在日米軍司令部 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101353913

作品紹介・あらすじ

戦後、日米が同盟関係を築いて半世紀あまり。ブッシュ‐小泉の蜜月時代は過去のものとなり、同盟は再び漂流の危機にある。この流れを食い止めるべく、同盟の「機関化」に努めた外交官と司令官がいた。知られざる指揮官たちの横顔と、ベールに覆われた在日米軍司令部内の動きに迫るインサイド・レポート。東日本大震災後の米軍による復興支援活動「トモダチ作戦」の内幕を大幅加筆。

感想・レビュー・書評

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  • 自衛隊関係者からは、作戦運用系統にあるPACOMが重視される一方で、当該系統に属していないUSFJは軽視される傾向にあるが、日米同盟の維持強化のためにいかにUSFJが機能しているかを明らかにする。

  • 在日米軍がどういうものであるかを紐解く本。東日本大震災に際しての「トモダチ作戦」についても加筆。

  • 新書文庫

  • 冒頭に「在日米軍主要配置図」が掲載されてゐます。改めて見ますと、やはり多いですね。
    うち沖縄には陸海空海兵隊すべてが配置されてゐて、常に「基地問題」でもめてゐます。
    沖縄人は「本土の人間には我我の気持ちは分からない」としばしば口にしてゐますので、きつとわたくしにも分つてゐないのでせう。

    実は北谷町に親戚がゐまして、二度ほど訪れたことがあります。嘉手納基地が近距離にある筈なのに、実に静かでした。
    「たまたま今日は静かなのか?」と聞くと、「いつもこんな感じ。普段は特に近くに基地があるなんて意識してない」との返答でした。ふうん。実際に行つてみないと分からぬ事はあるものだなあ、と勘考する次第です。

    といふやうなウェットな話は、本書『在日米軍司令部』ではほとんど出てきません。在日米軍のそもそもの成立ちからその位置付け、歴史、現状をリポートした一冊でございます。
    その歴史はそのまま日米関係(日米同盟)の歴史であることが分かります。米軍が日本に駐在してゐなければ大変なことになる、と思はせます。著者の面目躍如たるものがありますな。わたくしも術中に陥る。

    まあ著者の立場とか主張は別にしても、在日米軍をめぐり、日米双方で様様な外交官や司令官が我我の知らぬところで汗を流してゐた、といふ事実は知つてをいて損はありますまい。
    本書を読めば、最近の安倍晋三首相の動きに「なるほど」と納得するのであります。意見は様様でせうが。

    ...腹が痛いので、これにてご無礼します。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-156.html

  • 平成25年2月22日読了。

  • 「在日米軍司令部」というタイトルの範囲を超えて、日米同盟全体にまで広げている。対象はライト指揮官在任中の05~08年が中心。大使館とともに日本との協力に尽力したけれど、有事の指揮権はないし、政策面ではワシントンに主導権を握られ、時には不要論さえ言われてしまう組織でもある。ジャーナリスティックで読みやすいけれど、時や場所を超えてエピソードがあちこち飛ぶので、一定の基礎知識はあった方がよいかも。

  • よい点:在日米軍司令部の組織や役割の裏側をこれほど見せてくれるとは、ある意味で大丈夫か?と思えるくらいだが、関心を持つ者としては大変うれしかった。
    特記事項:
    在日米軍司令部はいわゆる総務部みたいなところで、実戦がおきればハワイの太平洋軍司令部が指揮所となる。
    南麻生にあるニューサンノー・ホテルは日米政府の取り決めにより米国本土として扱われている。

  • 3.11の揺れた直後から始動していた在日米軍。自衛隊が丸々、被災地の応援で日本が丸腰になっていたのを、ロシアも中国も侵略のチャンスを虎視眈々と狙っていて、日本海側から攻めて来ようとしていた事実を誰も報じなかった。それを阻止すべく米軍の軍艦が数十隻、日本海側に集結した。これが、オペレーショントモダチ。

  • 在日米軍がアメリカ軍のなかでどのような位置にあるのか。どのような組織編成なのかが詳しく書かれている。「日本にアメリカ軍は必要だ」と錯覚させられそうになるが、その手前で踏みとどまらないと危ない。笑。

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著者プロフィール

春原 剛
春原 剛:日本経済新聞社編集委員

「2013年 『オバマと中国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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