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- Amazon.co.jp ・本 (685ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101355313
感想・レビュー・書評
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第21回講談社ノンフィクション賞。
昭和45年に起こった「よど号事件」のメンバーを、北朝鮮まで行って取材してきたノンフィクション小説。
名前くらいは聞いたことのあった「よど号事件」、どんな事件かまったく知らなかったけど、この小説はよく取材してあってまるで現場に居合わせたかのように具体的に事件内容が書かれている。
また、北朝鮮がどのように拉致工作を行なっていたか、拉致した人にどんな教育をしていたかにも詳しい。
ただ、著者もちょくちょく述べているが、北朝鮮内での言葉はどれが事実か分からない。というか「事実」という言葉の概念がそもそも違うのだ。われわれが言う「事実」とは、まさに本当に起こったことそのものを言うのに対し、北朝鮮では「そうあるべき、そうでなければいけない」ことが「事実」であり、実際どうであったかは関係ないのだ。
だからよど号メンバーの結婚話でも、実際は拉致してきた人と北朝鮮内で結婚したのに、ヨーロッパで偶然出会って結婚した、という妄想上の出来事を「事実」として語っていて、本人たちもそう信じている。
著者の取材は徹底していたが、もうちょっとコンパクトにまとめられなかったかと思う。全670ページは膨大すぎるし、繰り返し述べられるところもあって冗長な感じ。詳細をみるコメント0件をすべて表示