殿様の通信簿 (新潮文庫)

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著者 : 磯田道史
  • 新潮社 (2008年9月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101358710

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殿様の通信簿 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 歴史書から殿様達の生き方、性格などが浮かび上がってくるのが非常に面白い。昔の話ではなく日本人としての生き方や生活が現代に共通する部分も多く感慨深い。

  • 『武士の家計簿』を著した磯田道史さんのエッセイ。江戸時代の資料を元に大名の四方山話が読めます。
    日本史好きな人にはもちろん、高校で日本史を学んでいる最中の学生さんにも。試験の点数は上がらないかもしれませんが、日本史が面白いと思うきっかけになるかもしれません。

  • とても歴史に興味がわく本でした。
    そうかー、大名ってのはたくさんいたんだなぁ。
    そういうのもいろいろ調べてみたくなりました。
    忠臣蔵のお話、私は詳しくは知らないのだけど、浅野さんが実はそんな人だったとはな~!!
    それを知ると忠臣蔵、見てみたくなりました。

  • 大名の行状を隠密が調べたという文書「土芥寇讎記」の
    記述を中心に、幾人かの殿様の真実に迫る。
    徳川光圀の悪所通いとは?
    浅野内匠頭と浅野家の情勢、池田光政と子の綱政の確執。
    前田家三代の苦悩、内藤家長の忠義、本多作左衛門と家康。
    戦国時代から江戸時代への変化が大名家にもたらすもの・・・
    池田家と前田家のその変化の中でのジレンマ・・・殿様、大変だなぁ。
    殿様ではないけれど、内藤家長と本多佐左衛門の生き様は、
    大いに興味をそそられました。

  • あの殿様は優等生なのか問題児なのか!?

    自分では知っているつもりの人物の評価がひっくり返ったり、意外な傑物を知ったり。何章もかけて書いてある前田利家と前田利常の話を興味深く読んだ。豊臣秀吉亡き後、徳川の時代になっていく中で、どうやって力を保ちつつ生き延びるのか。

  • 通信簿と優しい表現にしているが、幕府隠密が調べ上げた機密文書である。徳川が支配した各地の殿様の査定書で、本書では中でも問題児を扱っているところに面白味がある。外様の雄・前田家に紙面を割いているのも良い。平和な世になるにつれ武士が官僚化されていく。稟議書に判を押すだけの管理職の悲哀……『保科正之』の文体と違って、書下し文と現代語訳を併記する著者の心遣いがありがたい。

  • 原史料から外れる人物もいるのだが、むしろそれらの人物のほうが筆が活き活きとしています。 ―― https://bookmeter.com/reviews/32425895

  • よく調べたなあ・・・

  • 元禄時代に大名の行状を秘かに幕府隠密が探索した報告書「土芥寇讎記」から史実が見える?!徳川光圀、浅野長矩、池田綱政、前田利常、内藤家長、本多作左衛門などの事実だと思われる逸話が楽しい。夜毎に悪所に通い、酒宴遊興甚だしという光圀だが、事実は?刃傷事件を招いた浅野長矩は「矩」を越えてしまい歴史に名を残してしまった人、更にこの報告では色に溺れていたバカ殿を放置していた内蔵助は稀代の悪臣として非難されている!一方、遊び人でバカ殿と言われたという岡山藩・池田綱政の書からは知性が垣間見えてくる!、前田家3代の利常と彼を養子にした2代の兄・利長の悩み。家康の遺言で「お前を殺そうと思ってきた」とまで言われた利常。そして徳川何するものぞという姿勢の3代の豪快さ、蛇攻めの残忍さが印象的。バカ殿を演じるために鼻毛を伸ばしていたのは実は、馬鹿将軍に会いに行くのに、わざわざ鼻毛などぬけるか!との本心だったとのこと。内藤家の初代家長の光成軍の犠牲になった豪快な姿と、損な役回りになった延岡という領地。作左の忠義ぶりは、衆目の見守る前で、家康に「わしの間違いに気づいてくれたこと、かたじけなく思う」と、詫びさせた場面が感動的!

  • 江戸幕府は隠密を使い、全国の殿様を査定していた。その報告書は幕府高官により纏められ、極秘本とされた。現存するものは東京大学にある一冊のみ。
    この本はその中から、何人かの殿様報告書を紹介している。
    水戸黄門(黄門というのは中納言を中国風に言ったもの。当時は中国文化への憧れで、中国風に称することがかっこよかったとのこと)は、好奇心旺盛で、殿として奥に留まる事を嫌い、風俗街(当時は色だけでなく芸能文化も吸収できる場所であった)に入り浸っていたが、基本的に良い君主。
    浅野内匠頭は、そもそも激情型。しかも女好きで政務をこなさず、家老(大石内蔵助)まかせ。自身は昼から大奥でいちゃつく。報告書では大石はそんな殿を諫めないので、不忠の臣であるとされた。忠臣蔵とは皮肉な話である。家老が当時から殿をきちんと指導しておれば、結果としてお家断絶には成らなかったかもしれない・・・
    前田利常の母は身分の低い洗濯女。しかも兄達も多く、注目度は実に低かった。しかし利常は利発かつ体も丈夫であったため、馬鹿やひ弱な兄達を差し置いて、殿の世継ぎに選ばれた。当時は思った以上に本当の実力社会。愚鈍な後継者では一国が無くなるかもしれないわけだから。

