- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101357744
感想・レビュー・書評
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住人全員が小悪党、故に慎ましやかに生活に気を配っているというのに、何故か根っからの善人が問題ばっかり持ち込むようになるという( ^ω^ )
各話ハッピーエンドでダレそうな所を最後にちょっと苦々しい展開を持ってきてあって流石でした
善人が善人たる所以にもぞっとさせられたり
長屋の住人達同様、加助の幸せを願わずにはいられません -
この作家さんの作品は、『猫の傀儡」に続いて2作目、両作品ともありえない設定なのに、読み始めると、その作品に引き込まれてしまう。
展歩のよさと登場人物ひとりひとりの設定が細かく、ぶれがない
読んでいて、幸せな気持ちになる
時代も国も違うが、往年の名作映画『スティング』に通じる味わいがあります -
″真面目で気のいい人ばかり″と噂の「善人長屋」。
しかし陰に回れば差配も店子も裏稼業の凄腕揃い。
そんな悪党の巣に、根っからの善人、加助が迷い込んだ。人助けが生き甲斐で、他人の面倒を買って出る底なしのお人好し・・・。加助が持ち込む厄介ごとで長屋はいつも大騒動、しぶしぶ店子たちは闇の稼業で鳴らした腕を揮う!
心淋し川で注目した西條奈加さんの本を読んでみようと思いどんな作品があるかと探すと、上の7行の善人長屋の帯に書かれていた文言で今作に興味が沸いた。
まぁ1話完結しながら少しずつ話が進むんだろうなと思ったがその通り。
そして想像より面白かった。
読み進める毎に深まる登場人物のキャラクターが面白くて、微笑ましくもあったり目頭が熱くなったり
しながら楽しめた。
閻魔の世直しがシリーズの次巻らしく楽しみが増えました。
2021/06 -
悪盗だけど悪人じゃない。
そんな長屋の人達が、とても魅力的でした。
度を越すほど善人の加助には
「自分一人の力で助けることができないなら、人助けなんてするな!」
と言いたくなるほどイラッとしますが、そこに目をつぶれば、とても楽しい作品だと思います。
善人にイラッとするなんて、私って性格がかなり悪いのかも(笑) -
痛快!
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短編が9つ、どれも読後感が爽快だ.最後の2つは連作で加助の妻との話だが、複雑な筋が巧みに組み合わされている.長屋の皆が裏稼業を持っているという設定もユニークで、難題が持ち上がるたびにそれぞれの特技が遺憾なく発揮される、「犀の子守歌」は性同一障害を持つお殿様の問題を取り扱っている.男色という風習が公然と通用していた時代ならではの話だ.でも、興味深い題材を難問として取り上げ、チームワークで解決する長屋の連中の佇まいに少し嫉妬を感じる.