流れ星が消えないうちに (新潮文庫)

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著者 : 橋本紡
  • 新潮社 (2008年6月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101351810

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流れ星が消えないうちに (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • わたしは毎日持ち歩きたいくらい大好きな本です。

  • 再読。美しい装丁に切なさが詰まった1冊です。

    大好きな恋人を亡くした奈緒子が主人公です。
    喪失の痛みと、それでも生きる人の強さに引き込まれました。
    夜から夜明けに向けての物語は、一人静かに読むのにお勧めです。

    作中でも言われていますが、年をとるってよいですね。
    いろんな経験を積んで、少しずつ賢くなれる。前はわからなかったことが、わかるようになる。
    それでも、いくつになっても悩んだり迷ったりもする。
    不器用だけど、そんな「人」ってよいねと思います。

    加地くんのように、繊細なアンテナと考える頭を持っている人にとって、生きることは大変なことかもしれないけど、その分たくさんの素晴らしいものを感じ、見ることができるんだと思います。
    状況は変わらなくても、何かやってみるといい。立ち止まって考え続けるよりも、動き出すことで見えてくるものがある。
    私も、そう思います。

    重松さんのあとがきがまた心に響きます。
    「空を見上げるのは、祈りだ。
    傷つき、苦しんできたひとたち――永遠を生きることがかなわないからこそ愛おしい生を生きるひとたちが捧げる、歩きだすための祈りだ。」
    あとがきもセットで読むことで、心に余韻が残ります。

  • はじめましてな橋本紡さん。最近、恋愛小説を読むようになったので、本屋さんで平積みされていたこの本を手に取りました。でも、これは恋愛小説じゃないなあ。切ない、よくある、恋愛小説だと思いながら読んでたら、全然、良い意味で期待を裏切られて。このお話の中で度々出てくる、加地くんや巧や奈緒子が繰り返す言葉。考えてばかりで立ち止まっていないで、動かないと。動いてこそ、見えてくるものがある。立っている場所が変わると、同じ風景でも違うふうに見える。本当に、そのとおりだなあと。なんだかすごく、これらの言葉が自分の中に響いてきた。人生の再生。奈緒子が日々見つける小さな幸せ。奈緒子と巧くんのそれぞれの思いと重なる思い。お話自体は淡々と、そこまで大きな事件もなく進んでいくけど、そのなんていうか、温度がね、良いね。優しいしそっと寄り添う。人って、ほんと、生きていれば山のように辛いこと・悲しいことに遭遇するけど、でもそうやって、辛いなあ・悲しいなあって思いながら泣きながら生きていくことで、明日を生きられるっていうか。奈緒子の、少しずつ少しずつ前に進んでいる感じが、なんだかすごく良かった。巧くんもかっこいいよね、うん。そして主人公たちを取り巻くまわりの人たちもすごく良い。あったかい、お話に出会いました。そして最後になにより解説が重松さん!完璧すぎました。

  • 加地くん、加地くん、加地くん・・・
    なんて、せつないの。

    プラネタリウムとフォークダンスのシーンは、
    奈緒子が加地くんにグッと惹かれていく様子が
    空気ごと伝わってきてなんだかくすぐったく、
    甘酸っぱくて幸せなあの頃を思い起こさせた。

    どうしても消えることのない存在。
    忘れられたなら、どんなにラクだろうね。

    無理に消さなくたって、いいのかもね。
    時間が解決してくれることも、あるのだ。
    大人になって、ものの見え方も変わってゆく。
    受け止めれるものが広がってゆく。
    自分も、まわりも。

    誰かと誰かの関係性は、それぞれが1対1で
    ちゃんとつながっていて、ひとつの崩壊で
    その他が一緒に壊れてしまうわけではない。

    「ちゃんとひとりで立てる人間同士が、それを分かった上でもたれ合うからこそ、意味が生まれるんだ」

    悲しみは、優しさに変えよう。
    ちゃんと立って、もたれ合える人になろう。
    腹を割って、見せ合って、互いを受け入れて。
    そして、もたれ合えたなら、その存在によって
    もっと優しく強く、幸せになれるのだろうな。

