窓の魚 (新潮文庫)

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著者 : 西加奈子
  • 新潮社 (2010年12月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349565

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窓の魚 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ナツ、アキオ、トウヤマ、ハルナ。
    四人がそれぞれの内面を語るのに、四人の外で起こる事件や四人の外を動く人物の声が、余計に真実を濁らせていくようで、巧み。

    最初は互いに相容れない四人に見えたのに、欠落した部分が不思議と重なり合って、補い合っている。
    人を求めながら、人を拒絶するしか出来ない四人。

    中でもナツが一番可哀想な役柄なのだけど、彼女の持つ無気力感やぼんやりとした空白に漂う清潔な色香が好き。ふわふわ、飛んでいきそうな儚さ。

    男二人は心底どうしようもなくて、笑える。
    自分のことは自分で解決しろよ、と言いたくなる。

    この作品が直木賞なんだな、と思うとちょっと意外だった。

  • 読みやすかった。殺された人物が誰であるのかが結局明かされないのと、最後のアキオと女とのやりとりもよくわからなくて、少しモヤモヤした。感覚で読む推理小説という感じでしょうか。
    四人の登場人物それぞれクセが強く持っているバックグラウンドもそれぞれに重い。それぞれの視点から聞こえなかったセリフを照らし合わせてみるのは面白かった。
    アキオがナツに薬を飲ませているというのが驚きであり、何か奇妙に現実味を帯びていて落ち着かない気持ちになった。

  • やべぇこえぇやべぇこえぇやべぇこえぇでもおもしれぇ! ハンパねぇェ!!

    西加奈子2冊目だけど、初が「きりこについて」だったから、あらすじ読んだだけで前とちょっと違うと思って積んでた。だけど読み出したら止まらない止まらない。怒涛のイッキ飲み、いや読み。という感想だけだと、読んでない人にはなんのことやらですね。ネタバレを書くのは主義に反するので極力控えます。

    とにかくドキドキハラハライライラ最終章は読み進むにつれドキバクガクブル?しながら、怖い怖いこわいでも止まらないー!と、3時間ほどで一気に読んでしまった。なんという裏切りというか。文章は静かで穏やかで、でも楽しそうなのにそう読めなくて、正直最初はよくわからない。

    4人の登場人物たちはみんなそれぞれいろんな悩みや嘘や裏切りなど、深いものを抱えていて、かなり暗い。ドロドロしてたり、好意を上手く相手に伝えられなかったり。三角関係? とも取れたけどもっと複雑。決して恋愛話ではない。ミステリーかホラーか、それとも?としばらく悩みながら読んだ。

    そして結末は読者の解釈次第て…謎は残ったけど、そんなことはどうでもいい。多分あの人だ。そしてあの人じゃない。よかった、と勝手に解釈。猫と犬の名前はなんとなく、暗示的だと思う。

    中村文則さんの解説は大変失礼だけど、本当おまけみたいなものです。あとで読んでほしい。あとからなるほど、と思えば充分。

    ただビールについての言及は流したかな、と思って読み返してみたら、流石西さん!と妙に納得。ビール飲みにしかわからないとは思うけど。ごめんなさい中村さん、おまけとか書いちゃって。

    まず読んだあと中村さんのように「余韻に浸」りつつぼーっとして、気になるところや、謎とか不明なとことかをもう一度読み返したりとか、がいいと思います。反芻?

    未読の「サラバ!」いまさらだけどすぐ読めなかったことが悔やまれる。文庫はまだしばらくないかなぁ。

    とにかく西加奈子、恐ろしい子…。

  • 何冊目かの西加奈子さん。でもやはり無理だった。
    解説の中村文則さんの冒頭「いい小説を読むと、余韻に浸りたくなる。」も共感できなかった。
    ほんわかした文体、優しい描写は結構な出来事もほんわり伝える。
    ピース又吉の帯に惹かれて手に取った本。
    でも、私はこの作家さん無理だと、いよいよ結論出そうと思う。

