第二阿房列車 (新潮文庫)

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著者 : 内田百けん
  • 新潮社 (2003年10月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101356341

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第二阿房列車 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 第一阿房列車に続き第二阿房列車。雨男のヒマラヤ山系君と用事のない鉄道旅をするのは変わらず。自分が旅行する時に、宿などで「もう今日は何もする必要はないなぁ…」という用事がなくなったときの楽しさを思い出した。
    京都についても記述があるが例の如く内田百閒先生なので観光はさらっと終わっている。
    鉄道唱歌が終わりのほうについてる。わりと楽しい。

  • 第二列車完乗。相変わらずヒマラヤ山系君をどぶ鼠呼ばわりで、寝台の上段へ寝につく際も「天井裏の」などと言いえて妙な例えに思わず笑ってしまった。本文の構成が各列車の出来事毎に小見出しが付いて短編のようになっていること、第一列車では「歩廊」と云っていた駅施設が「ホーム」と書かれていることなど、おやと思わせるものがあった。本書では大変気に入った文章があったので、ここに引用する。「人が嫌ってもいいから、毅然としたサアヴィスを行うと云う精神に欠けている。サアヴィスとは愛想顔、御機嫌取りの意味ではない筈である。」

  • 頑固で几帳面すぎて相変わらずぶれない百閒先生。周りを困らせまくりつつもどうにも憎めず魅力的で、会話などはその場で聞いていたらきっと吹き出してしまうことだろうと思う。だが決して自らのユーモアをひけらかさない、そういうところがむしろ知的じゃないですか。かっこいい。
    高橋義孝氏が解説でこの『阿房列車』を指して、「生麩のような高野豆腐のようなもの」と表現していて、なるほど言い得て妙。

  • 2016.10 本棚整理のため第一阿房列車から第三阿房列車まで再読。

    時代を越えて愛される列車紀行エッセイ。百閒先生の軽妙洒脱な文章からガタンゴトンと線路の楽しいリズムを感じるよう。どうしても続けて3巻読んでしまう形になるので慣れもあってか、第一☆4.5、第二☆3.5、第三☆3くらいの評価。10年に一度は読みたい名作。 (レビューは1~3巻共通)

  • 百けん先生が走らせる、阿房列車の第二号。雪中新潟阿房列車と春光山陽特別阿房列車は、先に読んだ内田百けん集成に収められていたため、未読の雪解横手阿房列車と雷九州阿房列車(前後章)のみを拾い読み。

    雷九州阿房列車はまさに危機一髪という状況をさらりと語り、かろやかな中に観察眼の鋭さ、描写力の適切さが活きる名編。もっとも、阿房列車はフィクション部分が多いようなので、どこまでが本当の体験談だか判らないけれど。

    このシリーズでは第一作の飄逸さが一番良いという評価が多いようだが、しかし、第二列車でも独特のユーモアは健在。東洋軒ネタや日本食堂ネタで伏線を張るなど、構成の妙も魅せる。

  • 百閒せんせいくらいさらっと生きたい。
    たいていの物事には執着してない(ように見える)ところに憧れる。
    水筒に入れて飲む酒はうまいんだろうか。

  • 【本の内容】
    ただ列車に乗るだけのための内田先生の旅は続く。

    「汽車が走ったから遠くまで行き著き、又こっちへ走ったから、それに乗っていた私が帰って来ただけの事で、面白い話の種なんかない」。

    台風で交通が寸断する九州では、なぜか先生と弟子の「ヒマラヤ山系」が乗る汽車だけはちゃんと走り「無事に予定通りに行動しているのが、相済まぬ」。

    悠揚迫らざるユーモアに満ちた、シリーズ第二弾。

    [ 目次 ]
    雪中新潟阿房列車―上野‐新潟
    雪解横手阿房列車―上野‐横手‐横黒線‐大荒沢
    春光山陽特別阿房列車―東京‐京都‐博多‐八代
    雷九州阿房列車・前章―東京‐八代
    雷九州阿房列車・後章―八代‐熊本‐豊肥線‐大分‐別府‐日豊線‐小倉‐門司