  • めちゃめちゃ面白い。
    歴史が急に色彩を帯びて、目の前にあるかのように蘇る面白さがある。
    磯田さんの書き方が上手いのだろうし、着目点・解釈も分かりやすく興味を持ちやすいものなのだからかな。
    電子書籍でなく、印刷版を持って、人にも貸したい一冊です。

  • 古文書から事実を追って推理しているので、リアリティあり。

  • 元禄時代に大名の行状を隠密が調べた報告書「土芥寇讎記」や、歴史資料から殿さまの生活を紐解く本。
    戦国時代から太平の世の中にかけて、3代4代続くうちに、殿様や藩がどう変わっていったか、とても興味深く読んだ。

  • 徳川幕府が大名の素行を秘密調査していたという。元禄期のこの報告書を題材にしたエッセイ。徳川光圀や浅野内匠頭などの報告は、同時代のものであり、おそらくは等身大のものなのであろう。
    また報告書の内容もさることながら、解説やエピソードをちりばめ、これがまた滅法面白い。
    本自体は雑誌の連載をまとめたもののようで、途中で主題の報告書から離れてしまい、編集が少し残念であった。

  • 著者いわく「江戸の平和が250年以上続いたのは加賀藩前田家が謀叛を起こさなかったから」という、江戸時代のナンバー2加賀藩。前田利家のイメージがあったけど、三代利常という名君がいたことは初めて知った。徳川幕府にいわせれば「従順ならざる最後の殿様」といったところか。

  • 浅野内匠頭の人物評が意外だった。面白いのでもっとたくさんの殿様のことを書いてほしい。

  • 元禄時代に幕府が各大名家をスパイしたトップシークレットの文書「土芥寇讎記」。客観的、厳しい視点で捉えて真実に近そう、ということで興味をそそられました。水戸黄門や浅野内匠頭といった芝居でも有名どころから、あまり知らなかった大名まで実に分かり易く曝け出されていて凄く面白かったです。一人の大名が出来上がるには、生まれ持った性格はもとより時代背景やら親子関係やらさまざまな要因が関わってくるのだなと、しみじみ。ここに書かれている大名だけでなく、もっと知りたいです。

  • 面白かったが、もっと江戸時代中期・後期の大名のことが知りたかった。

  • 史料「土芥寇讎記」―それは、元禄時代に大名の行状を秘かに探索した報告書だったのか。名君の誉れ高い水戸の黄門様は、じつは悪所通いをしていたと記され、あの赤穂事件の浅野内匠頭は、女色に耽るひきこもりで、事件前から家を滅ぼすと予言されていた。各種の史料も併用しながら、従来の評価を一変させる大名たちの生々しすぎる姿を史学界の俊秀が活写する歴史エッセイの傑作。
       
    歴史好きというわけではないですが、面白そうなので読んでみたこの本、評判にたがわぬ傑作でした。面白い!! 殿様の通信簿「土芥寇讎記」に記された史実に加えて著者が調べ上げた膨大な史料の中から浮かんでくる大名たちの恐ろしくも悲しい姿・生活に一気に引き込まれてしまいました。取り上げられている大名には知らなかった人もいましたが、いつのまにかよく知った人のように思えてくるくらい、見事に描写しきっています。江戸の世に思いをはせながら一読してみてはいかがでしょうか・・・。

  • 車中の気晴らしに軽く読めるエッセイをと購入したこの本。司馬遼太郎を彷彿とさせる文体に引き込まれました。文体が似てるというのではなく、古文書を読み込んでご自身の考えをしっかりかたっているから引き込まれる。映画にもなった『武士の家計簿』の作者でもあるのですね。面白かった!

  • ネットオフで購入。

    TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」のゲストに磯田道史さんが出てて、話が面白かったので。あと、「武士の家計簿」が面白かったので。

    ・能を舞うのは嗜みの一つとしてokだけど、歌舞伎を見に行くのは不道徳って話が「へぇ」と思った。能は、室町幕府以来の伝統があるからだって(p20あたり)

    ・筆者と同じ岡山県出身としては、池田綱政(とその父・池田光政)の話が大変興味深かった。

    ・前田利家の子育ての話(p127)、参考になるわー(引用参照)

  • 「土芥寇讎記」からの抜粋はそれほど多くない。
    作家はこんな風に歴史上の人物のキャラクターを固めていったのだろう。
    其の参まで整えた前田利常なんてほとんど知らなかったけど、これで一本書けてしまいそう。

    ・国と祖先を祭る儀式につかわれる芸能をのぞけば、あらゆる芸能は「悪」とされる
    ・長袖者め。
    ・史書の中に何千、何万という人の人生を見て思うが、偉くなる人物は、おのれの勝手が強く、人のことなど、眼中にない。名前の出る人というのあ、どこか自分勝手である。それが普通であって、むしろ、周りにいた人たちのほうが人間的には優れている場合が多い
    ・明治になって、郷士制のない地域では、大きな士族反乱は起きていない
    ・戦国から元禄という時代を生きた人々、変革から安定へという時代のなかに生きた日本人の姿がそこにみえるようにおもう

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史料「土芥寇讎記」-それは、元禄時代に大名の行状を秘かに探索した報告書だったのか。名君の誉れ高い水戸の黄門様は、じつは悪所通いをしていたと記され、あの赤穂事件の浅野内匠頭は、女色に耽るひきこもりで、事件前から家を滅ぼすと予言されていた。各種の史料も併用しながら、従来の評価を一変させる大名たちの生々しすぎる姿を史学界の俊秀が活写する歴史エッセイの傑作。

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