- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101359144
感想・レビュー・書評
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下巻に譲る
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抽象的な比喩が多すぎて疲れてしまった。そこがまたよかったりもするけれど精神状態によって左右されそう。どっぷり漬かれたり、ちょっと読むだけでもおなかいっぱいになったり。
お話自体はとても面白く、オカルトな部分もスルッと入り込めるのがいい。下巻も楽しみ。 -
この人の本を読むといつもなんだか分からない気持ちになる。これって明確な理由とか言葉にするのがもったいないくらいな感覚になる。だけどなんかすごく今を大事にしたい気分になる。何気ない毎日の今がそれなりでもとても意味があるような気になる。私は朔の考え方生き方とてもすき。自分と全く違うとこが。
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読んでて妙に気持ち良くて、どんどん読み進められた
スピリチュアルと一般的に言われている第六感的なものを信じているというかそういうのもあるんだろうなぁと思っているので興味をもって読めたのかも -
下巻にて感想
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主人公の朔美は、家の近くのバーでウェイトレスのアルバイトをしている女性です。彼女は、母親と小学四年生の弟の由男、母の幼なじみの純子さんという女性と、いとこの幹子の四人とともに暮らしています。朔美は数年前に頭を打って病院に運ばれ、記憶に欠如があるものの、非日常的なものがどこかから舞い込んでくるような日常を送っています。
上巻では、弟の由男がスピリチュアルな出来事に見舞われ、さらに死んだ妹の真由の恋人だった竜一郎とともにサイパンへ出かける経緯がえがかれています。
弟の悩みに対しても、死んだ妹の恋人と交際することになる経緯に対しても、主人公である朔美は主体的に向き合うのでもなく、かといって傍観者的なスタンスに徹するのでもなく、自分自身の人生でありながら、よそから不意に送り届けられたものであるかのような態度をとっています。本書の冒頭で、竜一郎からの宅配便が届けられたときに彼女が示した態度が、作品の全体をつらぬいているという印象です。それは、自分自身の記憶が不完全なものであり、自分の過去の人生がどこか他のところからもたらされたものであるかのように感じる主人公の立ち位置に理由を求めることができるのかもしれませんが、それ以上に作品全体をつらぬくスピリチュアルな世界観と相まって、人生そのものに対するある種の諦観を含んだ著者自身のまなざしに由来するような気もします。 -
後半になるとスピリチュアルなシーンが「もうええねん」て気がしてきてしまった。若干。
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主人公のお母さん、弟など周りの人たちがステキで、(下)まで一気に読んでしまいました。
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ある種の異常を抱えた人達の、あくまでも延々と続く日常
がひたすら描かれている。
日常というものへの推察がとても面白くそれを描写するための語彙も驚く程に豊富で、読んでいてとにかく気持ちが良かった。
サイパンの天国的な描写の数々が印象的だったけれど、そこから出てくる必要性を自然に自覚する朔美がまたとても素敵です。
朔美が由男のことを「おまえ」と呼んで少しはすっぱな口調で話すシーンがある度、本当の親密さを感じてとてもいいなと思いました。
家族のささやかな日常の記憶がどれも愛おしくて悲しくていっぱいになりました。 -
読了