  • 加地と巧はタイプが全然違う男です。
    文系で知的な加地君と、割と感情と体の動きが一緒になる巧君。
    私は巧君派で、巧への感情移入が一番しやすかったです。
    もう死んでしまってる人が相手で、叶わないと思う気持ち。そして叶わなくていいから、そういう次元じゃないところで二人で亡くなった人を大切に想おうというラスト。
    多分、実際にはこんなにきれいに行かないと思う。
    巧君のお姉さんが言ってみたいに、亡くなった人はどんどん美化されて、どんどん叶わない存在になって行ったりするのかもしれない。
    でも、解説で重松さんが書かれていた通り、この話は(というか橋本作品すべては)「歩き出す瞬間」を描いた話。
    綺麗すぎるまとまり方かもしれないけど、歩き出す二人を送り出したくなるような気持になりました。

  • 巧君のキャンプファイヤーの場面がとても好き。

    せつない三角関係。
    この二人だけじゃなくて、お父さんやお母さんや妹さんや、巧君のお姉さんや、色んなひとがいろいろなものを抱えていて、それがいい方向に向かっていきそうでよかった。
    もちろん現実はそううまくいくわけではないけれど、だからこそ物語の中は幸せでいっぱいであってほしい。みんなが幸せになってほしい、とわたしは思う。

    みんな前を向いて生きていく。わたしも、きっと。

  • 昔のこと思い出してちょっぴり切なくなった。大切な人が急にいなくなったらどうしようも出来ないんだろうな。もう戻らない過去に囚われるだけになってしまう。そこから抜け出すのはきっと無理で思い出を思い出のまま受け止めるしかないんだ。切ない恋愛小説。

  • 考えてばかりじゃ駄目だって。動いてこそ、見えてくるものがあるんだって。変わらないかもしれないけど、見る目が変わるかも。

  • 巧君の「加地の手と、奈緒子の手を、共に握ろう」という言葉が印象的です。周りの人が死んでも周りの人の中で生き続けているという言葉はよく聞きますが、その言葉の意味がよく分かったような気がします。
    読み終えて、清々しい気持ちになれる、すごく好きな小説です。

  • 幼馴染みの奈緒子に6年片想いして、ついに成就した加地君。そんな彼の想いを見守っていた親友の巧。

    加地君が旅先で事故死して一年半、現在 巧と奈緒子は恋人同士である。加地君の思い出を忘れられないままの2人が切ない。

    ただの失恋でも辛いのに、ラブラブな時期に相手が死んじゃったらどうやって乗り越えろって言うんだろ。

    山崎先輩の恋路もうまくいきますように。加地君の流れ星マシンを使った告白にキュンとして、ほろりとなった。

    私も久しぶりに流れ星に願いをかけてみようかな。

    部屋の天井が満点の星空に変わるってすごいなぁとHOMESTAR購入を検討していたのに、いつの間にか忘れてました。今度LOFTを覗いてみよう。

  • 辛いとき 悲しいときにこそ 読みたい本。
    ちょっと苦しくなって 読むのやめたくなるかもだけど
    でも 最後まで読むと ちょっとでもいいから がんばってみよっかな
    そう 思える本だと思う。

    解説もいい。重松 清さんが書いてるの。

    空を見るのは祈りだ。
    歩き出すための祈りだ。
    ひとは繰り返し空を見上げ、繰り返し祈り続ける。

    ってね。

  • とてもゆったりとした物語。面白いという感じの話ではないが、二人が加地君の死を受け入れていく雰囲気が、時々読み返したい気持ちになる。
    解説の重松清さんが、星も、亡くなった人も、「変わらない」という点で同じだ、というようなことを書いていた。確かにその通りだと思う。
    星を動かすことができないように、亡くなった人を勝手に成長させることもできない。
    流れ星に祈りたくなるお話。

  • 亡くなった“加地くん”の存在が
    残された人たちに遺した想いや、
    与える影響の大きさについて描かれています。

    当時、加地くんと交際していた
    奈緒子はもちろん、加地くんの親友も
    彼の死を受け入れて前向きになっていく過程が
    私にとって一番印象的でした。


    亡くなった人のことを
    忘れなくてもいいから、というか
    忘れる必要なんてきっとなくて、
    その人の想いを尊重したり共有したりすることで死を受け入れて前向きになれるのかも
    って思いました。

  • 橋本さんの紡ぐ言葉が切なく愛おしい。

  • 泣いた。
    切ない恋愛小説だった。
    誰かのオススメのこの作品、確かに切なかった。
    一気に、二時間で読み切った。
    ストーリー設定はノルウェイの森みたいかも。
    女の子の名前も奈緒子だし。
    年齢設定も二十歳前後だし。
    ただ、生き残った彼女と親友は、確かに生きていくことを決意する。
    今の彼氏の明るい性格がとっても素敵。
    不安定な主人公の女の子をちゃんと支られている。
    可愛いカップルの、何気無い日常生活の、とてつもなく幸せな瞬間がいくつも描かれていて、とても幸せな気持ちになれた。
    この本に出てくる人は、というか主要メンバーは、みんな思い遣りがあって、優しくて、素敵だ。