    [ POP ]
    何も用はないけれど、取りあえず汽車に乗って大阪に行ってきたから始まり、三作を数えた阿房列車だが、微苦笑を誘うとすれば本二作目だろう。

    いつも一人で旅ができないからお供に「ヒマラヤ山系」という年若い男を連れ、何とは無しに旅行に出かける。

    だが、そこは野次喜多よろしく平穏無事なわけは無くて、新潟に出かけ地元の新聞記者のしつこい取材に、辟易したこんにゃく問答や、どうでも良い百閒の問いかけに、糠に釘の返事しかしないヒマラヤ山系など、うやむやのまま旅は進んでいく。

    脱力系かと言われればそうかもしれないが、神は細部に宿り給う。

    小さな出来事の積み重ねに、苦虫を噛み潰した様な、著者の魅力が詰まっているのだ。

    時は戦後からやっと落ち着き、高度経済成長時代の前夜。

    百閒の愛した戦前の匂いが漂う、時代が作った作品といえるだろう。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • やっぱりこの人の書くものは好きだ。いろいろと見下しているくせにどこかで思いやりや敬意を含んでいて、そんなんなのに「漱石先生」と敬称し続けるところが好きだ。

  • 乗り鉄百鬼園先生の鉄道随筆第二弾

    ヒマラヤ山系君とあちこち電車ででかけて、食堂車で酒のんで、寝台車で酒のんで、現地の宿で酒のんでと。
    相変わらずの飄々っぷりが素敵っす。
    しかし先生ともなると、どこでかけても、鉄道の偉い人やら、新聞記者やらやってくるんですなぁ。
    オススメっす。

  • 14/02/23、一箱古本市で購入。

  • 阿房列車第二弾。

    相変わらずの用事もない
    のんべんダラリな列車旅ですが
    何だか面白い。

    今回は雪の東北が多めでした。

  • 相変わらずのマイペース飲んだくれ旅。

    八代が気に入ったようで、3度目の宿泊。この後もたびたび訪れているらしい。

    九州への旅はこの巻だけでなく各巻で紹介されていて、地理がわかるひとにはなかなか面白いのではないかと思う。

  •  第一に続いての紀行文。作者の我がままぶりは、一作と同じだが、
    読むにつれて、その我がままにも、一本筋が通っているように感じる。
     人付き合いは、苦手と言っているようだが、どうしてどうして、単に
    メンドクサイぶっているだけ(こんな言葉はないが)、本当は人の大好きな人。

  • 電車に乗っているのが好き。早起きすると機嫌が悪い。8時間睡眠が必要。朝食も昼食も抜きで、晩餐をひたすら楽しみにする。飲んでいれば幸せ。長夜の飲が大好き。どこであれ飲食のための準備は怠らない。百閒先生との共通点を色々見つけるにつれ、この本が愉快でないわけがない、と納得。

  • 旅でない旅だから

    【内容】
    雪の新潟。雪の横手再訪。新しい特急に招待された。雷雨の九州行。旺文社文庫版は付録いろいろ。鉄道唱歌ぜんぶが入ってたり。長部日出雄さんの解説があったり、ヒマラヤ山系・平山三郎さんの解説があったり。百閒マニアでない人には便利かと。

    【感想】
    《今、うつつに見てゐる窓外の山の姿も、さう云へば夢の中の景色の様な気がしない事もない。》(p.59)いつもそうだが、先生の文は、どこか夢の中のように幻想的ではある。ちょっと違う世界にいる人なのだろう。

    読んだのは旺文社文庫版。

    (2012年10月25日読了)