  • これまで読んだ西さんの作品の中では
    かなり苦手な部類に入る。

    二組の男女が温泉にやってくるとことから始まる。
    同じシーンを
    4人の視点から繰り返し表現されている。

    同じことをしていても
    決して同じことを考えているわけではない
    ということを思い知らされる。

    モノクロの映像の中で
    時々強烈な色を放つような不思議な感覚だった。

  • 西加奈子2冊目だけど、人物の心について憚らずに書く人なんだなーって思う。そして文中のリズムとか、詩的な表現とかがいい。ただ、今回はストーリーがはっきりしていなくてあまり好みじゃないかな。

    この作品では一人一人の視点から章が分けてあって、中盤くらいからミステリーっぽく見せてあるような文が見受けられる(「死んだ人の名前がデタラメで身元が判明しない」とまで書かれているのに、最後まで真相がぼかされて納得いかない笑)
    そのせいで結局死んだのは誰かが気になって、最後の方集中して読めなかった笑

    まあ、読者に解釈を委ねているのだろうけど。想像力の欠如と白黒つけたい性格のせいで私は楽しめなかったなぁ…何度か読めばまた違うのかも。読む人によっても、読むタイミングによっても捉え方が変わってくると思う!

  • 文章自体は簡単だが、そこに暗示される意味を汲み取ることが難しい。2回読んでぼんやりと輪郭が掴めた感覚。でも、3度、4度繰り返し読むと、どんどん印象が変わっていくのかもしれない。

    久しぶりに深みのある本に出会えたような気がする。

  • 二組のカップルが喧騒から離れた川沿いの温泉宿を訪れる。それぞれにいろいろな過去を抱えて、お互いに何か思うところもありそうで。

    安易なミステリー物にせずに、丹念に過去の描写をして含みのある会話と行動をさせるところが良い。

    この物語の真相も、その後も、一つに結論づけるのではなく、いろんな可能性を想像してみるのも面白いかなと思う。一気に読み進めて、その後でじっくり反芻して自分なりの輪郭をもたせてみたい。


    2015.8.19

  • 直木賞おめでとう!
    みたいなオビで読んだことのない作家さんだったのと、
    薄い本だったからすぐに読めるだろうと思って買ってみました。

    ぼーっとしたナツ
    ドラッカーアキオ
    整形美人ハルナ
    スモーカートウヤマの4名で旅行へGO!

    ちょっと書き出しが文学のカオリがするけど小説。
    死体のところの描写も好きかも?!

    ネコは?
    あれれ?

    犯人はわかるけど背景への理解はやや困難かな?
    他の作品も読んでみたい!

  • 冷静かつ緻密。一瞬ぼんやりとしているような描写に感じるが、それすらも淡々として雰囲気を作ってる。

  • 西加奈子らしくない小説を読んでしまったのではないか。このような一面があるとして、別な作品も読んでみないと。個人的には、あまり良くない意味で〝繊細な〟作品だと思う。

  • 西さんはこんな作品も出しているのか、と驚いた。美しさと薄暗さにどきりとする作品。

  • 男性の描きかたとか、話のつじつまとか、ビミョーにちぐはぐじゃないかと思わないではないけど、間違いなく傑作。最初はまぁ、この程度かと思ったけど、重ねれば重ねるほど面白くなっていくのは、テクニック、技術がすごい。一つ一つの細部が本当に良くできている。ぜひ、読んでみて。

  • みんなひとりよがりで、それぞれに狂気を少しずつ持っていて、嫉妬で苦しんでいて、でもどこかで自分が一番だと思っている。
    反面教師で、自己中心的な性格を反省した。
    象徴的に出てくる、池の鯉が見える温泉のガラス、きっと藻で薄緑に濁ってるんだろうな、と思いながら読んだ。

  • なんでみんなこんなに暗いものを背負ってるんだろう。いたたまれない。
    描写や暗示をする一言一言が深いが、後味はズーーーン。
    こんな旅館行きたくないです(笑)
    アキオは特に狂ってる。ナツは元々どんな人間だったんだろう。

  • 温泉に行きたくなったし、煙草も吸ってみたくなった。
    これけっこう好きかも。西加奈子の話はミステリー調が多いのね。
    あと『窓の魚』は感受性が敏感すぎる人があんまり出てこないから感情移入しやすかった。
    「藪の中」的な作品ですね。

