしゃいます。
      はい、そうでした。お日様に弱そうです。
      振り返ると、お日...
      aoi-sora さん

      おはようございます。
      さすが、上手いことおっしゃいます。
      はい、そうでした。お日様に弱そうです。
      振り返ると、お日様系読んでいないかもしれません。ありがとうございました。
      次は、椿山課長読んでます。
      2022/06/06
  • ・カ行とサ行と濁音が苦手な吃音の中学の国語教師の村内先生が、臨時教師としていろんな学校を舞台とした連作短編小説。
    村内先生は大切なことしかしゃべらない。一人ぼっちの子の傍に居て、その子に「間に合って良かった。」と言ってくれる。様々な傷を抱えた多感な思春期の中学生達の傍に居る。その子の家庭環境や考え方、感じ方などをさりげなくリサーチしていたり、悩んでいるこの背中をそっと優しく押してくれるような言葉をかけてくれる。こんな先生に自分も出会いたかった。そう思うくらい良い作品でした。
    ・ストレスの多い現代社会にこそ村内先生のような存在は求められる気がする。

  • 非常勤で吃音の村内先生は上手く話すことができない。でも先生には授業よりも、もっともっと大切な仕事がある。ひとりぼっちの心にそっと寄り添いそばにいてくれる。温かな物語。

    最後の『カッコウの卵』は一緒になって万歳してしまうほど感動しました。

    人として正しいことよりも、人として大切なことを教えてくれる物語です。

  • ひとりぼっちじゃない。そばにいる。
    たいせつなことを教えるためにやってきたヒーロー、国語の非常勤講師、村内先生。
    見た目はもっさりした風貌のオジサンなんだけど、彼は間違いなくヒーローだ。

    しゃべられなくなった子。
    父親が交通事故の加害者になった子。
    いじめられて転校していった子。
    私立の受験に失敗した子。
    父親が自殺した子。
    それぞれ孤独を抱えた生徒たちの前にヒーローは現れる。
    そして言う「間に合ってよかった」。

    学校という閉鎖的で逃げ場のない空間。
    思春期で多感な子どもたちにとっては、すべてが紙一重。ふとした瞬間に崩れてしまう危うさがある。
    誰もがどの立場にもなりえる話だと思う。

    こんなにも人の心の痛みがわかるのは、村内先生自身が誰より孤独を抱えてきた人だからだろう。
    吃音があって、言葉を話すことが苦手。
    だから、たいせつなことしか言わない。
    そんな彼を見ているうちに、言葉よりもたいせつなことがあると気付かされる。
    言葉を使えるからこそ、言葉に頼りすぎていた気がする。

    本気で伝えたいことがある人間は強い。
    最初の数ページから涙だった。
    この本に出会えてよかった。

    • 土瓶さん
      ひろさん、こんばんは~^^
      最初の数ページから涙でしたか。
      速い。早すぎます。気持ちはわからなくはありませんが違反級に早いです(笑)
      ...
      ひろさん、こんばんは~^^
      最初の数ページから涙でしたか。
      速い。早すぎます。気持ちはわからなくはありませんが違反級に早いです(笑)
      ラストの話は危険でした。
      2022/10/13
    • aoi-soraさん
      ひろちゃん、こんばんは^⁠_⁠^

