村上海賊の娘(二) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349794

感想・レビュー・書評

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  • 和田竜の時代小説を読むのはこれが初めてだ。脚本家から出発しただけあって、全編映画用に書かれたが如くであった。3巻、4巻の後半を読んでいないので早計かもしれないが、まるで二時間映画のために作ったようなストーリーと描写が続く。よって、全四作のうちの今作は、前半のクライマックスが描かれる。

    要は世に「悲惨」というイメージでしか捉えられていない信長の本願寺攻めを、敵も味方も「海賊」という、未だあまり描かれていないキャラクターを持ってくることで、野放図、野性的、豪快な「明るい戦争」に描き直したのがこの作品なのではないか、と今段階で予想を立ててみる。

    当然ヒロイン景(きょう)は、映画化されたならば先ず発表されなければならない。誰もが思い描くのは女優の杏だと思う。小説での描写や彼女の演技力から言って、ピッタリだとは思う(長身である事、日本的な美人ではなく西欧的な彫の深さ)。しかも、彼女の容姿をめぐってのエピソードが本作のストーリーを動かしているのだから、ヒロインは誰でもいいというわけにはいかない。しかし最大の難点は、ヒロイン景はこの時20歳。杏は今現在30歳なのである。これから映画化が決まって撮影に向かってゆくとなると、杏は更に歳をとるだろう。この歳の差はキツイ。となると、まるきりの新人スレンダーモデルを持ってくる方法もある。ただしそれは、かなりの冒険になる。

    合戦の場面は、映画化の最大の魅力だろう。海もあって、広い原野があり、お互いが遠くにポツンと見えるほどの所に、大阪本願寺、天王寺砦、木津砦がある。ロケ地選びも楽しそうだ。

    物語は単純なので、全体の評価はまだまだ読んでみないとわからない。今年の夏の愉しみではある。

    2016年7月読了

  • まだ中盤なので4で!全然5付けていいです笑

    一巻より遥かに読みやすい。視点が景と、七五三兵衛、義清がメインで進む。
    天王寺砦と木津砦から始まり戦が激しくなっていくところは見物。戦の流れで進んでいくから場面はほぼ飛ばなく、読みやすい。
    色んな男たちが出てくるけど、それぞれ性格や心情が違っていて、魅力的なキャラクターになってる。
    多分顔はタイプじゃないけど、豪快でみんなの兄貴、七五三兵衛はなかなかカッコイイ。铦を投げて戦うのは一種の特殊能力。異次元の強さで笑えてくる。

  • 七五三兵衛と義清の男の友情(?)にやられた。

  • 面白かった

  • いいぞ、泉州侍!

  • 大坂へ上陸し、泉州の海賊にちやほやされるという当初の目的を果たした景ですが、後半では影が薄く七五三兵衛が主役みたいな扱いでした。本願寺の門徒側、織田軍側、どちらの登場人物にも思い入れが出てきただけに、合戦の場面が辛い……。指揮官が馬鹿だと従う兵士が気の毒だというのはいつの時代の戦も変わらないですね。いよいよ信長登場、源爺と留吉の行方も気になるので、続けて3巻目に行きます。

  • 第2巻。そして物語は、織田軍と本願寺門徒との最初のぶつかり合いに突入する。
    天王寺の砦から木津砦に攻め入る織田軍。それを許すまじと防戦する門徒たち。
    一進一退、二転三転の攻防の中でそれぞれ描かれる、七五三兵衛の勇猛、触頭・義清●の沈着且つ果敢、もうひとつの触頭・松浦家兄弟の奸智、雑賀党首領・孫市の豪胆。
    寄せてはかえすめぐるましい戦況の変化がつぶさに描かれ目に浮かび、緊迫の戦場で男が男を知る場面にはグッとくる。
    一方、合戦には出られず見てるばかりなので仕方がないけど、感情の赴くまま戦に食付くのみの景姫の影は薄い。
    ★は男どもの猛々しさに0.5はおまけで献上。

  • 大坂についてから戦が始まって攻防戦が一段落するとかろまで、つづきを見ていないので戦自体の成り行きはしらない。2巻終わりは後詰めで織田軍が駆けつけるところまで。

    前半は泉州侍と景とのやりとりのみで話がすすまない中盤のたるんだところかなと感じたが、戦が始まったところから巧みな描写で物語が描かれまるで映像作品を見ているような気分になる。

  • マンガみたい読みやすい

  • 一巻からずっと、ページを捲る手が止まらない。
    日本史が苦手だったという単純な理由で歴史ものは避けてきたが、このシリーズに出会ってから、逆に日本史をもっと知りたいという気持ちがとても強まっている。

    今回は特に合戦で活躍する泉州の男達がめちゃくちゃかっこよく、それぞれの心意気に天晴な気持ちだった。キャラクターも立っていて、終始わくわくが止まらなかった。これぞ小説の醍醐味。
    早く続きが読みたいです!

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