  • いっつも古本屋の100円コーナーに鎮座していて、でもなんだか甘そうだなあと横目でチラチラ見ていました。あれでしょ?傷心の女の子を見守って手も出さないでプラトニックに女の子の気持ちを慮って植物系男子がフェザータッチの淡い恋心で彼女を受け止めて行くとかそんな感じなんじゃないの?
    なんて思ってました。なら読まなければいいじゃない?と思いますよね。そうなんです。僕は心に乙女を飼っている熊系男子なので、実はキュンキュン系が好きなんです。さあ!こい!どんなキュンキュンでもこの熊パンチで粉々にしてやるぜえ!ひゃっはあ!
    と思っていた所、予想外にしっかりと男側と女性側の心持が描かれていて、おいおい酔ってんじゃねえよなんて思う部分が無くとてもいい本でした。
    亡くなってしまった加地と奈緒子のなれ初めがキュンキュンですが、そこには巧が協力していて、この流れがとても青春していて、汚れた心が洗い流されるようでした。

    ちなみに亡くなってしまった親友の彼女に手を付けた巧君の気持ち僕結構分かります。
    友達とその彼女がとても幸せそうで、見ている自分も幸せにな気分になれるのだけれども、もし友人が亡くなって他の誰かとくっつくのは見たくない。それくらいだったら俺と居ろ!という感じなのです。
    その2人で完成している状態に惚れるというか、友人と居る彼女が好きなので、自分と居たらそういう彼女でいられたのか?という感じというか。うーん。上手く言えない。

  • 良かった。ただただ読んで良かった。

    加地くんがプラネタリウムのナレーションで
    牡羊座を奈緒子に例えて「…たとえ見えなくても、こんなふうに美しいって、僕はちゃんと知ってます」って何度も言うところにぐっときた。

    この人の他の作品も読んでみたくなった。

  • 最愛の恋人「加地くん」を失った奈緒子。
    加地くんの親友で、奈緒子の「今」の恋人巧。
    奇妙な三角関係で、失った哀しみと向き合い足掻こうとするー 喪失と再生の物語。
    恋人を失うなんて、小説の世界ではよくあることじゃないか。 使い古された設定じゃないか。 でも、だけど、だから、そんな設定とは関係なくスッと心に入ってくる。 染み込んでくる。 登場人物がみんなステキなんです。 ただのナイーブな青年の加地くんだって、死んでなお正直で美しい。 正反対の親友巧だって、キラキラ明るくきれい。
    玄関でしか寝れない奈緒子も1人で立てる、泣いて泣いて泣いているような女の子じゃないし。そのお父さんまでステキときた。
    〈ちゃんとひとりで立てる人間同士が、それをわかった上でもたれ合うからこそ、意味が生まれるんだ〉ー使い古された言葉だけど、加地くんいいこと言うじゃん。

  • ちゃんとひとりで立てる人間同士が、それをわかった上でもたれ合うからこそ、意味が生まれるんだ。
    せつないけどどこかあたたかい恋愛小説だった。

  • 喪失と再生。
    あの頃といま。
    終わりと始まり。
    重松清さんの解説がとても良かった。

  • 心がほの暖かくなる家族、大切な人との話。


    たくみくんは加地くんに一生勝てない。加地くんは死んでしまったから。

    お父さんが家出してきた。お母さんと揉めたみたい。妹もこっちに来て、向こうではお母さん一人に。

    加地くんとの思い出に触れられない切なさ。


    自分と重ね合わせ、切なさに涙を流した。

    高校生の頃の学園祭でのこと、加地くんが事故で死ぬ直前のこと、たくみくんと加地くんのことで泣けたこと。
    硬くなってたものが解けてよかったね。


    余談だが、デジャヴ感、既視感ならぬ既読感?があったけど、以前に読んだことあるのかなー?

