片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)

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著者 : 道尾秀介
  • 新潮社 (2009年6月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355528

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片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「カラスの親指」の次に読んだのがこの本、「片眼の猿」。
    「カラスの親指」同様、この「片眼の猿」も読みすすめるうちに、だからこのタイトルなのね!と、納得させられます。
    随所に散りばめられた伏線。
    そのひとつひとつが明らかになってくると、さすが道尾さん!とこれまた納得!
    一気に読んでしまいました。

  • 特異な耳を持つ三梨は、私立探偵として、ある会社に潜入して機密漏洩の調査をしている。
    三梨は、ライバル探偵会社の社員である冬絵に、自分の事務所で働かないかと声をかける。彼女はいつも大きなサングラスをして目を隠していた。
    しかし、三梨が調査していた男が殺害され、その場面を偶然「聴いて」いた三梨は、犯人は冬絵ではないかと考える。

    謎がたくさん散りばめられ、各所に微妙にひっかかる違和感を抱えながら読み進めることになる。
    7年前に三梨と一緒に住んでいた秋絵がどういう人物だったのか、なぜ失踪したのか。
    なぜ三梨は冬絵をスカウトしたのか、冬絵はどういう人物なのか、冬絵はなぜ簡単にスカウトに応じたのか。
    三梨の「耳」、冬絵の「目」ってどうなっているんだろうか、その能力は。

    最後に謎はするすると解決し、「ほぉ、違和感の正体はそうだったのか」と思った。(でも、謎のひとつは、あらすじで「盗聴」って書いちゃってるし…。)
    ただ、これはどういう伏線なんだろうとか、わざと詳しく描写していないんだろうけれど一体どういうことなんだろうとか、読みながらもやもやするので、個人的には、違和感を感じないまま読んで、「えっえー!そうだったの!」となるものの方が好き(笑)。

  •  最近、叙述トリックというものに全然ひっかからなくなってしまった。作者として書くべきところを書かない、または読者に錯覚や誤解が生まれるような書き方をしていることに、すぐに気付いてしまうからだ。この作品も、そうだった。
     でも、この作品は、「書くべきところ」という読者の思い込みに、そのトリックをもってして冷や水をぶっかける。
     こないだ読んだ『チルドレン』の、盲目の青年・永瀬が見知らぬヒトから哀れみの施し(5千円)を受け取るのを陣内が「ずるい」と言って羨ましがる、あのシーンに通じるものを感じた。
    「眼に見えているものばかりを重要視する連中に、俺は興味はない。」
     仕掛けは早々に見抜けてしまったけど、それでもぐっときた。良作。

  • 耳にコンプレックスを持つ探偵が主人公。
    一体どんな耳をしているんだ!?と想像をかきたてる思わせぶりな描写となんとなくひっかかる表現や伏線やそういうのがたくさんあって、それが気になって気になってわぁーっと一気に読みました。

    すべての事件が片付いた最後の最後にすべての謎も解けますが、同時にとても救われた気持ちになります。
    こういう終わり方も気持ちいいかもしれない。

  • 書き方によっては物凄く悲しい物語になりそうなのを明るく前向きな気分にしてくれる1冊でした!周りの人達が素敵すぎます!
    1番驚いたのは帆坂くんでした!

  • 片眼の猿とは人は自分と違うものを排除しようとする本質をつく意味があるという。主人公は盗聴専門の探偵を営む三梨。ある日楽器メーカーからの依頼が舞い込む。それは競合メーカーによる産業スパイ疑惑の解明。そしてふとしたキッカケで知り合った同業者の女性探偵をスカウト。二人で事件の核心に迫ろうとした時、殺人事件に巻き込まれ事態はあらぬ方向へと展開していく。。終始ライトタッチなハードボイルドにて書き進みながら筆者お得意の深層心理のきめ細やかな描写に加え、本格的推理小説に必須である叙述トリックや伏線をうまく絡める。絶妙なハーモーニーを堪能♪

  • ミステリーはほとんど読みません、と話していたら通りすがりの読書家に勧められた一冊。
    道尾秀介さん一冊目。

    主人公は盗聴専門の探偵で、とある事件に巻き込まれるところから物語は始まる。
    奇妙でいびつ、けれども愉快なご近所さん達と繰り広げるドタバタ劇が楽しく、恋愛要素と巧妙な叙述トリックが絶妙なバランスだった。

    ミステリーど素人の私は簡単に騙されたけれど、読後感はすっきり爽快。

  • 全編いたる所に読者の思い込みを利用した仕掛けがあり、終盤で本筋の謎解きをしながら明かしていく。色々と見事にだまされました。
    人間の自尊心を重んじ、本質について問う作者の想いに自分はどれだけ応える事が出来るだろうか。ローズフラットの愉快な面々を実際に目の当たりにしたらビビるかもしれない。

  • やられたー!と思う箇所が何か所も。

    まず、冬絵の目と三梨の耳。どちらも超能力者かと思ったら。


    他にも、読み返す中で、そういうことか!と思う部分がたくさんあった。さらっと読み流していた部分も、「あぁ、なるほど」と。

    トウミとマイミのセリフが同じ字数になっているところが「おぉ!」と思った。双子っぽさはこういうところでも表現できるのかと。

    おもしろかった。


    真犯人のくだりはちょっとだるかった。

  • これまで『月と蟹』『カラスの親指』『球体の蛇』と3作を読んだ道尾秀介さんの作品。『カラスの親指』がエンターテイメント的色合いが濃かったが、直木賞受賞作となった『月と蟹』や『球体の蛇』では何とも言えない人間の心の襞を描いていたように思う。

