村上海賊の娘(四) (新潮文庫)

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著者 : 和田竜
  • 新潮社 (2016年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349817

村上海賊の娘(四) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 解説によると、登場人物はすべて実在の歴史上の人物(源爺や留吉以外)であるそうな。
    膨大な史料を駆使し、史実に則りながら、登場人物に血肉を与え、ここまで生き生きと描き切った著者の手腕に畏敬の念。
    そして、村上氏の系図に「女」とあるのを見つけ、彼女に景姫と名付け、想像力と構想力で縦横無尽の活躍をさせる。
    その死闘ともいうべき戦い(劇画チックな場面もあるが<笑>)は、血沸き肉躍る冒険活劇となり、読書の醍醐味を堪能させてくれた。

  • 城山三郎「秀吉と武吉」とは違った村上海賊を読んだ。景を通して、悪の敵を成立させずに合戦に突入。3巻からの木津川合戦からは引き込まれて一気読みになった、
    沼間義清の死がもっとも心に残った。こいつを助けてやりたかった…

    飛行機で瀬戸内海上空を通ると、のどかな島々が伺える。450年ほど前にそんな激しい戦いがあったとは思えないほどの綺麗な景色だ。まさしく「つわものどもが夢の跡」

  • 迫力に圧倒されながら、一気に読了。

    信長の大坂本願寺攻めに絡み、難波の海で繰り広げられた木津川合戦の一部始終が、それはそれは生臭く、スピード感満点で描かれていました。
    どの一族も、それぞれの立場で思いのままに生きているのが印象的。村上海賊だけじゃなく、泉州海賊も凄かったんだと、なんだか新鮮。

    闘うシーンの描写はえげつない。でも、景ちゃんが悟ったように、戦いって、そういうものなんだろうと思いながら読みました。戦の残酷さ、過酷さを知り、傷つきながらも戦いに飛び込んでいった景ちゃんは、この戦いのあと、どんな奧さんぶりで生きたんだろう。知りたいです。

    そして…本筋じゃぁないんだけれど、瀬戸内で醜女とされた景ちゃんが、グローバルだった堺、泉州では別嬪さんだとモテモテになったというのは、なぜかなんだか嬉しかった。誰でも、世界中のどこかにきっと、モテモテになれる地域があるに違いない!妙な勇気をもらえた気がしたのでした。

  • 爽快、通快、一気に読み終えました。
    のぼうの城に引き続き、読み応えもあって途中でやめられない。
    登場人物も魅力に溢れ、海戦シーンも絵が自然と浮かぶ。私は大好きです。

  • 前半はなかなか入り込めなかったけど、景が復活してからはとても面白かった。

    歴史に詳しい人や好きな人が読んだらもっとおもしろかったんだろうなぁ。
    この時代、家というのはとてもとても大切なものだったんだろう。それぞれが思いを貫く姿はとてもかっこよかった。そして、切なくもあった。

  • 最終巻は1冊まるまる木津川合戦。村上海賊を主力とした毛利軍と、真鍋海賊を主力とする織田軍の海戦は、さすがのド迫力。ぶつかりあう猛者たちの戦いっぷりにまさに血沸き肉躍る。景も自分らしさを取り戻して迷いがなくなったので、その戦いっぷり自体はとてもカッコイイ。

    しかしどちらの海賊もいわば傭兵、雑賀党も含め、織田に雇われてるか毛利に雇われてるかの違いだけで凄惨な殺し合いをしなくてはならないのは勿体ないなあ。好敵手に出会えてワクワク、みたいな少年漫画的戦いには仕立て上げてあるけれど、やはり景が戦を始めた理由と、鬼手云々には最後まで納得いかなかったこともあり、主人公側から見れば敵であるところの泉州侍、真鍋海賊たちのほうに内心肩入れしてしまった。

    作者が史実を徹底的に調べているところは好感度大。のぼう~からずっと、戦国時代とはいえ比較的マイナーな一戦場をクローズアップして主題に選んでいるのも一貫しているし。当時の人名や専門用語など、丁寧にふりがなを振ってあるのは新潮文庫にありがとう(笑)人名とか最初に覚えたつもりでも、しばらくするとまた読み方忘れたりするので、章が変わるごとに何度でもふりがなつけてくれるのが大変親切でした。

