- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101359137
感想・レビュー・書評
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多分、今後何度か読むうちにどんどん好きになっていく作品だと思う。
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この方の文章は好きだけど、正直この本は精細すぎる文章がくどく感じてしまった
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初めて吉本ばなな先生の作品を読んだ。
文章が綺麗で読みやすかった。
中高生向きだと思う。 -
数十年前にこの本を読んで吉本ばななさんにハマったのを思いだし再度読んでみましたが、年齢を重ねたせいか当時のように心に響くことはありませんでした。10代、20代の方に向いてると思います。ですが懲りずにまた吉本ばななさんの別の作品も読んでみようと思っています
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うーん、主人公に共感できない。
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吉本ばななの名作。
主人公とその側に寄り添う男性。
2人の感情は、、、。
今まで出会ったことない人間のような。
感受性の強さからくる苦悩と孤独を持ちながらも、それでも生きてさえいれば人生よどみなく進み、それはさほど悪くない。
日々、苦しい切ない思いをしてる人へ。 -
(01)
大切なひとの死をどのように受け入れるのか、ひとりで立ち向かうのか、ふたりで慰め合うのか。身近な人の死に際した読者は、そのひとを思い出し、まだあまり死に際に臨んでいない読者は、これから立ち会う死について想像するかもしれない。
主人公の女性は、祖父、同居人の母(父)、恋人の死とこの作品のなかで向き合っている。「ムーンライト・シャドウ」では川と橋(*02)が生死の境を媒介する。「キッチン」とその続編では、台所と食がそれにあたる。
また、女性と男性の境界は曖昧になることもあり、主人公は、決まった居場所がないように、居候をして、取材旅行に同行し、タクシーで右往左往し、川べりをジョギングする。ジェンダーという役や、役を演ずる舞台がどこかに放棄されてしまっている。
ひとは人間という役を降りることが可能なのだろうか。台所は、その人間に残されたぎりぎりの地点であり、食べることは、栄養の摂取というだけでなく、人間(あるいは複数の人間)に残された唯一の役割のようにも感じられる。
(02)
三途の川が象徴されているというより、川の流れが記憶を隠喩しているのは、物語としてよく使用されるかたちである。鈴の音も、地蔵の笏から聞かれる音を連想させるが、金属と金属とがかち合い、転げる音というのは、それが例え小さな音でも、人間を感じさせる何かではあった。人類学の問題としても考えられそうである。