龍神の雨 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355535

作品紹介・あらすじ

添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に遭わせたから。-そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか?大藪春彦賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 久々の道尾秀介作品、これで通算8冊目です。

    読み終えた直後の評価としては☆4つ。

    巻末の橋下満輝さんの解説(「龍人の雨」ーーもう一つの姿)を読み終えた瞬間に、評価は☆5つに格上げとなりました。

    ここまで読み取れる力が欲しい...

    代表作である「向日葵の咲かない夏」、個人的に好きな「カラスの親指」に「背の眼」等、好きな作品もあり、積読もまだ何冊かありますが、きっと本作を機に道尾作品を今までとは違ったレベル感で追い求めることになると思います。

    解説を読み、ブクログに足跡を残しながら、もう一度最初から読み返してみたいと心が揺れる。

    そんな作品でした。

    ※敢えて内容には触れず



    説明
    内容紹介
    添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に合わせたから。――そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか? あなたの胸に永劫に刻まれるミステリ。大藪春彦賞受賞作。
    内容(「BOOK」データベースより)
    添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に遭わせたから。―そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか?大藪春彦賞受賞作。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    道尾/秀介
    1975(昭和50)年、東京都生れ。2004(平成16)年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、デビューする。独特の世界観を持つ作家として、大きな注目を集めている。’07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、’09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞を受賞。’10年『龍神の雨』で大藪春彦賞を、『光媒の花』で山本周五郎賞を受賞する。’11年『月と蟹』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  •  道尾秀介4作品目。重たい内容であるのに、読みやすく、一気に惹きこまれてしまった。

     悲しすぎる同じような運命を辿る二組の兄弟。彼らに希望は必ずあると私は思った。一緒に暮らしてきた兄弟がいる。孤独ではない。

     解説が面白い。読むことをお勧めしたい。

  • 降りっぱなしの雨が余計に物語を重く暗く感じさせる。それでも引き込まれてあっという間に読んでしまった。
    解説を読んで少し救われた。そこまで思い付かなかった。2人が心傷む選択をしたとしても、降り続いた雨が良い方向へ持っていってくれないかな…

    目次のタイトルが波打っていて、龍みたいだなって思った。

  • さすが道尾秀介作品、哀愁感のある見事な結末。きっとこの世界での唯一のハッピーエンドだったと思う。

  • 面白かった〜!
    ちょうど激しい雨が降る中、読了。
    作中も雨の描写が多く、終始暗ーくてじめじめした雰囲気がつきまとう感じだった。
    でもこういう雰囲気好きだな〜。
    境遇がよく似てる二組の兄弟の話が絡み合いながら進む。
    先が気になって仕方ない。
    アレ?ナニカガオカシイ、、
    終盤、自分が思ってたのとは全然違う展開に!
    派手に騙されたー!とかどんでん返し!って感じじゃないけど、気がつけば作者さんの思惑に見事にハマってしまってた。

    最後のひと言の真相はどっちだったんだろう、、
    光が見える一方でやるせなさも残る終わり方だった。
    道尾さん、他の作品も読みたくなった♡

  • 「龍神の雨」というタイトルが似合う作品の内容でした。「向日葵の咲かない夏」を読んだ時に、この方の世界観は私には合わないなと感じたのですが、これもやはり合わなかった
    決して駄作ではないと思うしよく作り込まれてて考えられてて雰囲気もあって、なのですがやっぱりそんなに興味が湧かず、、、残念でした。

  • ずっと雨、ずっと暗い。嫌な感じが漂ってるはずなのに、意外とさくっと読めてしまうのは道尾秀介作品ならではかもしれない。主要人物の視点を細かく変えつつ話を進めて行くのが読み易いし、嫌なものが積み重なっていくのは上手い。そして突然崩す。しっかり真相は描いてくれるのでモヤモヤはしなかった。最後は少しわかり難かったが、解説に書いてあった解釈で納得。

  • 題名だけ見てなんとなく買った一冊。

    なんの話?兄弟兄妹の話かな?

    似たような境遇のある兄妹とある兄弟がある事件で絡みあっていくような内容だった。

    いろんな視線で話が進んで行くが、その先どうなる?って感じがずっと続いて最後まで楽しめた。

    でも最後がかんかモヤモヤが残る。と言うかその後どうした?どうなった?があり気になる.

    解説を読みあーそう言う事なんだと思う所がいくつかあったが、自分の頭じゃそんなに深読み出来なかった。

    その後はどうなったか
    気になる所がいくつかありスッキリ終われなかった小説でした。

  • あぁ~、道尾さんの作品だ!と感じ入ってしまう本。
    昼前に読み始めたのですが、面白くて、他のことは何もせず一気に読み切りました!
    この本の前に道尾さんのライトミステリーを読みましたが、やっぱり道尾さんの本はこうでなくっちゃ~!
    なんて、えらそうなことを言っておりますが、一ファンの戯言とお許しください。
    ダークな部分もあり、重たい部分もあり、心が痛い部分もあり・・・
    だけど好きです、道尾さんのミステリー。

  • 道尾さん作品、マジで外れません。


    物語は静かに淡々と進んでいくのですが、情景描写が細かく、そして怖い…!気づいたら涼しいはずなのに1人じっとり汗かいてました笑

    交互に進んでいく、境遇の似たきょうだい2組のストーリー。

    最後はバイト先の店長である半沢の悪事が明るみになり、うまくいったように思えたが、
    最後の最後で半沢が、本当はあの時もう継父は死んでいた。殺したのはお前だ、と…

    それを聞かされた蓮は、そして殺害を依頼した楓は。これからどうなってしまうのだろう。

    なんというか、殺人者と普通の人の違いなんて、もしかしたら大きな違いはなく、殺人者になってしまう危険性を誰でもはらんでいるのかもしれない。
    例えばそのきっかけが、雨、かもしれない。


    もう一方の兄弟は、継母と兄の確執も弟が思っていたものとは違っていたし、未来を感じさせるおわりかたで安心しました。



    どんよりした雨の日、私にも龍が見えたりして…
    雨の日には思い出してしまう作品になりそうです。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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