    ★阿房列車に関するてきとーなリスト

    【アイスクリーム】《家にゐるとさう行かないが、旅行に出れば私はアイスクリームばかり食べてゐる。好きなのだらうと思ふけれど、どこがどういいのか、考へて見た事もない。味もよくわからない。》(第二p.102)
    【阿房列車】目的もなく、予定も立てず、ただ汽車に乗って、行って帰ってくるだけの旅が阿房列車。宿の手配など面倒なことは他の人がやってくれるようだ。
    【甘木君】ヒマラヤ山系の知人で、鹿児島阿房列車のとき、広島で案内役になってくれた。几帳面で遠慮深くて髭面らしい。
    【大手饅頭】岡山のお菓子。先生はこれが好きなようだ。《饅頭に圧し潰されそうだが、大手饅頭なら潰されてもいい。》(第二p.91)。ボクも岡山産だが、お土産として唯一認めているのが、これ。
    【諫子さん】長唄のお師匠さん。
    【駅長室】駅に降りるたびに駅長室に行く。そんなに気軽に寄れるものなんやろか。そしてだいたい親切にしてもらえる。いちおう先生は有名人やから?
    【岡山】先生の鄕里。《ちつとも歸つて行かない鄕里ではあるが、鄕里の土はなつかしい。》(p.116)
    【温泉】先生は温泉に入りたくない。みんなが好きやから。でも主義というほどでもないので浅虫温泉で入ることになった。
    【かもめ】新しく編成された特急。京都〜博多間を走る。先生はこれの一番列車に招待された(招待前から乗るつもりだった)。京都から広島までは機関車を替えずに走るそうで、これは性能の限界に挑戦なのだそうだ、
    【京都御所】この当時は予約なしで入れたようだ。
    【銀河】寝台特急。宮城道雄が乗って先生に感想を述べた。後の彼の事故も「銀河」。
    【懸念仏】先生の教え子のようだ。「東北阿房列車」で登場。身体を壊して酒を断っている。
    【蝙蝠傘】えらい先生は蝙蝠傘を忘れて来る。らしい。辰野隆先生が実証した。
    【産業物産館】鹿児島阿房列車の広島でちらっと出てくる。《天辺の円筒の鉄骨が空にささり》・・・今の原爆ドームのことやろう。
    【失敗】酒の失敗というのは他人に迷惑をかけることではなく、次に飲むときイヤな気分になるようなことやそうや。
    【食堂車】ボクは食堂車でものを食したことはないが、先生はつねに入り込む。そしてやはり飲む。居心地いいみたいや。ボクもいつかちゃんと利用したい。
    【高崎山】たかざきやまと読むらしい。このころから猿の名所になったようだ。農産物への猿害を猿観光で取り戻す目論見だったようだ。近辺では毎日のように記事が出るくらい猿に夢中だったとか。
    【はと】大阪まで行くときに乗った長距離列車。C62が引っ張ってた。
    【バナナ】若い娘がしずしずと売りにきて、食べたいのだがガマン。
    【腹が減る】なまじ食べるからそのあと腹が減る。食べなかったら腹は減らない。う〜ん?
    【ヒマラヤ山系】国有鉄道職員。一人旅のイヤな「私」の相棒兼荷物運びに選ばれる。ボロボロのボストンバッグを提げたヒゲの濃い男。「はあ」という返事ばかり。二編目には「ヒマラヤ山」と短くなってることもある。いちおう、先生の昔からの愛読者らしい。日本全国どこにでも知り合いがいる。正体は平山三郎という偉い人らしい。先生はだいたい本名のもじ... 続きを読む

  • 2012/10/09 あゆみBOOKS仙台店
    列車に乗ることだけが目的の旅。だから、旅先においても、なにを観光するなどといった目的は作らない。

  • 「目の中に列車を入れて走らせても痛くない」百閒先生の旅行記,今回も絶好調である.「第一」では,なんでこんなに頑固なんだろう,と少し辟易するところがあったのだけれど,この第二ではその頑固さにチャーミングさが加わっているように思う(表紙の写真,カバー見返しの著者写真の表情は全く憮然としていて笑ってしまうのだけれど).行く先々でその土地の感想を求める記者にしつこく付きまとわれ「感想はない」「何とも思わない」と突っぱねる百閒先生.ヒロシマについてしつこく尋ねる記者に「感想はない」「分析はしたくない」「触れてやるまいと思うから触れなかった」と頑固一徹.子供っぽいように見えて,ある意味大人なのかもしれない.