      そうだよね。
      最初っからだよね。⁠

      土瓶さん、卒業式がらみは危険なんです。
      反則ですよ〜。⁠:゚⁠(⁠...
      ひろちゃん、こんばんは^⁠_⁠^

      そうだよね。
      最初っからだよね。⁠

      土瓶さん、卒業式がらみは危険なんです。
      反則ですよ〜。⁠:゚⁠(⁠;⁠´⁠∩⁠`⁠;⁠)゚⁠:⁠。
      2022/10/13
    • ひろさん
      どんちゃん、あおちゃん、おはようございます!
      いやぁもうこの本が違反級に泣けますよ~(TT)
      ラストの話は涙腺が崩壊です。よい出会いが人生を...
      どんちゃん、あおちゃん、おはようございます!
      いやぁもうこの本が違反級に泣けますよ~(TT)
      ラストの話は涙腺が崩壊です。よい出会いが人生を変えたんだなぁとしみじみ思いました。
      どんちゃん、あおちゃん、こんなに素晴らしい本を教えてくださり、ありがとうございました(*´︶`*)♡
      2022/10/14
  • 私にとって、初の重松清さん。
    前々から読んでみたいとは思っていた作家さんですが、子供が出てくる話が苦手で、家族小説が苦手で、つい敬遠していました。
    でも、いつか見た映画を、ふと思い出しました。
    たしか阿部寛さんが主演で、吃音の先生が出てくる話だったと記憶しています。あれはおもしろかった。
    「あれならいいか」と、手に取りました。
    良かったです。
    加害者の側になってしまって孤立する生徒のそばに寄り添い、癒してくれる村内先生。
    初対面なのに懐かしそうに笑う、阿部寛さん演じる村内先生が目に浮かびます。
    小説ではもっとオジサンくさそうですが。
    八篇の短編集です。
    うち二編でうるっときたのは秘密です。
    ずるいよな~。

  • 誰も助けない。何もしない。ただそばにいてあげるだけ。でもそんな事が一番必要な子供達がいる。
    またやられてしまった、重松清には。
    悩める人の心のヒダを丁寧にゆっくりと開いていく、彼の筆力は唯一無二。
    参りました。また読みます。それまでお元気で!

    • りまのさん
      kakaneさん
      フォローありがとうございます!
      重松清さんは、気になる作家さんなのですが、まだ読んだ事がありません。いずれかに、読みたいで...
      kakaneさん
      フォローありがとうございます!
      重松清さんは、気になる作家さんなのですが、まだ読んだ事がありません。いずれかに、読みたいです。
      どうぞよろしくお願いいたします。  りまの
      2021/01/27
    • kakaneさん
      りまのさん

      コメントありがとうございます。
      重松さんはハズレがあまりない作家です。
      特に親子の絆を表現させたら右に出る者はないと思っていま...
      りまのさん

      コメントありがとうございます。
      重松さんはハズレがあまりない作家です。
      特に親子の絆を表現させたら右に出る者はないと思っています。新たな作家にチャレンジして充実した読書をお楽しみください♪
      2021/01/27
  • 読むのは2度目になりますが、何度も読み返したくなる作品です。

    私も、ひとりぼっちだった時期がありました。
    中学の時、学校には味方なんて誰もいなくて、誰にも助けを求められなくて。
    まして先生なんてもってのほかでした。

    村内先生のような先生がいてくれていたら、そっとそばにいてくれていたら、私の中学の思い出も少しは良いものに変わっていたでしょうか。

    ちょっと可笑しくて、どうしようもなく切なくなる。
    けれど、読んだ後は心がじんわりあったかくなる。
    そんな作品だと思います。

  • ひどい吃音で上手く喋れない、そのため大切なことだけを一生懸命に喋る異色の臨時国語教員、村内先生。学校に溶け込めず、孤立し、問題行動を起こしている生徒の下に現れ、数週間その生徒に言葉少なに寄り添って心を解きほぐしては去っていく。不恰好だが圧倒的な魅力を放つヒーロー教師もの。

    「ハンカチ」(場面緘黙症女子の卒業式への参加)、「ひむりーる独唱」(傷害癖(?)のある男子の孤独)、「おまもり」(父親の交通事故の償いと家族の絆)、「青い鳥」(自殺未遂へと追い詰めた加害生徒の気づき)、「静かな楽隊」(イジメ女子の攻撃性に潜む劣等感)、「拝啓ねずみ大王さま」(悲しいトラウマを抱えた転校生の融和)、「進路は北へ」(閉塞感を嫌悪して内部進学を蹴る女子の気持ち)、「カッコウの卵」(かつての教え子の成長)の8篇収録。

    各篇で描かれている思春期の子供の不安定さ、ナイーブさ、残酷さ、狂暴さ。子供達への深い理解がないとここまで描き込めないよな。凄い!