  • 綺麗な作品だと思った。
    昨年の真夏の夜中に読んだが自然と涙がこぼれた。主人公の亡くなった恋人に対する思いがひしひしと伝わって切なかった。ただ最愛の恋人を亡くしてすぐに新しい恋人(しかも相手は元恋人の親友)ができるのかがあまり理解できなかった。新しい恋人がいいように使われてる感が・・・亡くした恋人を早く忘れるためかもしれないけど、少し早すぎるのではないかと。

  • 私にとって、橋本紡さん作品2作目。
    一番はじめに、半分の月がのぼる空を読み、綺麗な文章に惹かれました。

    恋人であった加地君が突然の事故で亡くなり、加地君との思い出がつまった自分の部屋で寝れなくなり、玄関で眠るようになった奈緒子。
    そんな時に、佐賀にいるはずの父が家出をし、奈緒子の家にやってくる。そこから2人の奇妙な生活が始まる。
    また、加地君と親友だった巧。奈緒子と付き合うようになったが、2人を繋ぐものは、加地君だった…。
    その加地君は、違う地でバス事故にあい、別の女の子を庇って亡くなった…そして、巧の元には亡くなる直前に送られてきた絵葉書の存在が…。

    綺麗な世界…でも切なく悲しい…。
    日常の幸せの中に、時折影を落とす悲しさ。

    図書館で表紙と題名に惹かれたので、借りてみました。
    はじめは、少し綺麗すぎる世界に、ついていけない部分がありましたが、読み始めて、橋本紡さんらしい美しい文章に惹かれていきました。
    恋人との突然の別れ、また彼を疑ってしまう気持ち、そして彼を忘れなければと思いながらも、忘れられない。奈緒子の苦しみが滲み出ながらも、日常は進んでいく。
    恋人、親友、家族…様々なテーマが入り交わる本でした。
    私的には、巧君の最後の言葉が好きでした。
    「あいつのことを忘れる必要はないんだ。どうせ忘れないんだからさ。
    あいつは俺の中にいるし、奈緒子の中にもいる。それでかまわないんだと思う。」
    今までのつらいことを全て洗い流してくれるような言葉だと思いました。

    最初入り込んだのに、途中少し勢いが止まってしまったかな…と読んでいて思いました。
    最後に向かって明るくなってきていたので、このままハッピーで終わって行くのかな…と思っていたら、最後の加地君から巧君に送られてきた絵葉書の内容に、衝撃を受けました。えっ、こんなラストで…と思ってしまいましたが、最後の巧君の言葉があり、良かったです。

    半分の月がのぼる空にも、銀河鉄道の夜が出てきてて、これにも出てきていて、文学作品がよく出てくるなぁと思いました。

    橋本紡さんは、本当に書く文章が綺麗で、悲しみを与えながらも、どこか温かみがあり、とても良かったです。今年映画化されるようなので、どのような作品になるのか楽しみです。

    半分の月がのぼる空をもう一度読みたくなりました。

  • 恋愛小説の中で主人公がずるい(つまりはモテる)話は苦手です。(少女漫画もそう)

    「流れ星が消えないうちに」も主人公奈緒子が、加地くんと巧から心から愛されてずるいやつです。
    でもいつもよりは素直に読めた気がします。
    なぜなら橋本さんの書き方が上手いから!牡羊座の星座のくだりとかよかったなあと思いました。
    あと、巧が月が綺麗だよ、って電話してきて一緒に散歩いくっていうカップルが素敵すぎてすごく憧れます。

  • ★★★★☆ 流星群みたいな煌びやかな青春の思い出が、セピア色に色褪せていつも心の泉にそっとある。プラネタリウムで広がる星空を見た衝撃で、心は激しく弾け飛ぶ。夜の教室にふたりの笑い声が鳴り響き、キラキラ輝きはじめた僕たちを照らし出す。愛した記憶だけが蝉の抜け殻みたいに形として残り、駆け巡る葛藤はその残骸に寄り添う。奈緒子の指先で様々なものを探る感触が繊細な感情を表現していた。ふふっと笑うと、ふふっと笑い返す。手をぎゅっと握ると、ぎゅっと握り返してくれる。そんな当たり前のようなことが特別に感じるんだ。

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流れ星が消えないうちに (新潮文庫)の作品紹介

忘れない、忘れられない。あの笑顔を。一緒に過ごした時間の輝きを。そして流れ星にかけた願いを-。高校で出会った、加地君と巧君と奈緒子。けれど突然の事故が、恋人同士だった奈緒子と加地君を、永遠に引き離した。加地君の思い出を抱きしめて離さない奈緒子に、巧君はそっと手を差し伸べるが…。悲しみの果てで向かい合う心と心。せつなさあふれる、恋愛小説の新しい名作。

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