  • どうしてもこんなにも老いの一徹えんごうおやじなのに憎めない内田百閒。

  • 弟子の山系君になって旅のお伴したかった!夜行列車で快適に酒を飲む術を伝授してもらおう。大分の竹田駅の情景描写が印象的。乗り物好きにはたまらないマニアックな視点と、旅好きにたまらない旅情感が同居する紀行文学です。

  • 第一阿房列車に見られたしつこいまでの屁理屈が影をひそめた感がある。
    「第一阿房列車」とどことなく違いを感じていたが、同様の指摘が解説に書かれていた。

  • 第一阿房列車を読んだ後、絶対第二も買おう、と意気ごんでいたのですが最寄駅の古本屋に立ち寄ったらなんと百閒先生3冊発見。コレは買わなくては!と買ってまいりました。

    まったくもって面白い旅行記(と言うのか?)です。段々、先生がいらした旅館や宿屋が自分のなじみになってしまったような親近感があって面白い。山系君も良くまあこんな大変な人と付き合って旅行したなあ、と。長時間の列車の旅行。大変だったろうなあ…

    昔、学生時代に青春18切符を買って、千葉から金沢まで行ったり、神戸まで行ったりしたよなあ~。青春18切符は特急に乗れないので良くて快速どまりで色々と駅があるなあ、と感心しつつ乗ったのを覚えております。

    なんとなく旅に出たくなる本です。でも一人旅ではなく、気の置けない(出来れば山系君みたいなよく動いてくれる)友人と電車に揺られてみたいものです。

  • 内田百閒作の、鉄道紀行文学の先駆と言われているシリーズの第2巻です。
    戦後の混乱期が終わり、特急や急行などの優等列車がたくさん走り始めた頃・・私もまだ生まれていなかったし、全く知らない列車や駅の出てくる鉄道旅行の話ですから、古いけれど新鮮です。
    この「第二阿房列車」には「雪中新潟阿房列車」「雪解横手阿房列車」「春光山陽特別阿房列車」「雷九州阿房列車 前・後編」の他に、鉄道唱歌の一集(新橋ー神戸)、二集(神戸ー長崎)の歌詞が掲載されていました。
    神戸までの第一集は知っていました(歌える訳ではありません)が、第二集は初めて知りました。

  • 乗り鉄のはしりやね。
    ぼくも阿房列車の旅にでようかしら。

  • 「第一」と同じく、カヴァー写真によってこれを選んだ。 雪中新潟阿房列車 雪解横手阿房列車 春光山陽特別阿房列車 雷九州阿房列車 前章    同    後章この版の嬉しいところは、巻末に「鉄道唱歌」(大和田健樹 作歌)第一集・第二集が収められていること。脚注として通過駅名、および楽譜(二種類)つき。私はこれを大事にしています。汽笛一声新橋を(き〜てきいーっせいしーんばーしを〜♪)と、歌える人は多くても、これが第一集は「東海道」で66番(神戸まで)、第二集は「山陽、九州」で(新たに1番から始まって)68番まである、とご存知の方は少ないのでは…??この、第二集の58番(鳥栖)から68番までは、長崎本線の歌。実は、幼い頃から馴染んでいたのでした。64番で長崎に着き(「汽車」の西の涯)、「前は海原」を眺め「外つ国」にまで思いを馳せる(67番)、この歌が私は大好きです。 前は海原はてもなく   外つ国までもつづくらん あとは鉄道一すじに   またたくひまよ青森もこの際なので、鉄道唱歌・第二集最後の68番を引用して、百?の阿房列車への賛辞に代えます。 あしたは花の嵐山    ゆうべは月の筑紫潟 かしこも楽しここもよし   いざ見てめぐれ汽車の友お馴染みの鉄道唱歌の旋律で歌ってみてください。無性に旅に出たくなりもし、また『阿房列車』のようなものさえあれば、居ながらにしてどこにだって行ける、とも思われます。

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第二阿房列車 (新潮文庫)の作品紹介

ただ列車に乗るだけのための内田先生の旅は続く。「汽車が走ったから遠くまで行き著き、又こっちへ走ったから、それに乗っていた私が帰って来ただけの事で、面白い話の種なんかない」。台風で交通が寸断する九州では、なぜか先生と弟子の「ヒマラヤ山系」が乗る汽車だけはちゃんと走り「無事に予定通りに行動しているのが、相済まぬ」。悠揚迫らざるユーモアに満ちた、シリーズ第二弾。

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