龍神の雨 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355535

感想・レビュー・書評

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  • 何と言っていいか分からない。重なり合った不幸な運命に翻弄される兄妹の様が本当に切なかった。どこか一ヶ所でとボタンを掛け違えていなかったら、こうはならなかったのだろう。そう思うと、本当に悲しい物語だと思った。

  • 夜、寝る前にちょっとずつ読んでたんだけども、そういう読み方をすると、極端に何も疑わず読み続けるか、忘れちゃって前に戻って読んでるうちに早いタイミングでなにかに気付く、というどちらかになることが多い。今回は前者だった。

    10代に狂気に惑わされてはいけない、というほど大げさではないけども、このレベルでの感情の揺らぎってのはどの程度リアリティがあるんだろうか?ただ、それがなければこの物語は成立しない。どこか大げさな気もするが、10代の世界はやはりそうなのかもしれない。

    どちらかというとイヤミスな分類だろうか。最後のは救いなのかどうか悩むところ。もう少し別の作品を読んでみないといかんかなぁ。

  • 恐怖や不安に囚われて、何か大事なことを見落としていないか?ぎりぎりまで追い詰められた主人公の蓮が、まだ19歳の少年でありながらその思いに至り、行動できているところに胸が熱くなりました。この状況に置かれて自らの認知バイアスに気付けるのは素晴らしい。

  • 千と千尋の神隠しのハクが河の神様だってオチはおまけみたいなもんで、龍神の雨の龍神と雨はおまけのおまけ位にしか感じられなかった。

    若い女の役に立たなさ加減はどうにかならんもんか。
    性別年齢関係なく役に立たない奴が小説にも現実にもいるのは分かる。分かるが、こういう若い女が出てくると、またお前か‥となる。
    何故そう思うのか、実際そういう若い女が多いのかはもう知らん。

    死体を移動するという謎の閃きはいいとしても、なんで嘘ついたん?なんでそこで嘘混ぜるん?
    謎の閃きとその嘘、相反してるやん。
    スカーフで首を締める前に死んでたんだし、そのスカーフが拾われたお陰で最後生き残れたのかもしれんが、結果、運が良かっただけとしか。
    「何で、こんなことになっちゃったのかな」

    里江一家の最後はウルウルきました。

  • しかし奇跡は必ずしも幸運をもたらすとは限らない・・・
     
    「雨」を大きなテーマとして掲げ、家族に不安を抱える二組の兄弟の心の闇の訪れを描いたミステリー。終始陰惨な雰囲気を漂わせながらも読者を離さない文章の展開力が素晴らしい。それでも設定が設定なんで放り出してしまう人も多いでしょうね。
    間違いなく人を選ぶ暗い展開、推理小説といえるかは微妙でしっかり謎解きしたい人には不向きかな、しかしこの独特なつばを飲み込む雰囲気・・・「向日葵」が楽しめた方なら是非。

  • ものすごく良かった。
    ここまで本に集中したのは久しぶりだ。

    今回道尾秀介さんの作品を初めて読んだ。今までも読んでみたいとは思っていたのだが何となくこれまで読めていなかった。今回空いた時間が見つかったので軽い気持ちで読書開始。心地よいテンポと読みやすい文章、かっこいい表現で次々と読み進められる。これだけで既に星4か5かを悩んでいた。そこに畳み掛ける衝撃の展開。すこぶるテンションが上がり伏線に気づきまたテンション上がりで終章。運命とは、そして因果とは。

    「想像は人を喰らう」

  • 「雨が降らなければ…」
    「だからどうしたというのだ。いくつもの場面場面で、自らの行動を決めてきたのは自分自身だった。」

    この場面が刺さりました。
    いかに後悔して、どんな理由をつけられようとも、自分が選んだことばかり。
    一つ一つの選択を大切にしようと思える作品です。
    道尾秀介さんの「神シリーズ」はどれもそうですね。

  • 道尾秀介の描く情景描写が好きで、これはそれが存分に出ている一冊。読んでいて、ずっと雨音に囲まれているようなそんな感覚になる。何度も読んだし、忘れた頃にまた読みたい。

  • ★3.5
    ラストのどんでん返し堪らなかった。
    道尾さんいろいろ読んでみようかなぁ。
    思い込みってこわい

  • 道尾さんの本ほんと読みやすいし引き込まれる!

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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