- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101355146
感想・レビュー・書評
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クライマックスは、2人の目の前で朽ち果てた草笛駅が再生するシーン。
僕はその前の、
突然、出現した蒸気機関車が廃線の線路上にいた2人に向かって邁進してきてそれを間一髪でかわす
その光景が頭に広がり圧倒された。
ここまで視覚に訴えてくる小説は初めて。
ストーリーは、ある日、鉄道好きの初老の男性が失踪し、彼を追って、年の離れた友人2人(牧村と菜月)が「まぼろしの廃線跡」を突き止め足を踏み入れる、というもの。
「ここではないどこかに、自分の本当の居場所がきっとある」その思いのせいで、今あるすべてのものを投げ打ってしまいそうな菜月の危うさがラストまでしっかり描写されているのも見事。
locomoco1967、いい小説だなこれ、ありがとう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ダイナミックな展開に圧倒されました。長い人生を経験してきた人とこれから未来に向かっていく人の全く相反する想い。どちらも美しく、どちらも真実。
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こういう話大好きです。
日本のどこかにあるという伝説、楽園? -
内容(「BOOK」データベースより)
奥多摩の廃線跡を訪ねた牧村は、鉄道マニアの平間老人と出会い、世代を超えて酒を酌み交わす仲に。だが、「まぼろしの廃線跡」の話をしてほどなく、老人は消息を絶ってしまう。テツ仲間という菜月と共に行方を追うなか、浮上する「キリコノモリ」。その言葉を手がかりに東北へと向かう二人の前で、ある列車が動き出したとき、全ての謎が解けていくのだ―旅への郷愁を誘う青春小説。
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(2009年ハードカバー刊行。文庫化のため再読)