僕の妻はエイリアン―「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.59
  • (39)
  • (79)
  • (88)
  • (16)
  • (4)
本棚登録 : 562
感想 : 103
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101350516

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 広汎性発達障害を何となく(しっかりではない)学ぶには読みやすくていいと思う。ただ、同じような記述がいろいろな章で繰り返されていて、途中で飽きてしまった。あと、この差別的なタイトルが非常に不快で、違和感を感じながら読んでいた。途中で読むのをやめた人もいるんじゃないかと思う。そんな人は読むのをやめる前に著者あとがきを読みましょう。ビックリするオチがついていて、自分の誤解も溶けてしまった。

  • アスペルガーの妻との日常。アスペさんどうしだと、どうなるんだろう。

  • この妻欲しい。

  • タイトルの通り、「高機能自閉症」の夫婦の日常を夫の目線から描いたもの。読む前は「自分とは違った人」を「へーこういう人もいるのね」って客観的に知識として捉えるものかと思って読んでみたらそうではなくて、どちらかというと身につまされる感じ。
    「不確実なことをあいまいにしておくのが苦手」「言葉を文字通りにしか捉えられない」「相手や場面に応じて適切なコミュニケーションをとるのが苦手」「異常に数字に弱い」といった自閉系の特徴を持った妻がそれらを客観的に受け止めながら、夫婦関係や社会との関わりを大変な努力で構築していくさまには、「周囲からのフィードバックで己を知る」「とことん努力する」「強みを突き詰める」「助けを求めることを厭わない」といった人として普遍的に大事なスタンスを教えられた気がして、ちょっと尊敬の念を抱いた。
    もう一つ印象に残ったのが「スペクトラム」という概念。自閉症にも知性、社会への適応度など様々な要因があり、自閉症の特徴を持つ人は、その要素の虹のような連続体(=スペクトラム)の中のどこかに属するという考え方。内向性とか言葉をその意味通りにしか捉えられないとか、自閉系の特徴って自分の中にもゼロじゃないなー、ということで、このスペクトラムという概念に妙に納得。ビジネスの世界では、「セグメント」とか「フレームワーク」とか「ラベリング」といった割り切り・わかりやすさが大事だったりするが、そういう捉え方が不適切で本質的じゃないケースもあるよなー、ってしみじみ実感。

  • 自分と共通点が多くって、ビックリというかやっぱりというか(*_*)
    不安でいっぱいになって寝込むこと多々。予定変更、心が混乱します( ・_・;)などなど…

  • 発達障害の当事者が書いた
    私にはこういう症状がありますよ~という本。

    カテゴリーがすっきりしていないのかな?
    ちょっと読みにくかったと感じました。

    妻が書いた後発の本を先に読んでいたので
    名前が???と思いながら読んでました。

    夫名義として文章にしているのに他の作品と同じ作者名というのはちょっと混乱しました~・・・

  • とてもよくできた本でした。発達障害の人にも、発達障害と接する可能性のあるすべての人にお勧めしたいです。

  • 「高機能自閉症及びアスペルガー症候群」の女性の生活が描かれています(ノンフィクション)。

      自閉症の心は、ある意味すごく合理的だ。証拠がないなら、信じられない。以上、証明終わり。でも、現実の世の中には確実なものなんてあまりにも少ないから、不安になりやすい。何でもない小さな変化でさえ、世界崩壊の始まりぐらいに大きく感じられたりする。妻の場合、そんなささいな変化に反応して自分の中で不安やっ恐怖が起こっているなんて思いもよらなかったから、原因不明の強い動揺を怒りだと思い込み、理由は手あたり次第、適当に目についたものを無意識にこじつけていたらしい。

    とか、

      妻に何か言うのは、コンピュータにコマンドを入力するのと似ている。「出て行け」とインプットするとそのまま実行に移そうとするし、「取り消し」を入力するまで、冗談抜きで本当に出ていかなくちゃならないと思いこんでるんだ。

    とか。一つ目は、怒りの正体は恐怖であるという話で、二つ目は、高機能自閉症の人は知的障害が全くない(むしろ優れた頭脳を持っている)にも関わらず空気を読み取ることができない様子が良く描かれています。

    これらの事が一般に理解されると、障害は障害ではなくなりエイリアンは地球人になるのかなと思いながら読みました。

    もちろん、一症例にすぎませんが、色々と気づきが得られる本ですし、エイリアンとまでは行かなくてもその傾向を持っている人と接することはよくあることなので(自分もそうかもしれないし)貴重な本と思います。

    ただ、そんなに楽しい本ではないので読み進めるのには体力がいるかもしれません。

  • 解説で市川拓司さんも書いておられるけど、私もかなりこのディテールに当てはまる。たぶん自閉症スペクトラムのどこかにいると思う。
    ここに出てくる「妻」のいろんな特徴のいくつかは、そのまま私にもある。
    「自閉系異星人」という言葉も、普通の人が聞くともしかしたら嫌な気持ちがしてしまうのかもしれないが、言ってる本人は言葉通りの意味しか持たせてないので、そこに差別とか侮辱といった意味合いはまったく入っていないのだ。
    そういうことが私にもよくある。言葉、字面通りの意味でしか使っていないのに、普通の人はそこで勝手に裏を読んで怒ってしまうのだ。
    「電話の音に毎回驚く」という指摘は逆に驚いた。みんなびっくりしないんだ、と思って。予定が狂ったら私もパニックになってイライラしてしまうし。
    世界が不安に満ちているのはなぜだろう、と思ってきたけど、境界線も予測も存在しない世界だもの、不安に決まってるよな、とようやく理由がわかった気がした。
    ダンナしつこい、と思っていたんだけど、妻が書いてたんだからしつこくなって当然なのであった。こんなところにも異星人ぶりがにじみ出ているものなんだな。

全103件中 31 - 40件を表示

泉流星の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
湊 かなえ
伊坂 幸太郎
村上 春樹
貴志 祐介
綿矢 りさ
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×