    逆に気になったのは登場人物(とくに景)の言葉使い。昔の人がどんな喋り方をしてたか正確に再現するのは不可能だしもちろん雰囲気のみの基本現代語訳でいいと思うのだけど、それにしてもあまりにも場違いな現代の若者言葉がたまに混じるのが、のぼう~の頃からひっかかっていました。今回、泉州弁など上手く駆使してあっただけに、余計にたまに出る「現代弁」が浮いていたかも。

  • ー自家の存続。
    木津川合戦にかかわった者のほぼすべてが望んでやまなかったこの主題は、結局のところ、誰も果たせなかったと言っても過言ではない。(349p)

    和田竜の作品を読むのはこれが初めてだった。しかし、映画は観た。「のぼうの城」である。あの作品は、派手めなところは荒唐無稽に見えて、話の大筋は史実に沿っていたのが、大きな魅力だった。驚いたのは、主人公たちのその後をキチンと史料に沿って説明していたことだ。かなり突き放した感じで、説明していた。のぼうに恋い焦がれていた「姫」の想いが全然叶わなかったこと、わざわざ説明しなくてもいいのに、とさえ思った。

    しかし、「史料」には時々裏がある。或いは、彼らの行動の多くは事実だったとしても、行動にうつるその「想い」は史料を書いた著者の意図と離れている場合も多い。私は映画を観て、城の明け渡しを百姓のために拒否したのぼうの想いを疑いはしない。映画や小説で、延々と描かれる細部に真実は隠れているだろう。

    和田竜が、小説描写の合間合間に、異様に「史料」を挿入するのは、史実の合間に隠された、想いの真実を、浮かび上がらせたいからに違いない、とこの長編を読んで確信した。

    「鬼手」が史実としてあったかどうかが、問題ではない。「鬼手」という秘策によって、海賊たちが、海賊らしい戦いをした「史実」が問題なのだ。

    木津川合戦の後の登場人物たちの人生を説明した後に、和田竜はこう書く。それには、ここで説明されなかった真鍋七五三兵衛の事も、当然入るだろう。

    ーそれでも、いずれの人物たちも、遁れがたい自らの性根を受け容れ、誰はばかることなく生きたように思えてならない。そして結果は様々あれど、思うさまに生きて、死んだのだ。(349p)

  • 最後までほぼ一気読みしてしまうほど展開がどうなるのか引きずり込まれます。七五三兵衛さんの鮮やかなほどの戦いぶりに今の人にはないかっこよさ、それに負けじと挑み続ける景の粘り強さがぶつかり、減らず口を叩きながらも剣を交える姿は心討たれます。最後の描写と弟の強い事実からの活躍をもう少し読みたいなと欲を言えば思いましたが、概ね満足で読み終えました。

  • 木津川合戦の火蓋が切って落とされ、泉州侍と村上海賊の間で激しい戦闘が繰り広げられます。和田さんの文章から戦いの場面を想像すると非常に血なまぐさいのですが、ところどころ道夢斎と宗勝のやり取りのようなユーモラスな場面もありました。双方死力を尽くした戦いを終えた後、下間頼龍、お前だけは許せんと思っていたので、景のとった行動に胸がすーっとしました。史実をもとに見事なエンターテインメント作品に仕上がっていて、映像向きだと感じましたが、景姫の役にぴったりの女優さんが思い浮かばないなあ……。

  • 2016/10/6

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村上海賊の娘(四) (新潮文庫)の作品紹介

難波海の睨み合いが終わる時、夜陰に浮かび上がったわずか五十艘の船団。能島村上の姫、景の初陣である。ここに木津川合戦の幕が切って落とされた! 煌めく白刃、上がる血飛沫。村上海賊の投げ放つ焙烙玉が、眞鍋家の船を焼き払う。門徒、海賊衆、泉州侍、そして景の運命は――。乱世を思うさまに生きる者たちの合戦描写が読者の圧倒的な支持を得た完結編。

村上海賊の娘(四) (新潮文庫)のKindle版

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