- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101349275
感想・レビュー・書評
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教員目指す人は読んでみて
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どの短編も大人になって卒業した後の、「先生」とのエピソードを生徒目線や先生目線から書いている。
自分が卒業生を出してないからまだわからないけれど、教師という仕事は誰かの人生に少なからず関わっていると改めて感じました。してあげられることは少ないけれど、偉くなくて良いけど、ちゃんと生き方を教えてあげたい。 -
短編で物語が構成されていた。先生という職業にも色々な形があると思った。
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2020.10.07~10.10
国語の読解問題で取り上げられていたので、続きが気になって読んだ。
嫌なタイプの先生、「こんな先生、居たら良かったのに」と思う先生。人間だから仕方がないけど、でも、それでは先生としての職業はダメなんだよ。
この本、多くの先生に読んでほしい。そして、考えてほしい。 -
私自身、教師を目指すという過程でこの本と出会いました。
近い将来「先生」と呼ばれる立場に立って、自分は何を児童生徒に伝えられるのか、そう思い悩んでいた時に読みました。
本作品は、短編集のような形で様々な先生のあり方が記されており、自分らしくも先生でいるということの大切さを感じます。 -
にんじんの章が印象に残った。
私も高校生の頃に同じような事をされた経験があるから。
凄く嫌だった。だから、「自分の子どもが同じような事をされたら絶対に許さない」というのは、子どもがいる親になった今良く分かる。私も絶対許さない。
だけど、会社では私も苦手な子がいて、ここまで露骨ではなくても似たような事をしてしまう時がある。私も先生と同じように罪悪感はある。その子の親もそんな事願わなかつただろうし。だけど苦手だと正直に思う。どうしていいか分からない。
多分腹を割って話し合えばこんな気持ちはなくなるかもしれないけど。そうすれば世の中の喧嘩や争いは減るのかな?とも思うのは話が飛びすぎかな。
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一話一話泣けて困る。
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僕たちは誰もが、一番身近なおとなを「せんせい」と呼ぶ日々を過ごしてきた。
あとがきに書かれていた一節。教師という職業に対して、教師よりも熱い想いを抱いていることが分かる作品。本人も言っているが、教師と反りが合わないあぶれ者も好きだという。肩をポンポンと叩いて、大丈夫だよ、せんせいなんか気にするな、と言ってあげたくなるという。まさにそんな作品。教師にも生徒にも寄り添い、温かく書かれている。どちらも程よく救いようがなくて、人間くさくて、さっぱりしているのに心に残る。実際の教師生徒間の関係にそっくりではないか。 -
誰にでも忘れられない先生がいるもんだ。
中1の時、授業中ふざけててビンタするよて怒られた恐いせんせい。
高2の時、今まで赤点で嫌いだった化学の面白さを教えてもらい化学系の学部に進むキッカケを築いてくれたせんせい。
今でも忘れません。 -
今年も新潮文庫夏の100冊が始まったようだ。
さて今年は何を読もうと思って、好きな重松さんのものを手に取る。去年も出たばかりの「青い鳥」が入っていたなと振り返る。それにしても新潮文庫に入っているものは全部読んでいるのだが、いつのまにか17冊にもなっていたのだなあとしみじみ。
「白髪のニール」と「泣くな赤鬼」で泣く。「白髪のニール」いいなあ。30代前半の自分には響くものがある。
どれもいいのだが、その中でひっかかったのは「マティスのビンタ」という一編。何となくこれだけ読んでいてしっくりこなかったので、逆に何度か読んでしまった。
先生と生徒という関係は、影響を与える、与えられる、という物語になりやすくて、その中で、逆に生徒から先生が何かを与えられる、というパターンの話もあるのだが、「マティスのビンタ」だけ、そのどちらでもないような感じがしたのである。
「マティスのビンタ」には印象的なくだりがあって、認知症の人でも、学校の先生をしていた人は「先生」という呼びかけに応じる、というところである。この一編はひょっとして作家が実際に見聞きしたことの中で印象的なものが膨らんでいったようなものなのかなと、だから明瞭な構造を持たない(もしくは持つように書けなかった)のかなと勝手な想像を巡らせたりしてみた。