    この8篇の中では、報われ感のある「おまもり」が特に好き。一方、「ひむりーる独唱」の他人や生き物の痛みが理解できない主人公は怖かった。一歩間違えばサイコパズルだよな。

    村内先生のような救世主が現実にいれば、道を踏み外すことなく救われる子供も多いのかな。著者あとがきに、「教員免許を取得しながら、じつを言うと吃音のコンプレックスに押しつぶされた格好で教師になることをあきらめた僕の、ありえたかもしれないもう一つの人生を、村内先生に託したかった」とあるのが胸に響いた。

  • ▪️サマリー
    ・学校を舞台にした8つの短編集。
    ・主人公は国語教師の村内先生。
    ・先生は吃音なため、話す時にカ行とタ行でつっかえてしまう。
    ・先生は、つっかえながらも悩みを抱える生徒に
     「たいせつなこと」を伝え、見守る姿勢を貫く。

    ▪️心に残るフレーズ(一部、言い回しを変更)
    ・ひとりぼっちが二人いれば、それはひとりぼっちではない。
    ・先生は、ひとりぼっちの子のそばにいて、もう一人のひとりぼっちになるために、先生をやっている。
    ・先生は、生徒を助けたとは言わない、間に合ったという。

    ▪️つぶやき
    学生時代に教わった先生は、多感な時代に成長していく子どもにとっては、大きな存在になる。
    私も遥か昔のあの先生にあんなこと(勉学以外の人生の教訓)を教わったなぁと本書を読みながら、懐かしい気持ちになった。
    村内先生のように、つまり生徒をより良い方へ誘うきっかけを与える先生に私が出会えていれば、私の人生も幾ばくか良い方向へ道が開かれたのにと感じた。残念。
    さて、作者の重松清さんは、教師を志したが吃音を持っており、教師の道を断念されたようだ。
    村内先生にご自身を重ね合わされたのかもしれない。

  • りまのさんの本棚で見つけ図書館予約しました。
    かなりいろんな方に読まれたであろう文庫を手に取りました。
    たくさんの涙吸い取ったのかしら

    重松清さん、どうしてこんなに子どもに寄り添った優しい物語が書けるのだろう?
    ずっと思ってきましたが「あとがき」を読んでストンと落ちるものがありました。

    言いたいことが言えない
    もどかしいだろう
    嘲笑も受けるだろう

    おしゃべりだけがいいのではない
    「大切なことだけ話す」
    それが大切なんですね

    かっこ悪いヒーロー
    ムラウチ先生
    そっと寄り添う人が一人いれば生きていける
    そう強く思いました

    ≪ 青い鳥 箱の中には いないよね ≫

    • りまのさん
      はまだかよこさん
      私の本棚から、「青い鳥」を読んで頂いたこと、嬉しく思います。
      私は子供の頃、ほとんど小学校で、喋らない、問題児でした。
      村...
      はまだかよこさん
      私の本棚から、「青い鳥」を読んで頂いたこと、嬉しく思います。
      私は子供の頃、ほとんど小学校で、喋らない、問題児でした。
      村内先生のような大人に、巡り会えていたら、と、この本を読んで、思いました。
      今でも、言葉がでない、悪夢をみることがあります。
      でも、現実では、自分なりに、適応している?から、良いのだと、思っています。
      2021/09/29
  • まず、これは「きよしこ」を読んでからがいい。