    本作のテーマは重たいものだけれど、筆致はかなりエンターテイメント寄り。序盤からなんとなくもやもやした状況が続くが、終盤が近づき少しずつ状況が明らかになっていくに連れてもやが晴れる。これも叙述トリック、なのかな。

    序盤から中盤にかけて、頭の中に登場人物のイメージがちょっと描きづらかった。もちろん、これには叙述トリックという理由があるのだけれど。

    ラスト、気持ち的に救われたかな(^^;

  • 前に読んだ「向日葵の咲かない夏」で痛い目に合っただけに、ちょっと警戒していましたが、本作は非常に読みやすかったです。序盤から張り巡らされたミスリードを誘う伏線にまんまとしてやられ、怒涛の終盤の展開に、何度も前のページを振り返る羽目になりました。人が死んで居た堪れなくなる話は苦手ですが、こういうラストに間一髪誰かが助けに来る話は、いくら陳腐と言われても好きなのです。とはいえ、伝えたいメッセージは重く、自らの片眼、自尊心はどこにあるのだろう、と考えさせられました。大団円はキライじゃない。面白かったです。

  • んーイマイチでした。
    個人的には珍しく読み辛かったです。
    何故かは分かりませんが‥

    しかしこれでやっと文庫化されている道尾作品制覇。
    今後も文庫で追って行きます。

  • ・道尾作品は「向日葵の咲かない夏」から読んだのですが、そのインパクトが強くて、未だに道徳的テーマが軸になった作品には戸惑ってしまうんですが…
    ・キャラクターは個性的、かつ活躍もそれぞれ賑やかで、いい意味で漫画っぽい雰囲気があり読みやすかったです。全員のチームプレーで事務所から脱出する場面なんか、まさしく
    ・意図的に誤解させよう、隠そうという意図が描写から読み取れてしまい、早い段階から「あっこれ叙述だ」と気づいてしまい、うーん、変な感想ですが惜しいことをしたなと思いました
    ・新鮮な驚きの中でラストを読めていたら、また印象は違ったかもしれません…
    歌野作品の某作のように、読者の読み方そのものが「課題」として突き付けられる作品だと思います、が仕掛けに勘付いている状態だと、どうしてもグッとくるものは半減してしまいます…もったいない読み方をしちゃったなと悔やんでいます

  • 嗜好によって感じ方は分かれるんでしょうが、個人的には演出が陳腐、展開が極端で唐突と感じました。

    まぁ、能力については、なんというかうまく騙されてしまいました。

  • 結局最後までだまされていたわけなんですが、そのだまされていた状態が心地いいものではありませんでした。
    種明かし後のスッキリ感もいまひとつ…
    でも
    ――誰も、見分けようなんて思わないの――
    という秋絵の台詞に代表される作者の思いには共感できました。
    作者にだまされたい。という方は楽しめるかもです。

  • 2012年3月5日読了。「このミステリーがすごい!」2008年版の19位の作品。盗聴専門の探偵・三梨は楽器メーカーの調査を続けるうちに殺人事件に出くわし、また過去の恋人の自殺の真相を知る・・・。大胆というか「なんじゃそりゃあ」と言いたくなるようなトリックだが、こういったトリックにころっと騙される自分には、自分でも気付かない思い込みや偏見が色々あるもんだよなあ・・・と気付かされる。「コンプレックスが逆にモチベーションになる」なんて日常では当たり前のことのはずなのに、小説の世界になるとそれが見えなくなるんだなあ・・・。が、肝心のトリックが事件の真相にいまいち絡んでいない点、後半がどうにもご都合主義的に感じられてしまうのは残念。

  • くっそ!くっそ!くっそ!また騙された!またやられた!悔しい!
    道尾秀介すげーわ。なんだよこいつ。ほんと面白い。

    けど登場人物の無茶苦茶っぷりとかはちょっと非現実過ぎて腑に落ちないかなぁ。でもそれがあっても面白かったけど。

  • また、騙された・・・。あまり好きな内容では無かったけど、シリアスな場面でのセリフには笑いました。

  • 新規開拓を狙う。

    こちらを「楽しませる」熱意は感じたが
    必然性がない。後付感がひどい。おそらく年末サヨナラ組

  • えー、なんなのよ一体どういうことなのよー、って
    焦らされつつ?イライラしつつ?
    気が急いて読み進めたなぁ。

    最後に向かって爽快、というかようやく見えてくる。

    個性とか、障害とか、足りないとか、大きい小さいとかさ、
    まるっと受け入れて前向いて人生楽しんだ人が勝ちだよなー。

  • 『ひまわりの咲かない夏』がロングセラー街道ばく進中の道尾さん。
    やっぱ好きじゃねーー。『ひまわり~』同様のミスリードっていうか、トリックっていうの?納得いかんですわー。
    やっぱり印象としては歌野晶午と一緒。完全にダマされて驚ろきはあるんだけども、「うっひょ~♪」ではなく、「はあん⁉」て感じ。

  • 掏摸、スワロウテイル、そしてこの小説を読んで、こういうタイプの小説は自分には合わないんだとよく分かった。勉強になった。

  • 特殊な耳を持つ探偵、三梨はある日電車で特殊な目を持つ女、冬絵に出会う。そのとき三梨は楽器店社長からライバル店の盗作疑惑の捜査を依頼されており、ライバル店の盗聴をしていたが、殺人の現場を「聴いて」しまう。その殺人の犯人は誰か、その目的は何か、さらには冬絵という女は何者なのか。

    読みやすい文体。道尾さんの小説はグロテスクと聞いていたのでそうでもないことに驚く。三梨とその周りの人物たちが協力する最後のところはテンポよく楽しめた。

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片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)の作品紹介

盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに、冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし、チームプレイで核心に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに、その渦中に巻き込まれていった。謎、そして…。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリ。

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