貘の檻(ばくのおり) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1316
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (570ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355566

感想・レビュー・書評

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  • 閉鎖的な村で起きた過去の出来事が重すぎる。しかしそれでも道尾秀介さんの得意とする最後に解けていく謎、すれ違いからの殺人のやるせなさ等、読んでしまう…。
    デビューから約10年経っての作品で、まだまだホラー気味がある作風。昨今では様々な試みの作品が多い中で、どっぷりと暗い気持ちになれるのが『貘の檻』だ。

  • おもしろかった。誰が悪い訳でもなく、思い込みと思い違いが悲しい結果を生んでしまっていて、それが最後まで重なり合う事はなかった。結局子供であるはずの俊也が一番素直で冷静でたくましかった。
    途中の悪夢の回想部分が少しくどくどしくて苦手だった、、。

  • うわああああ。
    なんとも言えない終盤・・・
    でもこういうことってあるよね。。。。。

    消化しきれない思いが!!

    あとがきも面白かったな☆彡

  • 小さい頃にみた恐怖を大人になって蘇り息子と一緒に生まれ育った村へ過去と向き合うために訪れる。
    引き込まれていく描き方に最後までハラハラしながら読み終わる。

    田舎の長閑さが伝わり時間がゆっくり流れていく描写も素晴らしいと思う。

  • 道尾秀介らしい作品。
    ちょっとした誤解や勘違いが生み出した悲劇。
    ホラー要素もあり、最後はしっかり伏線を回収。
    よくできたミステリーで面白かった!

  • 『貘の檻』とその解説を読んで「本の読み方」について考えてました。

    私の最近の読み方は「面白くなければパッと止めて次に行く」といったもので、『貘の檻』もそのような考えで手に取り読んだのですが、この一冊はそうするわけにはいかないような気がして最後まで読みました。

    パッと読めてすぐに答えが出せる本、「一体これは何を指しているんだ??」と悩み考えながら読む事でようやくわかってくる本があると書いてありましたが確かにその通りだと思います。ただ、「どっちが良いのか?」っていうのはよくわかりませんが…。簡単に決められるものではないし、もしかしたら決める事ではないのかも??

    今回は何が私の中で引っかかったのかしら。

    本の読み方を通り越して「モノの選び方」についても考えさせられました。

    「面白くなければハイ次へ」。音楽なんかそんな感じで聞いて選んでしまうけど…本はどうもそうではないみたいだぞ、と思いつつある今、これから何を選んでいけばいいか考え中。

    ある番組で明治神宮の森の成り立ちについて紹介されていた際に、「すぐに成功する物事を選んでしまうとロクな事がないよ、長い目で見て選んだ方がいいよ」といった意味の言葉が紹介されてましたが、えぇと、どんな言葉だったかな。言葉についてはさておき、読書に対してもこういう考えの方がいいのかしら?

    いろんな本を読まないとわからない気がするので、読もうかな。

著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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