    泣いた…

    中学校って、こんなに「世」なんだね、って思う。

    残酷、切ない。

    でも、私は村内先生がいてくれたらいい。

    うちはいつの間にか母子家庭になってしまった。両親が揃ってないよりか、揃っていた方がいい、何か良いはずと思ってた。

    でも、両親は完全ではなくて、両親が教えられない事を村内先生が教えてくれる。

    そんな大人に子どもたちにも出会って欲しい。

  • 中学校という狭い世界の中で
    どの子も何かしら抱えてる

    自分を嫌いになる前に
    「間に合ってよかった」と笑いかけてくれる先生がいる

    村内先生。
    ずんぐりとした見た目で、吃音があり
    何かを話す時激しくつっかえる
    それでも喋る。ひどく苦しそうに顔を赤くして…
    ただ、本気で伝えたい事だけ
    本気の言葉で話す先生の言葉は、
    つっかえていてもちゃんと相手の心の届く。

    教師を刺してしまった男の子
    ハンカチを握りしめていないと喋れない女の子
    何気なくいじめに加わってしまった男の子

    そんな子たちにそっと近づき
    笑いかけて
    彼らが立ち直る頃には、もう別の学校に行っている
    そんな先生

    ------------------------------------------------

    どの話にも「悪い役」はいる
    でも「悪い子」はいない

    どの子にも理解できる感情があって
    反発しながらも、自分の行動を省みる場面がちゃんと描かれてる
    現実はこうは上手くいかないと分かってはいるけど
    こんな現実だったらいいなと願ってしまう

    重松先生も吃音のコンプレックがあり
    教師の夢を諦めた、とあった
    だから私の村内先生のイメージは、本の書影の重松先生そのもの

    たとえ上手く言葉に出来なくても
    伝えたいという気持ちまで諦めてはいけない
    そういう事を感じさせてくれる読書でした

  • 読みたい本に登録していたところに、フォローしている方の感想を読んで、今月の購入本にしました。

    いろんなことで苦しんでいる中学生の元へやってきて、寄り添ってくれる非常勤の村内先生のお話です。

    吃音の村内先生の言葉に何度も泣かされました。
    はい!外では読めないやつです。

    カッコウの卵がわたしは一番良かった!

  • 久しぶりの重松清作品。やっぱり予感は当たり、電車の中では読めない本でした( ; ; )

    8話の物語の主人公は、中学校の国語 非常勤教員:村内先生。オジサンでもっさり、国語の先生なのに吃音で授業は聞き取りにくい。
    「うまくしゃべれないから、たいせつなことしか言わない」

    孤独感を抱える生徒の側にすっと来て『間に合う』ことを仕事にしている。
    中学生の不安定な心を描き、胸が苦しくなった場面もあったが、とても温かく豊かな読了感。

    あとがきを読み、重松清のパラレルワールドなのかもしれない、と思った。

  • この作品を読んでいる途中で何故か胸苦しくなってしまった。分からないまま読み進めてきたが、読み終わって、「あの時、あの頃、私も誰かに傍に居て欲しかったんだ」と気付いた自分がいる。寂しかったんだと気付いた自分がいる。
    そして、何故か胸が暖かく感じている。

  • 心を動かされすぎて一編終わる度に本を閉じてあれこれ思いを巡らせてしまった。「あたりまえ」で「ふつう」の人たちが作っている社会、そしてそんな「ふつう」の人を育てる学校。「ふつう」でいられない人の苦しさ、「ふつう」の人がそんな人を無意識に傷つけている怖さが書かれている。

    だけど、「ふつうの人」って本当にいるんだろうか。
    「あなたはふつうの人ですか?」と問われた時に「はい、私はふつうの人です」と答えられる人は何人いるのだろうか。少なくとも私は自分がふつうの人だとは言えない。「君は普通じゃない」と人に言えてしまう人も、やっぱり普通じゃないんじゃないか。そう考えるとみんな、「孤独」なのかもしれない。
    本の一編『ひむりーる独唱』で村内先生が紹介した、草野心平の詩の一節が染みる。

    『みんな孤独で。
    みんなの孤独が通じあふたしかな存在をほのぼの意識し。
    うつらうつらの日をすごすことは幸福である。』

    私は教員として、この詩のような幸福な空間を教室に作りたい。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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