  • 温泉に宿泊した4人の男女。
    それぞれの視点で語られながら、それぞれのそれまでの人生が語られる。

    ---------------------------

    いわゆる”それぞれに真実がある”ということなのだろう。別に嘘をついてるわけじゃなくて黙っているだけなのだけど、人には言わない、言えないことがある。

    女が死んだのはおまけみたいなもので、
    男女4人の心の暗い部分を少しだけ見せて、なんの決着もつけずに素通りしていくような展開に恩田陸的雰囲気を感じる。

  • 四人の温泉宿に来た若者たち。静かな話でなにかおこるわけではないのに、皆のことが知りたくなって結局最後まで読んでしまった。こんな作品が書けるのはすごい。

  • 耳たぶをやたらと舐めたがる印象。全員病的で気分が悪くなる。不健康な小説。恋愛小説なのだろうか。世界観を受け入れきれずに終わってしまった。誰に対しても感情移入も共感も出来ず、起こる物語の全てが胡散臭かった。これはちょっと狙いすぎ。

  • 去年、買ったのかな…読んでわりとすぐに友人に貸して、返ってきてから放置して…久々に読んでみました。

    不穏過ぎるー!よく友人に貸す気になったもんだ…。不気味ですらある描写で、でも目が離せない。怖いもの見たさで読み進めてしまう。

    川の側の宿…てことで、今までに行ったことのある旅館を思い返してみる。季節の名前を感した4人の人物。今風?に言えば、ダブルデートで温泉旅行←十分に古臭い言い方かも…なのに、この4人のそれぞれに抱えた過去の暗さったらない…。それぞれの日常に戻ったら、何か変わるのかな。

  • 他の作品と比べると暗め。謎がすべて解かれるという前提で読むともやもやした気持ちで終わってしまうだろう。温泉の話なのに温かみが皆無。水風呂です。

  • 温泉旅行にやってきた2組のカップル、4人。ナツ(♀)、トウヤマ(♂)、ハルナ(♀)、アキオ(♂)の章で構成されています。ちなみに恋人同士なのはナツとアキオ、ハルナとトウヤマ。いつもの西加奈子とは異なり、ひたすら暗い。途中、旅館で殺人事件まで起こったことが4人以外の言葉で語られる形で挟み込まれ、ミステリーかと思いきや、種は明かされないまま。不愉快に感じる性的表現も多いのに、なんだかんだで最後まで読ませる力量はさすがです。中村文則の解説がわかりやすく、できれば彼の解釈を聞きたかったところ。人それぞれ好きに解釈していいと言われても、私にはこれを読みこなす力はありません。せめて4人のうちの誰か、感情移入できそうなタイプの人がいれば、もう少し楽しめたかも。個人的には読後感の良いユーモアに溢れたいつもの西加奈子が読みたい。

  • ★★★☆☆ 白昼夢を彷徨う亡霊は朝露の光が煌めく蜘蛛の巣上で、毒牙に痺れて動けない四肢を糸で絡め取られる。意識が混濁して思考も混乱する中で、音を立てて無惨に捕食される。男女4人秋物語。夜の青黒さに怪しく光る鯉の艶かしい白と口紅のように鮮烈な赤が不気味に蠢く。現実の世界で満たされない孤独を空想の世界で満たそうとする男女。トウヤマがトラウマに見えてくる。人物名が四季だから冬山か?途中まで退屈でつまらないのに、最終章でグッと読者の心臓を鷲摑みにして、複雑で曖昧で不思議な余韻を突き付ける。これはズルいッ‼︎

  • 2017/3/28:西さんの本には珍しい内容と書き方。でも伝わってくることは深い。4人の思っていることは微妙にずれていて、本音で話さないとわからないことって沢山あるんだろうなと思う。アキオが弱者に対して思うことは、共感し愛情があってなのか、自分が上に立てる優越感なのか。

  • 西さんと言えば「力強い弱者」を描いた物語が多いという個人的印象だったが、これは違った。一見どこにでもいる若者の男女のグループ。一見とその内面は違うのは十分承知だが、キャラクターそれぞれの心の描写、特に「負」の描写にグッとくる一冊。西さんの違った一面を見た作品

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窓の魚 (新潮文庫)の作品紹介

温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠落を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一体の死体が残される-恋という得体の知れない感情を、これまでにないほど奥深く、冷静な筆致でとらえた、新たな恋愛小説の臨界点。

窓の魚 (新潮文庫)の単行本

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